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野辺地町漁業協同組合(活ホタテ)

2 共販入札の事例

2.4 野辺地町漁業協同組合(活ホタテ)

2.4.1 トレーサビリティシステムの導入の背景

野辺地町漁協では、美味しく安全なホタテを消費者へ提供できるよう、安全性について 取り組んでいる。紫外線海水殺菌装置や冷却装置などの各設備の導入、定期的な環境モニ タリング、生産現場の衛生管理指導などを通して、徹底的な安全性を追求している。

安全面、衛生面の取組は、EUへの輸出実績にもつながっている。EUへの輸出のため、

ホタテ貝の貝毒、微生物の検査と貝毒原因プランクトンの出現検査、放射能検査や、生産 現場の衛生管理指導といったEUの要件を満たす衛生対策及びモニタリングを行ってい る。加工品としては、対EU輸出水産食品取扱施設の認定を受けた加工場からEUへ輸出さ れている。

しかし、2003年のシステム導入当時、ホタテ貝の生産価格は低迷し、生産量の約80%

は単価の安い加工向けとして出荷されていた。EU向けにホタテの輸出もあったが、衛生管 理上の問題で1995年に禁輸措置がとられ、2002年に解禁となったものの、輸出量は伸び なかった。2003年に異常気象によるホタテ貝の大量斃死により水揚げ金額が減少し、漁家 や漁協の経営は厳しい状況に追い込まれた。

そこで同年12月に、独自の産地直送の殻付き活ホタテの販売を目指し、消費者の安 全・安心のニーズに対応するためホームページ上で生産履歴が確認できるトレーサビリテ ィシステムを導入し、漁家所得の向上を図ることとした。現在、本システムに登録してい る生産者は60名を超える。(一部本システムによらずに直接販売している生産者がい る)。

活ホタテは、市場取引されてスーパーの店頭に並ぶものや、あるいは漁協へ電話注文や webサイトからの注文により、スーパー(贈答用)、居酒屋や一般消費者へ直接販売され るものがある。本システムの対象は後者の活ホタテである。

活ホタテは、水揚げ後、一日水槽で休ませてから直送している。海水中でクールダウン させることで元気になり、高い鮮度のまま直送できる。配送に3日以上かかる地域の場合 は容器に酸素を注入して発送。

2.4.2 トレーサビリティシステムの概要

図2.4.1に野辺地町漁協webサイト(活ホタテのトレーサビリティシステム)を示す。

活ホタテを購入すると、トレーサビリティシステムの識別コードの付いたシールが添付さ れている。シールには、二次元コードと16桁の識別コードが記載されており、携帯電話 で二次元コードを読みとるか、漁業協同組合のwebサイトにある「ほたて生産管理情報シ ステム」のフォームに16桁の識別コードを入力することで、次の情報が閲覧(図2.4.2)

できる。

ア.生産者情報~生産者の氏名、写真、プロフィール

イ.水揚げ日、出荷日、消費期限(水揚げ日を含む3日以内)

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ウ.水温関連情報(青森県産業技術センター海況情報にリンク)

エ.貝毒の検査結果情報(青森県産業技術センター貝毒情報にリンク)

オ.生産日誌

トレーサビリティの識別コードの前2桁は生産者番号、5桁から10桁は水揚げの年月日 である。漁協ではあらかじめ生産者情報を登録しておき、注文が入ると順次決められた順 番に生産者を割当て、出荷情報を入力して識別コードの付いたシールを印刷する。生産出 荷情報はすべてここで作成され、管理(図2.4.3)されている。2003年12月に同システ ム導入後、2005年10月には、より新鮮なホタテを提供するための冷却装置、紫外線殺菌

装置及び10t水槽2基を整備、活ホタテの付加価値の向上を図った。2006年11月、シス

テム専用シールに二次元コードを導入し、消費者が店頭でも生産履歴を容易に検索できる ようシステムを改良。2013年10月、供給体制強化を図るため10t水槽2基を増設した。

大手量販店や県内スーパーから、システムに対する評価と信頼を得て取引が拡大した。

2.4.3 トレーサビリティシステムの導入効果

単価の安い加工向けとして出荷されていたものが、システム導入後は、殻付き活ホタテ 貝の出荷が増え、生産者の手取額が増加している。

http://www.jf-nohejimachi.com/pc/scallop/index.htmlより作成

図2.4.1 野辺地町漁協webサイト(活ホタテのトレーサビリティシステム)

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図2.4.2 識別コードの入力結果例 http://www.jf-nohejimachi.com/pc/scallop/index.htmlより作成

図2.4.3 生産出荷情報管理

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