2 養殖生産の事例
2.3 弓ヶ浜水産株式会社(ギンザケ)
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(生け簀)
設置水深15m
直径 25m×10m×25 基
出荷量 1,900t(2017年シーズン)
図2.3.2 養殖生産サイクル(時系列)
図2.3.3 養殖から加工まで一貫管理した生産体制(1)
163 2.3.3 養殖の概要と特徴
孵化・種苗生産、養殖から加工・出荷まで一貫した管理(図2.3.3、図2.3.4)が行わ れている。
具体的には次のとおりである。
① 淡水養魚場(大山山麓など)で育てた幼魚を美保湾内の養殖場へ運搬・搬入し、海水馴 致の後、生け簀ごと沖出しする。
尾数は、みさぎサーモンと同様なやり方であったが、2017年シーズンより、幼魚をパ イプに通すことで光センサーにより尾数をカウントする。しかし誤差が依然と数パー セント発生している。
② 自動給餌システム「ニッスイAqualingual」(図2.3.5、図2.3.6)~生け簀内に設置し た給餌ブイの食欲センサーや水中カメラ、溶存酸素・水温センサーから情報や水中静 止画像をインターネット上で確認でき、パソコンやスマートフォンなどでリアルタイ ムにチェック(図2.3.7)できる。搾餌行動や遊泳状況、成長状況から給餌をコントロ ールしている。餌料はEPペレットである。
③ サンプリングによる魚体測定しているが、バラツキがある。このため、できるだけ多 くサンプリングこととし、毎月5~10匹から100匹取り上げで測定している。
④ 収穫時期は3月から6月上旬。生け簀ごと加工場前面の護岸に接岸させ、フィッシュ ポンプで魚にかかるストレスを減らしながら水揚げする。水揚げと同時に台上で電気 ショックをかけて気絶させ、直ちに1尾ずつ活〆し、脱血させることで生臭さをなく す。
⑤ 原料処理から梱包まで一貫工程の加工場(HACCP管理)からエンドユーザーへ出荷す る。銀ザケを加工場に搬入してから箱詰めまでは短時間に行われ、最短10分を切る速 さで処理することが可能である。
⑥ 商品箱に商品名のシールを貼っているが、ロット番号、バーコード等の情報はない。
別途、生け簀単位でトレーサビリティ情報を保管している。
www.yumisui.jp/を基に作成
図2.3.4 養殖から加工まで一貫管理した生産体制(2)
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図2.3.5 養殖場の管理システム
www.yumisui.jp/
図2.3.6 魚の食欲と給餌量
165 2.3.4 今後の課題
2017年シーズンより、幼魚をパイプに通すことで光センサーにより尾数をカウントする
Fish Counterを導入しているが、依然として誤差が平均すると数パーセント発生してい
る。本機器を機械自体が有する精度の問題もあるが、尾数のカウント精度を向上させてい くことが必要である。
生け簀によって成長の程度や同じ生け簀内での魚体の大きさ・重量のバラツキがある。
三陸と比べて水温が高いことから、出荷時期も早まる。魚の搾餌行動をとらえての自動給 餌システムは画期的ではあるが、結果的には養殖する側の都合で成長を高める給餌となっ ている。こうした場合であっても、要求する成長に必要十分な給餌量、いわゆる適正な給 餌量の設定とその給餌タイミングやスピードを追求することが重要である。
給餌量や集荷に影響する魚体の大きさや重量は、実際に生け簀からサンプリングし、そ の結果に基づいて推計されている。しかし、生け簀内での魚体のバラツキを考えると、そ の方法が妥当なのかどうか、また多大な時間と労力を要しているという問題がある。ビデ オカメラ映像から読み取る方法も含めて、魚体測定方法の改善が必要である。
平時や出水後の河川の流入の影響により濁り(漂砂)が著しい。こうした現象が養殖に 与える影響も今後検討することは重要である。
図2.3.7 給餌量のコントロール
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