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第 3 章 経済概況

3. 貿易構造

(1) 品目別輸出・輸入の動向

品目別の輸出と輸入をみると、輸出品目では過去 10 年間(2000年→2010年)で構成比 に大きな変化がある一方で、輸入品目ではそれほど大きな変化はないことが窺える。

2010年の輸出額は1,578 億ドル。主な輸出品は①鉱物性燃料(構成比:29.6%)、②油脂

(同10.3%)、③電気機器(同6.6%)、④ゴム製品(同5.9%)、⑤鉱石(同5.2%)。電気製 品を除けば天然ガス等の天然資源やその加工品であり、これら 5 品目で全体の6 割近くを 占めている。

2000年からの10年間で輸出額は年間1割のペースで増えているが、その内訳の変動は大 きい。天然ガス等の鉱物性燃料は以前から最大の輸出品目で変わりはないが、2000 年時点 にこれに次ぐ電気機器(10.4%→6.6%)、衣類(7.3%→4.1%)、機械(6.2%→3.2%)、木材・

木製品(5.9%→1.9%)の4品目の構成比合計は、10年間で14.1%ポイント下がった。

これらに代わって台頭しているのが、世界的な資源価格高騰の恩恵を受けた資源関連品 目である。油脂(2.8%→10.3%)、鉄鉱石をはじめとした鉱石(2.7%→5.2%)、ゴム製品(2.2%

→5.9%)、銅・銅製品(0.7%→2.1%)だけで、構成比は15.2%ポイント上昇した。

その他では、自動車や二輪車、それらの関連部品が含まれる輸送機器・部品が、22位(0.8%)

から11位(1.8%)に順位を大きく上げていることが特徴的である。

図表 3-8 インドネシアの主要輸出品目

(単位:億ドル) (単位:億ドル)

分類 金額 構成比 (累計) 分類 金額 構成比 (累計)

鉱物性燃料 156.8 25.2% (25.2%) 鉱物性燃料 467.7 29.6% (29.6%)

電気機器 64.6 10.4% (35.7%) 油脂 163.1 10.3% (40.0%)

衣類(*) 45.6 7.3% (43.0%) 電気機器 103.7 6.6% (46.6%)

機械 38.4 6.2% (49.2%) ゴム製品 93.7 5.9% (52.5%)

木材・木製品 36.4 5.9% (55.0%) 鉱石 81.5 5.2% (57.7%) 紙・紙製品 22.6 3.6% (58.7%) 衣類(*) 65.0 4.1% (61.8%)

油脂 17.6 2.8% (61.5%) 機械 49.9 3.2% (64.9%)

鉱石 16.8 2.7% (64.2%) 紙・紙製品 41.9 2.7% (67.6%)

履物 16.7 2.7% (66.9%) 銅・銅製品 33.1 2.1% (69.7%)

家具、寝具、照明 15.6 2.5% (69.4%) 木材・木製品 29.4 1.9% (71.5%)

14.8 2.4% (71.8%) 輸送機器・部品 29.0 1.8% (73.4%)

ゴム製品 13.5 2.2% (74.0%) 有機化学品 26.9 1.7% (75.1%)

繊維製品 12.4 2.0% (76.0%) 履物 25.0 1.6% (76.7%)

プラスチック製品 11.8 1.9% (77.9%) プラスチック製品 21.5 1.4% (78.0%) 有機化学品 10.8 1.7% (79.6%) 繊維製品 20.8 1.3% (79.4%)

(その他) 126.7 20.4% (100.0%) (その他) 325.7 20.6% (100.0%)

合計 621.2 100.0% +9.8%/年 合計 1,577.8 100.0%

2000年 2010年

* 分類中の「衣類および衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く)」と「衣類および

衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものに限る)」を合算

(出所)国家統計局資料より作成

一方、2010年の輸入額は1,322億ドル。主な輸入品は①鉱物性燃料(構成比:21.6%)、

②機械(同14.0%)、③電気機器(同11.0%)、④鉄鋼・鉄鋼製品(同7.4%)、⑤輸送機器・

部品(同 4.0%)。インドネシアは天然ガスを輸出する一方で、石油製品を多く輸入してい る。このため、鉱物性燃料が輸入においても最大品目となっている。また、鉄鋼・鉄鋼製 品については、同国には高炉がなく、自動車用鋼板を日本や韓国からの輸入に頼っている ことが背景にある。また、国内の自動車や二輪車需要が旺盛な一方で、裾野産業がタイほ ど育っていないために、輸送機器・部品の構成比も上位に位置している。

2000 年からの 10年間では、輸入額は年率平均 15%で増えている。ただし、輸出品目に 比べて構成比の変化は小さい。その中で特徴的なのは、ビデオ等の映像・音響機器をはじ めとした電気機器(4.0%→11.0%)が大幅に伸びたこと。インドネシアの所得水準が向上し たことも、構成比が上昇した一因にあったと推察される。

