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鹿児島県水産技術開発センター(鹿児島県沿岸沖合)

1 漁場環境情報提供の事例

1.5 鹿児島県水産技術開発センター(鹿児島県沿岸沖合)

漁海況情報・赤潮情報システム

1.5.1 導入の背景・経緯

本システムの情報提供は、鹿児島湾内と八代海を除く海域での漁業生産を対象としてい る。安全で効率的な漁業の支援のために行われている。

ICT活用は別として、本システムの原型は1978年より始まった。現在は2隻であるが当 時は3隻のフェリーに計測機器を取り付けて水温や流向流速のデータを取得していた。

2003年に、県内に分散していた研究施設が今和泉の本センターに集約されてから、人工 衛星情報(水温分布)も配信し始め、現在のシステムが運用されている。

1.5.2 システムの概要

システムの概要を図1.5.1に示す。

浮魚礁や定期フェリーに計測機器を取り付けて観測し、データを可視化するとともに、

観測情報や各種ソースからの情報を一元化して提供するシステムである。パソコンや携帯 電話を使って、いつでも、どこからでも情報が得られる。

図1.5.1 漁海況情報システムの概要

148 情報の内容は次のとおりである。

人工衛星情報(リアルタイムの水温画像)

浮魚礁情報(水温・流況)

フェリー情報(水温・流況)

赤潮情報(現地採取、持込情報)

漁海況週報 長期漁海況予測

卵稚仔情報(水産庁委託事業調査)

もじゃこ情報(採藻調査)

研究報告

浮魚礁とフェリーからの情報取得の仕組みを図1.5.2、図1.5.3に示す。

浮魚礁は、波や流れが作用すると、その外力に逆らわずに水面下へ潜る浮沈式である。

水温と位置情報が得られる。これは、本来浮魚礁の流失に備えてのものであり、位置情報 から浮魚礁が一定の範囲の位置を超えることがわかると、流失したと判断される。その後 は、送られてくる位置情報をもとに追跡することになる。

携帯電話通信(i-モード)でフェリーから取得データを送信していたが、1隻の計測機器 の故障を契機に、通信料が安く利用しやすくなったWiFi通信で送信する仕組みに改良し ているところである。5分おきに定時通信でテキスト形式のデータを送信している。

図1.5.2 水温・流況観測システム

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人工衛星情報は様々なソース元からの情報を提供している。NOAA(欠測がある)、METOP

(本センターに受信アンテナを設置して直接受信することで実際に撮影時刻とのタイムラ グを小さくしている。2017年から配信)、JAXAひまわり8号(欠測が少ないが、JAXAから ダウンロードしてから配信することからタイムラグがある)とJAFICを利用している。

人工衛星情報(水温分布)を直接受信し、配信し始めたのは、人工衛星情報の頻繁に利 用する者からはリアルタイムでの情報が欲しい、雲がかかっている場合に継ぎはぎの情報 は見にくいといった意見があったからである。

人工衛星情報は、浮魚が対象の旋網漁業者や定置網漁業者に利用されている。フェリー からの情報はJAFIC、海上保安庁、気象庁など気象海象の業界に利用されている。

1.5.3 情報の提供方法

Webサイトで情報を公開(図1.5.4)しており、パソコンやスマートフォンでアクセス できるが、情報漁業者には携帯電話(i-モード・ガラ系)の利用者が多いことから、携帯 電話からの利用にも対応できるようにしている。

図1.5.3 計測器取り付け魚礁及びフェリー

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過去のデータを分析した結果は、報告書や週報で情報提供している。週報にはどこでど のようなものが獲れたかがわかる主要漁獲魚種も載せている。主要漁獲魚種については、

直接漁協へ電話で問い合わせて聞き取っている。数字だけではない情報も得られることか ら、直接相手方とやり取りすることも漁海況を把握するうえで重要と認識している。

http://kagoshima.suigi.jp/を基に作成

図1.5.4 漁業情報の内容

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