3. 大学活動の状況
3.2 組織活動
3.2.2.7 農学部
3.2.2.7.1 教育課程の基本構成及び現況
教育課程[農学部]は,生物資源環境科学科(入学定員50名),生物機能科学科(入学定員50名)
の2学科から編制されている。平成25年5月1日現在で,教員組織構成及び学生状況(学生数/入 試状況/就学状況/卒業状況/学位授与状況/資格取得状況/就職状況等)は以下のとおりである。
3.2.2.7.1.1 教員組織構成
農学部の教育は,主として,農学部と大学院医学系研究科の農学系に属する教員が担当している。
3.2.2.7.1.2 学生状況 学生数
生物資源環境科学科209名,生物機能科学科209名 入学志願者・入学状況(平成 25年度)
生物資源環境科学科:募集人員 50名,志願者数109名,合格者数 56名,入学者数 51名 生物機能科学科:募集人員 50名,志願者数179名,合格者数 57名,入学者数 52名 合計:募集人員100名,志願者数288名,合格者数113名,入学者数103名
卒業生数(平成25年3月31日)
生物資源環境科学科54名,生物機能科学科60名 就職状況
卒業者数 114 名,進学者・留学者 42 名,就職者 61 名(内訳:製造業 44.3%,卸売・小売業
13.1%,公務 9.8%,農業・林業 9.8%,複合サービス業 6.6%,学術研究・専門・技術サービス業
3.2%,建設業 1.6%,電気関係1.6%,情報通信業 1.6%,金融業・保険業1.6%,飲食等サービ
ス業1.6%,生活関連サービス業1.6%,教育学習支援1.6%,医療福祉業1.6%)
3.2.2.7.2 教育課程の基本的方針とその概要
教育課程[農学部]においては,「教育目的」,「教員組織編制」,「入学者受入方針(アドミッション・
ポリシー)」,「教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)」,「学位授与方針(ディプロマ・ポリ
シー)」及び「教育の国際化」に係る基本的な考え方をそれぞれ次のように定めている。
3.2.2.7.2.1 教育目的
農学部では教育目標を以下のように山口大学農学部規則第1条の2で定めている。
人類の生存を支える安全な食料の効率的生産,生態環境の保全,生物資源の機能開発のための 高度な教育を行い,先端的研究を通じて,地域,社会の発展に寄与するとともに,国際的に活躍でき る人材を育成することを目的とする。
また,各学科の「教育理念」及び「目標」を次のように定めている。
生物資源環境科学科:
人類の生存を支える安全な食料の効率的生産,生態環境の保全,生物資源の機能開発のための 高度な教育を行い,先端的研究を通じて,地域,社会の発展に寄与し,国際的に活躍できる人材を育 成する。
生物機能科学科:
生物の機能を細胞,タンパク質及び遺伝子のレベルで解析し,食料,生物資源の高度利用,環境と 生物のかかわりなどについて,バイオテクノロジーを駆使して追究する。
3.2.2.7.2.2 教員組織編制
農学部の教育を担当する教員は,平成18年度の部局化に伴い,医学系研究科(応用分子生命科 学系)に所属する 5 名を含み,「生物資源環境科学科」と「生物機能科学科」のそれぞれの理念・目的 に沿った教育体制を構築するための教員組織となっている。教育運営に関しては,学部長を最高責任 者として,学務委員会及び各学科長が責任を負っている。
3.2.2.7.2.3 入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)
各学科の求める学生像は次のとおりである。
生物資源環境科学科
①食料生産に強い関心を持つ人
②生物を中心とした自然科学を探求しようとする情熱を持つ人
③農業及びその関連産業の発展に貢献したいという意欲を持つ人 生物機能科学科
①生命現象の複雑なメカニズムを探究したい人
②人と自然,人と環境とのかかわりの中で生じる諸問題を生命科学の視点から解決したい人
③自ら問題を探し出し,それを解決しようとする姿勢を持つ人
3.2.2.7.2.4 教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)
学科ごとに,教養教育,専門教育をすべて包括したカリキュラム・マップが作成されている。このカリ キュラム・マップは,卒業生が備えておくべき資質を述べたグラデュエーション・ポリシー(3.2.2.7.2.5参 照)が,どの授業でどのように達成されるかを一覧表にしたものである。これが,農学部における教育課 程の編成・実施方針を詳細に記述している。さらに,学生にこれらのカリキュラム・ポリシーを明確に伝 えるために,カリキュラムの年次進行とグラデュエーション・ポリシーの関係を流れ図として示したカリキュ ラム・フローチャートも作成し公開している。
〈資料 3-2-2-7-2-4 農学部生物資源環境科学科カリキュラム・フローチャート(他学科については,別 添参照)〉
3.2.2.7.2.5 学位授与方針(グラデュエーション・ポリシー)
農学部では,学科ごとに以下のようにグラデュエーション・ポリシーとして定め,Web ページで公開し ている。
生物資源環境科学科
1. 修学計画能力:生物資源環境科学科において何を学ぶか,生物資源環境科学とは何かの概念を 得る。また,生物資源環境科学科教育プログラムの学習・教育プログラムを把握し,自ら修学プラン を立案できる。
2. 一般的基礎能力:語学,人文,社会系科目を含む幅広い教養科目および生命倫理を学び,社会 に対する責任感を養う。
3. 農学基礎能力:自然科学的および社会科学的農学系基礎に関する知識と応用力を身につける。
