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伊勢湾漁業協同組合(アサリ)

2 共販入札の事例

2.1 伊勢湾漁業協同組合(アサリ)

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47 2.1.2 電子入札の流れ

本システムは、水揚げされたアサリの漁場、大きさ(特大・大・中・小)、数量(以上、

入札情報もしくは商品情報となる)を漁協職員がパソコンに入力し、そのデータを仲買人に 電子メールする。仲買人は、パソコンから入札を行い、入札結果を電子メールで受け取った 後、落札した商品を引き取りに行くものである。

共販電子入札の流れを図2.1.2に示す。まず、水揚げ情報は、漁業者が紙に書き、これが FAXで支所(地区)へ送られてくる。現場では実測が行われる。これらに基づき、職員がパ ソコンから専用のwebサイトにアクセスし、水揚げ情報を入力する。入札はアサリの集荷場 である8支所(地区)において行われ、各々入札時間(ここでは開札時間のこと)が決まっ ており、順次入札(表2.1.1)していくことになる。これら入札時間は、電子入札システム の導入前からの入札時間であり、当時の買受人の移動の時間を考えて決まった時間である。

入札時間の 1 時間前までに入札情報を電子メールで登録されている仲買人の携帯やパソ コンへ送られる。取扱量が多い時には30分前になる時もある。仲買人は、入札情報(漁場、

大きさ(特大、大、中、小)、数量)に基づき、応札する場合には、パソコンから専用webサ

イトにID、パスワードでログインし、入札価格(単価)を入力する。商品の品質は、漁場と

大きさやこれまでの取引実績から決まることから、仲買人は商品の実物を見ていない。入札 結果は職員が確認した後に配信される。入札結果は、仲買人からの要望で一番札だけでなく

図2.1.2 アサリの共販電子入札の流れ

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二番札以降すべてが開示される。その結果、通常は最初の入札で落札した社がその次以降の 入札も落札することが多い。漁業者に対して入札結果は、黒板掲示や口頭で又は支所(地区)

に伝票を取りに来た時に伝えられる。入札部分のみが電子化されており、その他の経理事務 処理は、他の魚種と同じで、漁協の販売事業の一つとして事務処理が行われる。

2.1.3 電子入札システム

電子入札システムの概要を図2.1.3に示す。システム導入当時、「産地電子情報ネットワ ーク化事業」で仲買人の使用するのも一部含めてパソコンが支給されていた。またシステム はパソコンと i モードのガラ系携帯に対応していたが、現在はパソコンのみの対応となっ ている。昨今のスマートフォンに対応するにはシステム上の改変が必要となる。このため、

スマートフォンに送られてくる電子メールで入札情報は見ることができても、専用 web サ イトにアクセスして応札することができない。

また、システム導入当時、漁協としては、漁協のwebサイトで水揚げ情報、入札情報、入 札結果を公開しようとしたが、買受人の反対で実現しなかった。このため、登録された仲買 人が公表されていない専用webサイトにIDとパスワードでログインして応札するシステム となった。

これまで10年以上運用してきたが、あくまでもアサリ専用の入札部分のシステムである。

サーバーは管理、保守・点検の費用や設置環境の問題があることから、県の漁業協同組合連 合会事務所に置かれている。サーバーの管理の問題や昨今のスマートフォンへの対応がで きていないこと、他の魚種、例えば最近漁獲され始めているハマグリへの対応が困難である ことなどの問題がでている。費用の問題がなければ、もっと他の魚種にも対応できるシステ

図2.1.3 電子入札システム

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ムへ変更できないものかといった要望もでてきている。

2.1.4 電子入札システムの運用とその効果

電子入札システムの運用の様子を図2.1.4に示す。電子入札システム導入前は、入札会場 に来ない仲買人の入札額を電話で聞き取っていたが、聞き間違いや漁協職員が復証する際 に周辺の仲買人へ入札額が漏洩してしまうとの問題が生じていた。また、入札後の清算業務 は翌日になることがあった。システムの導入により、このような問題が解消されるとともに、

電話通信料等の経費削減や入札及び入札後の事務処理業務の効率化が図られている。また、

仲買業者は、希望する入札会場のすべてに行く必要がなくなり、買受人の移動時間は削減さ れた、その時間を別の業務に時間を割けるようになった。

他方、システム導入の背景、情報の開示範囲など、生産者(漁業者・漁協)と仲買人の力 関係でシステムの内容が決まったという印象があり、生産者側のメリットは見当たらない。

買受人は地元の 12 社であり、一仲買人当たりの平均応札は3、4件とシステム導入前後で 変わりはない。システム導入による単価の上昇は見られず、むしろアサリ資源量の減少問題 と言える。

本システムはアサリのみを対象としたものであるが、水揚げ場所と入札取引場所が必ず しも一致しない商流と物流の分離の事例である。圏域計画に基づき漁港の水産物生産・流 通拠点整備を進めているところであるが、複数の漁港を連携させることで、生産・流通の 効率化が図られる事例とも言える。

図2.1.4 電子入札システムの運用状況

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