3. 大学活動の状況
3.2 組織活動
3.2.3.1 時間学研究所 .1 組織構成
時間学研究所は,山口大学学則第9条に定められた全学教育研究施設である。
平成 12 年 4 月,当時学長であった廣中平祐先生の提案で,文理融合的な時間の研究を行う新し い学際分野を研究する世界で唯一の研究所を目指し設立された。初代所長は井上愼一教授(時間 生物学)である。平成17年10月に3名の専任教員の所員を抱える研究組織となり,平成22年4月 に時限が解除され本学の常設研究所となる。平成23年11月,平成24年4月にそれぞれ専任教員 が配属され,平成 26 年 1月現在,5 名の専任教員,2名の特命助教を加え全体で約 30名のスタッ フ・学生を有している。
研究所は,以下に述べる 4 つの研究グループがあり,専任教員と他学部の教員がそれぞれの研究 に対しグループを構成し研究交流を行う体制をとっている。
・第1研究グループ「社会的時間と人間的時間の調和の研究」 グループリーダー 杉野法広教授(医 学部)参加者:29名
・第 2研究グループ「生物に刻まれる時間と環境変遷に関する研究」 グループリーダー 岩尾康宏教 授(理学部)参加者:13名
・第3研究グループ「多文化圏における時間表象の研究」 グループリーダー 坪郷英彦教授(人文学 部)参加者:19名
・第 4 研究グループ「時間に関する個別融合分野の研究」 グループリーダー 山本晴彦教授(農学 部)参加者:13名
研究所の運営には,研究所長,所員,研究グループリーダーから構成される運営委員会があり,研 究所全体の運営を行っている。研究所は,現在11名の客員教授及び1名の名誉所長を有している。
研究所の研究企画を行う委員会として研究所員及び研究分野が近い関連教員から構成される企画 委員会があり,研究発表会やシンポジウムなどの研究所の対外的な情報発信に関して企画を行う組 織となっている。これらを取りまとめると以下のような組織図となる。
3.2.3.1.2 目的・目標
時間学研究所の使命は,人類の幸福のため,時間を共通の視点として文系と理系,基礎理論と応 用理論の枠を超えた時間学という新たな学際領域の創成を行う。その中で研究者間の交流を行い,
時間学に関する国際的な研究拠点化を目指している。また,時間学研究を体系化し,研究成果を分 かりやすく社会に還元することも重要な使命の一つである。
3.2.3.1.3 特色ある活動実績
一般市民の方への「時間学」普及のため,平成 25 年度は,公開講座,アフタヌーンセミナー,国際 シンポジウムを開催した。
・平成25年6月1日〜7月6日 山口大学吉田キャンパス(山口市)
市民向け公開講座「時間学への招待」
・平成25年7月26日(金) ニューメディアプラザ山口多目的シアター(山口市)
時間学国際シンポジウム平成25年(特別市民講座)「幸福とは何か」
・平成25年9月14日(土) キャンパス・イノベーションセンター東京(東京)
時間学アフタヌーンセミナーin東京「日記と時間」
・平成25年11月30日(土) リファレンス駅東ビル(福岡)
時間学アフタヌーンセミナーin福岡「時間と災害」
そして,平成 21年に設立された日本時間学会の年次講演会に合わせて,毎年公開シンポジウムを 実施している。平成25年度は,下記の日程で公開学術シンポジウムを開催した。
・平成25年6月8日(土) 山口大学吉田キャンパス大学会館(山口市)
時間学公開学術シンポジウム「《夜》の文化史」
このような,時間学研究の確立と成果の普及の評価を受けて,平成 23 年4 月に「時間学的学問の 確立とその研究成果の普及啓発」により文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞している。各シンポジウ ム,セミナーの詳細は,資料 3.2.3.1.3平成 25 年度時間学研究所シンポジウム・セミナー実施状況を 参照いただきたい。
〈資料3.2.3.1.3 シンポジウム・セミナー実施 一覧表〉
3.2.3.1.4 自己点検・改善体制
時間学研究が目指す研究は,(1)時間学研究を通して学内外に新たな学際的研究を構築し,新た な時間学の可能性を示唆すること,(2)時間学研究所の研究の成果を社会に還元することにある。
(1)時間学研究
所員が取り組んでいる時間学研究のレベルは世界標準に近いレベルにある。例えば,時間学研究 所宮崎真教授のチームが,ものを見た際に整列した状態か乱雑な状態かを見分ける脳の仕組みを世 界で初めて明らかにした。この研究を通じて人工知能やロボットビジョンにおけるパタン認識やパタン合 成技術の進展へつながることが期待される。また,青山准教授の著書「分析哲学講義」はその論理性 の高さから多くの大学の「国語」の入試問題に採用されている。
加えて,日本時間学会の学会誌「時間学研究」の編集を担当し,以下に列挙する時間学研究所の 研究グループが主催するグループセミナーを企画,開催した。
開催場所 種類 タイト ル 参加者 講演者
16月8日(土)15:
00-18:00
山口大学吉田キャン パス大学会館
時間学公開学術シン
ポジウム 《夜》の文化史 200名
コーディネーター: 右田裕規(山口大学時間学研究所)
講演者: 近森高明(慶應義塾大学文学部准教授)
