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欧米における市場取引の電子化・オンライン化

4 海外の産地魚市場における ICT 活用の事例

4.1 欧米における市場取引の電子化・オンライン化

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元々、欧米の魚市場は閉鎖型構造であり、前日に陸揚げされた商品は翌朝のせり・入札 まで冷蔵保管施設に保管され、翌朝せりや入札が終わると市場内の別部屋において買受人 が一次加工処理まで行っている。日本の場合、当時はオープンな上屋構造であり、現在も 陸揚げから仕分け・商品の陳列が速やかに行われ、荷捌きやせり・入札が終わると買受人 が自社の加工場へ運搬している。欧米が衛生管理規則に基づく施設整備・改良や運営にす ぐに移行できた背景には、こうした魚市場での作業慣習の差異が起因している。

視察した当時は、1990年代から始まったICTによるイノベーションの影響を受けて、視 察したなかで魚市場のある漁港(港湾)のすべてにおいて、既に15港と1組合で市場取 引の電子化やオンライン化を行われていた。

表4.1.2 海外視察調査が行われた漁港・港湾(1995-2008年)(2)

国名 各国の主要な漁港

(港湾)

衛生管理等対応

(1995~2008年) 電子化・オンライン化の状況 アバディーン (1996)EU衛生管理基準

ピーターヘッド アイルランド キリベック

レイキャビーク (1999)電子せり

グリーンダビーク (1999)電子せり

ドイツ ブレーマーハーフェン (2000)電子せり

コトカ ラウマ ギリシャ ピレウス

サンタ・マルグリータ ラ・スペッツァ ジェノバ カモリ サヴォーナ アンドーラ インペリア サンレモ

アンツィオ (2005)電子せり 表示盤 商品はベルトコンベアを

移動 リモコンのボタン操作でせり ナポリ

ポッツォーリ (2005)EU衛生管理基準 ポルティチェッロ 

パレルモ トラーパニ セントジョンズ ハリファックス ポートムートン ルーネンバーグ スチィーブストン

グロスター (2001)ディスプレイ・オークション スクリーン

端末操作でせり ロサンゼルス

ウェストポート

52港(34港)と1組合 13港 15港と1組合

カナダ

USA

( )は魚市場の存在する港数 UK

アイスランド

フィンランド

イタリア

全国漁港協会発行雑誌漁港「海外漁港調査団報告」(1995-2005年調査)

水産庁「EU諸国HACCP調査報告」(1997年調査)

未来大学・漁村総研等「EU諸国水産基盤調査」(2008年調査)

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4.1.2 2000年頃の電子化・オンライン化(海外調査報告)

2000年頃の漁港(港湾)を対象に魚市場の電子化・オンライン化の整備状況を調べた調

査結果2)がある。その結果を一覧表にまとめたのは表4.1.3である。Localとはその魚市 場のせり等にしか参加できないシステムであり、Remoteとは、その他の市場にも場外から 参加できるというシステムである。いずれの場合も電子化されていることが前提である。

調査報告書は、必ずしも円滑に電子化・オンライン化へ移行したわけではなく、新たな 変化に対して次のような様々な困難があったことを指摘している。

(導入当初の抵抗)

地域の閉鎖性 変化への抵抗

効果や便益を理解してもらえない ビジネス上の便益を明確に示せない 新たな参入者は受け入れたくない 職を失うことへの恐れ

こうした抵抗には実際にシステム導入のデモンストテーションを示しながら、理解を求 めてきた努力があった。

Local Remote 計

ベルギー 3 3

フランス 14 7 21

ドイツ 1 1

アイスランド 18 18

イタリア 8 8

オランダ 4 8 12

ノルウェー 1 4 5

スペイン 2 1 3

UK 1 7 8

計 31 48 79

ノルウェーには浮魚販売組合の電子入札は含まない

表4.1.3 欧州における電子入札・せりの魚市場数(2000年)

Local: 魚市場内でのせり参加

Remote:場外からオンラインでせり参加

Electronic fish auctions, Nautilus Consultants Ltd, 2000

2)Electronic fish auctions, Nautilus Consultants Ltd, 2000

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