一方で、有機化学品(7.7%→3.9%)、パルプ・古紙(3.2%→1.3%)等の構成比が下がっ ている。

図表 3-9 インドネシアの主要輸入品目

(単位:億ドル) (単位:億ドル)

分類 金額 構成比 (累計) 分類 金額 構成比 (累計)

鉱物性燃料 60.8 18.1% (18.1%) 鉱物性燃料 286.1 21.6% (21.6%)

機械 48.2 14.4% (32.5%) 機械 184.9 14.0% (35.6%)

有機化学品 25.9 7.7% (40.2%) 電気機器 146.1 11.0% (46.7%) 鉄鋼・鉄鋼製品(*) 21.0 6.3% (46.5%) 鉄鋼・鉄鋼製品(*) 98.1 7.4% (54.1%) 輸送機器・部品 18.9 5.6% (52.1%) 輸送機器・部品 53.5 4.0% (58.1%)

電気機器 13.5 4.0% (56.2%) 有機化学品 51.7 3.9% (62.1%)

プラスチック製品 12.1 3.6% (59.7%) プラスチック製品 46.2 3.5% (65.6%) パルプ・古紙 10.6 3.2% (62.9%) 航空機・部品 32.9 2.5% (68.0%)

穀物 9.8 2.9% (65.9%) 穀物 25.1 1.9% (69.9%)

綿・綿織物 9.7 2.9% (68.7%) 綿・綿織物 21.2 1.6% (71.5%) 船舶・浮き構造物 8.7 2.6% (71.3%) 飼料 20.3 1.5% (73.1%) 貴金属、希土類金属 5.4 1.6% (72.9%) 船舶・浮き構造物 18.7 1.4% (74.5%) 化学工業生産品 4.9 1.5% (74.4%) パルプ・古紙 17.8 1.3% (75.8%) 精密機器・部品 4.9 1.5% (75.9%) ゴム製品 16.0 1.2% (77.0%)

飼料 4.9 1.5% (77.3%) 精密機器・部品 15.9 1.2% (78.3%)

(その他) 76.0 22.7% (100.0%) (その他) 287.5 21.7% (100.0%)

合計 335.1 100.0% +14.7%/年 合計 1,322.1 100.0%

2000年 2010年

* 分類中の「鉄鋼」と「鉄鋼製品」の合算

(出所)国家統計局資料より作成

(2) 輸出入の国別動向

インドネシアの貿易総額が増加する中、日本や米国の相対的な地位は低下し、代わって

ASEAN諸国や中国が台頭している。

インドネシアの輸出相手国(2010年)は、①日本(構成比:16.3%)、②中国(同9.9%)、

③米国(同 9.1%)、④シンガポール(同8.7%)、⑤韓国(同 8.0%)。これら5 ヵ国で、全 体の 52%を占めている。一方、輸入相手国は、①中国(同 15.1%)、②シンガポール(同 14.9%)、③日本(12.5%)、④米国(同6.9%)、⑤マレーシア(同6.4%)。これら5ヵ国の 合計は55.8%と、輸出も輸入も、上位5ヵ国の占める割合は、ほぼ同じである(図表 3-10 参照)。

国別の貿易統計を基に、貿易額の大きい国(日本、中国、米国、韓国、インド)や地域

(ASEAN、EU)とインドネシアとの貿易関係をみると、インドネシアは中国やASEANに

対しては輸入超過(貿易赤字)だが、それ以外の主要国・地域(日本、米国、EU、韓国、

インド)に対しては輸出超過(貿易黒字)であることが分かる(図表 3-11参照)。

貿易総額では、ASEAN域内や日本、中国との関係が深い。二国間の貿易総額では日本が 最大の相手国だが、ASEAN諸国を合計すれば既に日本を大きく上回っている。また、米国 と欧州(EU)とでは、概ね輸出額や輸入額の規模は同じだが、若干、欧州との貿易額の方 が多い。

時系列でみると、輸出ではこれまでウェイトの大きかった日本や米国、シンガポールが 比率を低下させる中で、中国、インド、タイの比率が上昇している(図表 3-12 参照)。特 に、1990年には輸出の42.5%を占めていた日本は、2000年には23.2%へとほぼ半減、2010 年にはまだ最大の輸出国ではあるものの 16.3%へと比率を大きく低下させている。一方、

中国は1990年の3.2%から2000年には4.5%に、2010年には9.9%へと上昇している。

輸入では日本と中国のポジションは既に変わっている。1990年には輸入の約25%を占め ていた日本は、2000年には16.1%に、2010年には12.5%へと低下した(図表 3-13参照)。

日本からの輸入額は、2004 年にはシンガポール、2006 年には中国に抜かれている。また、

輸入においては、輸出と同様にタイやインド、またシンガポールやマレーシアの比率が上 昇している。

ASEAN域内からの輸出や輸入は年々増えており、またそのウェイトも上昇している。2010

年には、輸出の21.1%、輸入の28.7%をASEAN諸国が占めている。1990年時点の比率と 比較すると、輸出で約10%ポイント、輸入で約20%ポイント上昇しており、特に輸入での

