• 検索結果がありません。

第 9 章 主要投資インセンティブ

2. 技術援助契約締結にあたっての留意点

インドネシアの現行の知的財産権関連の法律と対象は以下の通りである。

図表 14-3 インドネシアで保護される知的財産権の概要

(施行)法律 所管 登録要件/保護対象 保護期間

特許 改正 特許法

(2001/8/1) 法務・人権省

知的財産総局 新規性、進歩性、産業

上利用性 出願から20年 簡易特許(実用新案)改正 特許法

(2001/8/1) 法務・人権省

知的財産総局 形状、形態、構造またはそれらの組み合わせ により実用的価値を有 する物品の発明で新規 なもの

出願から10年

産業意匠 産業意匠に関する 法律第31号

(2000/12/20)

法務・人権省

知的財産総局 新規性 出願から10年

商標 改正 商標に関する

法律第8号

(2001/8/1)

法務・人権省

知的財産総局 商品またはサービスに しようする商標および 地理的表示・原産地表

出願から10年(10 年毎に更新可)

著作権改正 著作権に関す

る法律第19号

(2003/7/29)

法務・人権省

知的財産総局 文字/口頭で表現され た著作物、視覚教材、

あらゆる芸術作品 等、隣接権(実演家、

製作者、放送業者)

最初の公表から50

集積回路配置 集積回路配置設計 に関する法律第32 (2000/12/20)

法務・人権省

知的財産総局 新規性 最初の商業使用ま たは出願日の早い 方から10年間 植物新品種 植物品種保護法

(2000/12/20) 農業省植物品種保

護センター 種苗、収穫物 出願から20年(樹 木は25年)

営業秘密 営業秘密に関する 法律第30号

(2000/12/20)

法務・人権省

知的財産総局 秘密性を有し、経済的 価値があり、当然取ら れるべき方法で秘密性

が維持されている情報

-(出所)JETRO「模倣対策マニュアル」をもとに作成

(1) 特許

2001年8月1日施行の改正特許法により保護される。特許の保護期間は出願から20年間。

法律や宗教規範・公序良俗に反する場合や、生物(微生物を除く)などは特許の対象とは 認められない。

インドネシアは特許協力条約(PCT)に加盟しているため、国際出願を行うことが可能で ある。

図表 14-4 特許取得手続き概要

特許出願 インドネシア語で作成した願書および必要書類を提出

方式審査 出願書類が必要要件を満たしているかを審査。

出願公開 方式審査の後、出願から18ヵ月後に公開。

実体審査 不特許事由にあたらないか、新規性・進歩性の有無等を審査。

登録 拒絶理由が発見されなければ、特許として登録される

特許法では、特許の他に、「簡易特許」の保護も規定されている。「簡易特許」は、形状、

形態、構造またはその組み合わせにより実用的価値を有し、新規で実用的なものを対象と する。

特許との主な相違点は以下の通り。

・ 保護期間は出願から10年

・ 公開時期は出願から3ヵ月後

・ 実体審査期間は出願から24ヵ月以内

インドネシアでの特許および簡易特許の2001年以降の出願件数推移を見ると、特許はお おむね3,000~5,000件程度、簡易特許で1,000~3,000件程度である。

1991~2010 年の出願件数総数を国別で見ると、米国が最も多く約 2 万件、日本は約 1.4 万件で2番目に多い(図表 14-6)。

図表 14-5 インドネシアの特許・簡易特許の出願および登録件数

出願数 登録数 出願数 登録数

2001 3,926 1,334 1,334 64

2002 3,843 2,492 2,492 65

2003 3,300 2,844 2,844 67

2004 3,668 2,643 2,643 99

2005 4,304 1,658 1,658 76

2006 4,612 1,761 1,761 73

2007 5,134 1,811 1,811 99

2008 5,133 2,163 2,163 273

2009 4,518 2,384 2,384 106

2010 5,505 2,476 2,476 85

特許(件) 簡易特許(件)

(注) 出願数・登録数ともに、国内での出願、海外からの出願の両方を含む

(出所)知的財産総局より作成

図表 14-6 国別特許出願件数(上位 15ヵ国:1991~2010 年)

