第 9 章 主要投資インセンティブ
2. 港湾
インドネシアは1万7,500あまりの島から成るため、国際輸送のみならず、国内輸送にお いても海運が重要な役割を果たしている。
港湾の管理・運営はPT.Pelabuhan Indonesia(PELINDO)I~IVの4つの国営港湾会社によ って行われている。1998年4月に合意されたIMFとの経済構造改革協定により、ターミナ ル整備、運営の一部について民間企業との合弁会社を設立する形で民営化された。
図表 19-2 港湾運営合弁会社の例
(タンジュンペラク港)
合弁先(国・地域)
HutchisonPortHoldings(香港)
HutchisonPortHoldings(香港)
P&O社(英国) 国営会社(運営港)
PELINDOⅡ
(タンジュンプリオク港)
PELINDOⅢ Terminal Petikemas Surabaya
1999年 2000年 2000年 設立年 合弁会社名
Jakarta International Container Terminal TPK-Koja(Koja Container Terminal)
(出所)各種資料より作成
インドネシアには300の公共港湾があり、そのうち43港は国際港湾である。外航フルコ ンテナ船(本船クレーンを装備していない船舶)が入港可能な設備を有している港湾は 14 港。中でも、タンジュンプリオク港が同国最多の 31 のクレーン設備を有している。近年、
同国全体の取扱貨物量が増加傾向にあるなか、港湾の絶対的な容量不足のために港湾混雑 による物流停滞が深刻な問題となっている。図表 19-3では主要港湾の貨物取扱量の推移を 示しているが、1億トンの大台を超えることができないのは港湾インフラの整備不足により 取扱可能量に限界があることも原因の1つである。
図表 19-3 主要港湾の貨物取扱量推移
24.5 29.1 30.3 35.9 41.5 42.1 50.3
42.6 32.6
23.4 30.7 29.5 28.7 31.7 34.3 34.3 34.3 33.5 30.7 34.0 34.6
36.7 38.9 41.0
43.0 42.7 46.9
37.4 37.6
35.8
47.1 53.8 60.5 60.6 62.5 58.1 65.7 63.9 62.4
65.0
0 20 40 60 80 100 120
91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
(100万トン)
国際貨物 国内貨物
(注) 主要港湾は、ベラワン、タンジュンプリオク、タンジュンペラク、スカルノ・ハッタの4港
(出所)国家統計局資料より作成
①タンジュンプリオク港は、ジャカルタ特別州に位置する、インドネシア最大の流通港 湾である。
2010 年のコンテナ貨物取扱量は約 460 万 TEU。世界で 24 番目の取扱量だった。他の ASEAN諸国の主要国と比べると、シンガポール(2,843万TEU、世界2位)やマレーシア
(ポートクラン:887万TEU、同13位。タンジュンペラパス: 653万TEU、同17位)に 比べると取扱量の差は大きく、タイ(レムチャバン:519万TEU、同22位)やベトナム(ホ ーチミン: 411万TEU、同29位)とほぼ同水準にある。
タンジュンプリオク港の管理はPELINDO IIが行っており、またターミナルは4つの会社 によって運営されている。ターミナルには 14 のコンテナバースと 31機のガントリークレ ーンが設置されている。同港の水深は最大 14m で、5 万重量トンのコンテナ船の入港が可 能である。新たに全長300m水深14mのコンテナバースと32haの保管用地の建設を計画し ている。
②タンジュンペラク港は、東ジャワ州都のスラバヤに位置している。同港はスラバヤ大 都市圏と東部、西部インドネシア、近隣アジア諸国を結ぶ物流拠点である。コンテナバー スは11あり、ガントリークレーンは16機設置されている。水深は最大10.5mで、1万重量 トンまでの貨物船の入港が可能。また、新たに200万TEU規模の大規模コンテナターミナ ルを建設中であり、2013年の営業開始を予定している。港湾の管理はPELINDO III が行い、
コンテナターミナルは24時間営業している。
③ベラワン港は、北スマトラ州メダンに位置している。マラッカ海峡の国際航路に面し ているが、インフラ施設不備のため取扱量に制限があり、好立地を活用しきれていない状 況である。2つのコンテナバースがあり、3機のガントリークレーンが設置されている。水 深は11mで、1.5万重量トンまでの貨物船が入港可能である。港湾の管理会社はPELINDO I が行い、コンテナターミナルは24時間営業している。
コンテナターミナルの取扱能力が低く、大型船の積み下ろしに 3 日以上要する等、船舶 が港内で数日間着岸待ちを強いられている状況のため、インフラ整備・強化が課題となっ ている。同港は2015年までの計画で、大きく2段階に分けたコンテナターミナルの拡張を 掲げている。25万㎡に及ぶ埋め立てを敢行し、全長200m、水深12.5mの埠頭と、コンテナ ヤードの建設が予定されている。
④スカルノ・ハッタ港は、南スラウェシ州マカッサルに位置する。他の3港湾が荷揚げ量 をリーマンショックのあった2008年の水準まで取り戻せていない中、同港の荷揚げ量は増 加を続けている。6つのコンテナバースと、4機のガントリークレーンを装備している。水 深は11mで、1.5万重量トンの貨物船が入港可能である。港湾の管理はPELINDO IVが行い、
コンテナターミナルは24時間営業している。
図表 19-4 タンジュンプリオク港の貨物積荷量・荷揚量の推移
タンジュンプリオク港
0 5 10 15 20 25 30 35
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
(100万トン)
積荷量 荷揚量
(出所)国家統計局資料より作成
図表 19-5 タンジュンペラク港の貨物積荷量・荷揚量の推移
タンジュンペラク港
0 5 10 15 20 25
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
(100万トン)
積荷量 荷揚量
(出所)国家統計局資料より作成
図表 19-6 ベラワン港の貨物積荷量・荷揚量の推移
ベラワン港
0 2 4 6 8 10 12
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
(100万トン)
積荷量 荷揚量
(出所)国家統計局資料より作成
図表 19-7 スカルノ・ハッタ港の貨物積荷量・荷揚量の推移
スカルノ・ハッタ港
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
(100万トン)
積荷量 荷揚量
(出所)国家統計局資料より作成