小山恵美(京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科准 教授)
27月24日(水)10:
30-11:50 理学部14番教室 時間学特別セミナー 概日リズムと睡
眠 50名 平井圭介(武田薬品工業(株)医薬研究本部中枢疾患創 薬ユニット主席部員・時間学研究所客員教授)
37月26日(金)15:
00-18:00
ニューメディアプラザ 山口 多目的シアター
時間学国際シンポジ
ウム 幸福とは何か 122名
コーディネーター: 青山拓央(山口大学時間学研究所)
講演者:大石繁宏(ヴァージニア大学心理学部教授)
ミシェル・ドボアシュ(岡山大学文学部准教授)
49月14日(土)
13:00-16:00
キャンパス・イノベー ションセンター東京
時間学アフタヌーンセ
ミナーin東京 日記と時間 50名
コーディネーター: 森野正弘(山口大学人文学部)
講演者: 大内英範(筑紫女学園大学文学部准教授)
宮崎荘平(時間学研究所客員教授)
511月30日(土)
13:00-16:50 リファレンス駅東ビル 時間学アフタヌーンセ
ミナーin福岡 時間と災害 36名
コーディネーター&講演: 山本晴彦(山口大学農学部)
講演者: 寒川旭(産業技術総合研究所客員研究員)
曽根好徳(名古屋大学減災連携研究センター副センター 長兼教授)
鈴木素之(山口大学大学院理工学研究科)
今林隆史(RKB毎日放送株式会社報道部記者)
612月13日(金) 常盤キャンパスD41講
義室 時間学特別セミナー 動く大地の土木
設計論 40名 竹林征三(富士常葉大学名誉教授・山口大学時間学研 究所客員教授)
712月20日(金) 理学部第13番講義室 第2研究グループ時 間学セミナー
生物の発生と進 化の時間学
グループリーダー:岩尾康宏 マネージャー:明石 真 青山修平(医学系研究科 発生遺伝学研究室)
佐藤美穂(時間学研究所 時間生物学研究室)
木田裕之(医学系研究科 システム神経科学)
加納聖(共同獣医学部 獣医発生学分野)
83月4日(火) 医学部記念会館 霜 仁館3階
第1研究グループ 時間学セミナー
時間と神経-学習 機能のメカニズ
ム-グループリーダー:杉野法広 マネージャー:宮﨑真 美津島大(大学院医学系研究科システム神経科学分野)
H25年度 時間学研究所 シンポジウム・セミナー実施状況(敬称省略)
平成25年12月20日 第2研究グループ 特別セミナー「生物の発生と進化の時間学」
3月 4日 第1研究グループ 特別セミナー「時間と神経〜学習機能のメカニズム」
(2)時間学研究の社会への還元
本学地域連携推進センターが主催する公開講座「時間学への招待」では, 60 名の市民を対象に 5回にわたって時間学の最新研究成果を解説した。
また,客員教授を講師に時間学特別セミナーを以下の日程で実施した。
平成25年7月24日 平井圭介客員教授「慨日リズムと人の疾患」
12月13日 竹林征三客員教授「動く大地の土木設計論」
併せて,11月9〜10日,日本科学未来館で開催されたサイエンスアゴラに「宇宙から来る電波を観 測しよう」を出展し,来館者に対し,時間学に関する普及を行っている。併せて,所員全員が時間学研 究所の以下に示す広報活動にも力を入れた。
新聞
・平成25年4月11日 日本経済新聞「知の明日を築く」
・平成25年4月16日 毎日新聞 「体の中にも正しい「時」を」(明石)
講演会
・平成25年3月13日「時間学〜200年度の私たちへ〜」第63回 C-UBE Salon(進士)
・平成25年3月9,10日 山口情報芸術センター(YCAM)にて開催された「TECHTILE」ワー クショップ(YCAM+慶應大学による触覚の共同研究開発プロジェクト)にゲストスピーカーとして 登壇(青山)
・平成25年5月11日「200年度の私たちのための時間学研究」常盤工業会平成25年度定時 総会(進士)
・平成25年6月13日「電波で見た宇宙の姿」光高校の学生(藤澤)
・平成25年7月24日「アンテナを作って電波をキャッチ!」防府市青少年科学館ソラール・サイ エンスアカデミー(藤澤)
・平成25年8月3日「電波で見た宇宙の姿」山口大学オープンキャンパス(藤澤)
・平成25年8月4日「電波で見た宇宙の姿」福岡県立香住丘高校(藤澤)
・平成 25年 8月 6日「電波で見た宇宙の姿」徳山高校・山口高校・岩国高校理数科合同セミナ ー(藤澤)
・平成25年8月20日「電波望遠鏡見学案内」天文教育研究会(藤澤)
・平成25年8月27日「電波で見た宇宙の姿」(藤澤)萩・阿武理科教育研究会研修
・平成25年8月27日「山口大学における時間学研究」(進士)萩・阿武地区理科教育研究会
・平成25年11月2日「200年度の私たちのための時間学研究」常盤工業会関東支部総会 (進 士)
・平成25年11月18日「時間の流れと社会の流れ」工場経営フォーラム(進士)
・平成25年11月25日「電波で見た宇宙の姿」山口県立防府高校(藤澤)
・平成25年12月27日「銀河系を電波で見る」アストロリーグ(藤澤)
放送
・平成25年5月25日 山口放送ラジオ「DO!ASA」(右田)
・平成25年6月5日 エフエム山口「モーニングストリート」(右田)
・平成25年11月10日 ガリレオX「内なる時計の謎」(明石)