件数

1. 米国 20,661

2. 日本 13,754

3. ドイツ 6,731

4. インドネシア 6,595

5. オランダ 4,146

6. スイス 3,618

7. 英国 3,165

8. フランス 2,749

9. 韓国 2,231

10. オーストラリア 1,598

11. 台湾 1,469

12. スウェーデン 1,610

13. イタリア 1,021

14. ベルギー 898

15. カナダ 688

国名

(出所)知的財産総局より作成

(2) 産業意匠

2000年12月20日より第31号産業意匠法が施行されている。保護期間は10年間で、延 長はされない。

出願後、書類の不備等のチェックを行う方式審査を経て、公共の秩序、宗教・道徳に反 するものでないことがチェックされた後、出願が公開される。規定上は、異議申し立てが なければ実体審査は行われないとされているが、運用上の問題もあり、実際には全て審査 が行われている模様である。

図表 14-7 産業意匠登録手続き概要

意匠出願 インドネシア語で作成した願書および必要書類を提出

方式審査 出願書類が必要要件を満たしているかを審査 公序良俗⇓

チェック 公序良俗や新規性等についての用件を満たしているかを審査

出願公開 実体審査の後、出願公告(通常は出願から3ヵ月以内)

実体審査 異議申し立てがあった場合に実施

登録 実体要件を満たしていれば、意匠登録される

図表 14-8 産業意匠出願数および登録数 出願数(件) 登録数(件)

2001 1,401 77

2002 2,868 1,704

2003 3,154 1,054

2004 4,396 3,798

2005 5,114 1,302

2006 4,926 1,393

2007 4,473 978

2008 3,866 1,423

2009 4,201 2,045

(出所)特許局資料より作成

(3) 商標

2001年8月1日施行の改正商標法により、商標権は保護される。保護される期間は10年 間で、10 年ごとに更新が可能である。法律や宗教規範・公序良俗に反する標章や、識別性 がない、既に公共財産となっているような標章などは登録の対象とならない。

図表 14-9 商標登録手続き概要

商標出願 インドネシア語で作成した願書および必要書類を提出

方式審査 出願書類が必要要件を満たしているかを審査

実体審査 絶対的拒絶理由、相対的拒絶理由に関する審査

出願公告 拒絶理由にあたらなければ出願公告

登録 異議申し立てがなければ商標登録

2001年以降、新規の商標出願件数は一貫して増加しており、2001年の28,425件から2010 年には 47,794 件まで増加している。一方、更新については、10,000~13,000 件で推移して いる。

図表 14-10 商標出願件数

新規 更新 計

2001 28,425 10,223 38,648

2002 30,004 12,412 42,416

2003 36,340 10,607 46,947

2004 38,849 10,462 49,311

2005 40,816 13,835 54,651

2006 41,646 12,604 54,250

2007 43,259 11,757 55,016

2008 45,838 10,876 56,714

2009 45,029 11,190 56,219

2010 47,794 12,392 60,186

商標出願件数(件)

(出所)知的財産総局より作成

(4) 著作権

2003年7月29日施行の改正著作権法に規定される。権利発生自体には特段の手続は必要 ない。ただし、権利を行使するにあたっては登録した方が良いといわれる。

保護の対象は、

①文字で書かれた著作物、

②講演など口頭での著作物、

③視覚教材、

④歌、音楽、演劇、絵画、映画、写真などの芸術作品、等である。

出願にあたっての書類はインドネシア語で作成する必要がある。著作物の見本とともに 願書を知的財産総局に提出する。

図表 14-11 著作権申請数および登録数

登録申請数(件) 登録数(件)

2001 1,535 926

2002 1,877 1,188

2003 2,042 504

2004 3,565 2,768

2005 4,269 2,316

2006 5,857 3,110

2007 6,411 3,591

2008 4,733 3,754

2009 9,023 6,504

2010 4,882 3,948

(出所)知的財産総局より作成

(5) 集積回路配置

2000年12月20日施行の集積回路配置設計に関する法律により規定されている。保護さ れる期間は、最初の商業使用日または出願日のいずれか早い方から10年間である。実体審 査は行われない。