ASEAN域内への依存度が高まっていることが窺える。

図表 3-10 インドネシアの主要貿易相手国(2010 年)

日本 16.3%

中国 9.9%

米国 9.1%

シンガポー 8.7% 韓国

8.0%

その他 48.0%

2010年

輸出

1,578億ドル

中国 15.1%

シンガポール 14.9%

12.5%日本 その他

44.2%

米国 マレーシア 6.9%

6.4%

2010年

輸入

1,357億ドル

(出所)IMF資料より作成

図表 3-11 インドネシアの ASEAN・主要国との貿易(2010 年)

インドネシア ASEAN

333 389

その他

401 290

米国

94

韓国

77 143

126

日本

258 170

インド

33

99

EU

99 172

中国

204 157

(注) 単位は億ドル

(出所)IMF資料より作成

図表 3-12 輸出の国別構成の推移

90 00 10

(単位:億ドル) (構成比) (単位:億ドル) (構成比) (単位:億ドル) (構成比)

全体 257 (100.0%) 全体 621 (100.0%) 全体 1,578 (100.0%)

日本 109 (42.5%) 日本 144 (23.2%) 日本 258 (16.3%)

米国 34 (13.1%) 米国 85 (13.7%) 中国 157 (9.9%)

シンガポール 19 (7.4%) シンガポール 66 (10.6%) 米国 143 (9.1%)

韓国 14 (5.3%) 韓国 43 (6.9%) シンガポール 137 (8.7%)

中国 8 (3.2%) 中国 28 (4.5%) 韓国 126 (8.0%)

ドイツ 8 (2.9%) マレーシア 20 (3.2%) インド 99 (6.3%)

オランダ 7 (2.8%) オランダ 18 (3.0%) マレーシア 94 (5.9%)

香港 6 (2.4%) 香港 16 (2.5%) タイ 46 (2.9%)

英国 5 (2.0%) オーストラリア 15 (2.4%) オーストラリア 42 (2.7%)

オーストラリア 4 (1.6%) 英国 15 (2.4%) オランダ 37 (2.4%)

(小計) 214 (83.3%) (小計) 449 (72.3%) (小計) 1,139 (72.2%)

【参考】 【参考】 【参考】

先進国 228 (88.7%) 先進国 487 (78.3%) 先進国 960 (60.8%)

発展途上国 29 (11.3%) 発展途上国 135 (21.7%) 発展途上国 618 (39.2%) ASEAN 26 (10.0%) ASEAN 109 (17.5%) ASEAN 333 (21.1%)

APEC 212 (82.4%) APEC 472 (75.9%) APEC 1,157 (73.3%)

EU 32 (12.3%) EU 89 (14.4%) EU 172 (10.9%)

(出所)IMF資料より作成

図表 3-13 輸入の国別構成の推移

90 00 10

(単位:億ドル) (構成比) (単位:億ドル) (構成比) (単位:億ドル) (構成比)

全体 220 (100.0%) 全体 335 (100.0%) 全体 1,357 (100.0%)

日本 55 (24.8%) 日本 54 (16.1%) 中国 204 (15.1%)

米国 25 (11.4%) シンガポール 38 (11.3%) シンガポール 202 (14.9%)

ドイツ 15 (6.9%) 米国 34 (10.1%) 日本 170 (12.5%)

シンガポール 13 (5.8%) 韓国 21 (6.2%) 米国 94 (6.9%)

オーストラリア 12 (5.5%) 中国 20 (6.0%) マレーシア 86 (6.4%)

韓国 10 (4.5%) オーストラリア 17 (5.1%) 韓国 77 (5.7%)

フランス 7 (3.0%) ドイツ 12 (3.7%) タイ 75 (5.5%)

中国 7 (3.0%) マレーシア 11 (3.4%) オーストラリア 41 (3.0%)

オランダ 6 (2.6%) タイ 11 (3.3%) インド 33 (2.4%)

英国 4 (2.0%) カナダ 6 (1.9%) ドイツ 30 (2.2%)

(小計) 153 (69.6%) (小計) 225 (67.1%) (小計) 1,013 (74.6%)

【参考】 【参考】 【参考】

先進国 184 (83.5%) 先進国 233 (69.4%) 先進国 757 (55.8%)

発展途上国 36 (16.5%) 発展途上国 103 (30.6%) 発展途上国 600 (44.2%) ASEAN 19 (8.4%) ASEAN 65 (19.4%) ASEAN 389 (28.7%)

APEC 150 (68.1%) APEC 238 (71.1%) APEC 1,061 (78.2%)

EU 46 (20.7%) EU 42 (12.6%) EU 99 (7.3%)

(出所)IMF資料より作成