4. 専門応用能力:生物資源環境科学に関する総合的専門知識及び技術の取得とそれらを用いて諸 問題の解決方法を自ら考え実践する能力を身につける。
5. コンピューター応用能力:生物統計等に関するソフトウェアの理論と使用法を理解し,生物生産,環 境計測,農業経営などの様々な過程で現実的な複雑さを持つ農学的諸問題を迅速に解決できる。
6. 農学研究能力:農学的諸問題に対して,農学的かつ論理的な考察を行い,自ら解決方法を発想し 成果を得ることができる。また,発想から成果に至る研究経過を明解にレポートにまとめ,わかりやす くプレゼンテーションするとともに,討議できる能力を身につける。さらに,得られた成果を客観的に 評価し,改善することができる。
7. 農業・農村地域の環境の課題における指導能力:生物多様性をはじめ,農業・農村地域の環境課 題を解決するための能力を発揮し,指導者となる素養を涵養する。
8. 自己研鑽能力:多様化・複雑化する生物生産システム,生命,環境,自然に関する諸問題に関心 を持ち,それらの問題を理解あるいは解決するために自己の能力を継続して向上させることができる。
9. 進路計画能力:農業ならびに関連産業界の動向,求められる人材,就職環境などを把握して,将
来の進路を展望し,自ら進むべき方向を決定できる。
生物機能科学科
1. 生化学の基本的な知識とバイオテクノロジー等の技法を修得し,生物科学分野で社会貢献できる。
2. 生物と環境の相互作用の科学的な理解に基づき,環境問題に対処できる。
3. 科学技術の発展に関連した社会全体の問題について,自ら課題を見出し解決しようとする姿勢を 持つ。
3.2.2.7.2.6 教育の国際化
国際的な社会連携活動並びに研究連携,社会連携及び国際化のための体制構築に関して,以下 の実績がある。
1. 忠南大学校・農業生命科学大学(韓国),キングモンクット工科大学・タクシン大学・メージョー大 学・ラジャマンガラ工科大学(タイ),新彊畜牧科学院・東北師範大学(中国),トリブヴァン大学(ネパ ール),ジャハンギナガール大学(バングラデシュ),ウエストハンガリー大学(ハンガリー),ラプラタ大 学(アルゼンチン),ニュージーランド作物食物研究所(ニュージーランド)と学部間学術協定を結ん でいる。
2. アジア研究教育拠点事業(計画書:研究プロジェクト係)の一環として学部学生も参加する若手研 究者セミナーを平成 20 年度から毎年開催している。大学院生が中心になって企画運営を行い,研 究成果を英語で発表している。平成 23 年度からタイのカセサート大学等とショートステイ・ショートビ ジット(SSSV)を実施している。
(若手研究者セミナーの様子)
3. 受入留学生に対してはチューターを配置し,修学上のことから生活面に渡るまでサポートを行って いる。
3.2.2.7.3 教育課程の充実のための特色ある取組
農学部の教育課程の充実を図るため,以下のような特色ある取組を行っている。
教育課程の編成においては,教員ごとに最新の学術動向を反映した内容を各講義に盛り込んでい るが,この点に関する学科全体としての取組はない。
授業形態のバランスに関しては,年次進行とともにその比率を変化させ,当学科の教育方針の実現 を図っている。また,各科目の学習指導法は各教員に任されているが,カリキュラム・フローチャートを 作成し,それぞれの科目の位置づけを明確にしている。
シラバスで授業回数を明記した授業計画を公開し,それに沿った授業の実施を行っている。
本学の基準に従ってシラバスが作成されており,年度初めの学生へのガイダンスでその活用を呼び 掛けている。
成績評価及びその評価基準は,農学部規則に明記されている。また,各科目の成績評価方法(例 えば,出席状況,レポート,中間テスト,最終試験の組合せによる成績判定)はシラバスに明示され,そ の成績評価方法に従って適切に単位認定を行い,学生へ成績の開示を行っている。
基本的には担当教員の主体性に任せている部分も多いため,組織としては不十分な部分もあると 考えられる。しかし,学生からの異議申し立ては学務委員会等,組織として受けられる体制を取ってい る。
また,広島大学生物生産学部との単位互換協定に基づく遠隔講義を導入し,カリキュラムの充実を 図っている。
3.2.2.7.4 点検・改善体制と教育課程の現状と課題
各教科について,学生による授業評価を実施するとともに,一部授業についてはピア・レビューを行 い,問題点の早期発見に努めている。
学生の修得単位科目,卒業(学位)論文等の内容・水準から判断して,卒業時等において学生が身 に付けるべき知識・技能・態度等について学習成果が上がっていると判断される。
卒業時の満足度に関する学生からの意見聴取などの結果から判断してある程度の学習成果は上が っていると判断できるが,さらに向上が可能な部分もあると考えられる。
教員相互の授業見学は学部全体にアナウンスをして行っている。また農学部において独自のFD研 修会は開催していない。今後の課題である。
教育の国際化に向けた活動の状況を把握し検証する取組を組織的・継続的には行っていない。今 後の課題と考えている。
3.2.2.7.5 教育課程と地域貢献活動
3.2.2.7.5.1 地域貢献活動の基本方針
地域の教育文化の発展への寄与及び研究連携と地域イノベーションの推進の一環として以下の取 組を実施している。
1. 山口県農林総合技術センターと「連携推進会議」を設置し,山口県の農林業・農山村の振興に資 するための共同研究を推進する。
2. 山口県及び周辺地域の高校との高大連携を深めるために,「農学部オープンセミナー」及び「ひら めき☆ときめき サイエンス」を開催するとともに,「スーパーサイエンスハイスクール」の実習受入れ及 び「出前授業」への出動を積極的に行う。