4.農業基本法(1960 年制定)
森林以外の土地に関する基本法であり、土地に関する権利や登記などについて定めてい る。この法律に基づき、土地に関する多数の政令、大統領令などが定められているが、1997 年に政令第24号で土地権利確定手続の簡素化が図られた。同国における土地所有権は、イ ンドネシア国民にのみ認められている。外資系企業については、これに代わるものとして、
建設権(HGB:期間30年)、あるいは利用権(HP:期間25年)が認められており、これら の権利を得た上で、特定の土地で操業することができる。
5.労働に関する法律(2003 年制定)
インドネシアでは、1990年代後半から労働関連法の整備が進められており、1997年に改 正労働法が制定された。しかし、労使双方からの反対の声により施行が凍結され、2002 年 に廃止された。これに代わる法律として2003年に労働に関する法律が制定された。労働に 関する法律は、就業規定、年少労働者の保護、労働時間・休暇、賃金、時間外労働、解雇補 償金などについて定めている。2006 年に労働に関する法律改正案の国会提出が目指された が、労働者の権利削減を図る法改正に反対する労働団体のデモが各地で頻発し、提出は延 期されたままである。
6.労使紛争解決法(2004 年制定)
労使紛争解決法は、労使関係の紛争、従業員の解雇、労働組合間の紛争などの解決手続 きを定めている。かかる紛争の解決手段として、調停、和解、仲裁および特別裁判所であ る産業関係裁判所における裁判を定めている。
7.税法
インドネシアにおいても、国税通則法、所得税法、付加価値税および奢侈品販売税法、
印紙税法など税務に関する法規ならびに通達等が多数制定されている。詳細については、
第12章「税制」参照。
8.土地収用法(2011 年)
この法律は、公共目的での土地収用手続きおよび収用に際しての地権者への補償につい て定めている。手続き等の詳細については、今後制定される施行規則に委ねられている。
9.国旗、国語、国の紋章および国歌に関する法律(2009 年)
インドネシア憲法に基づき、上に赤、下に白を配した横二色旗をインドネシア国旗とす ること、インドネシア語をインドネシアの国語とすること、ガルーダ・パンチャシーラを インドネシアの紋章とすること、およびインドネシア・ラヤをインドネシア国歌とするこ とを定めている。特に国語に関しては、インドネシア人やインドネシア企業などのインド ネシア私人間の契約等について、インドネシア語の使用を強制していることに留意が必要 である。
10.環境保護の法体系
インドネシアは、1997年に環境管理に関する法律を制定していたが、2009年に環境の管 理および保護に関する法律を制定し、環境管理に関する法律は廃止された。環境の管理お よび保護に関する法律に基づき、各種の規則が定められている。
環境に重大な影響をもたらすおそれのある企業は、一般的な環境許可を取得する必要が あり、また一定の事業を行う企業に環境に対する影響評価を行い、環境管理計画などを作 成することを義務づけている。
産業廃棄物の処理に関しては、危険および有害な廃棄物の処理に関する規則および危険 物質または有害物質の処理に関する規則が定められており、かかる規則に従った処理を行 う必要がある。
排水に関しては、水質汚染管理ガイドラインに関する環境相規則が定められている。該 当区域の市長等が決定する基準を充たす場合には、排水の水源への処分に関する許可また は排水の土地での利用に関する環境許可を取得する必要がある。
環境の管理および保護に関する法律に違反した場合、罰金その他の刑事罰が課されると ともに、許可の取消しや業務停止などの行政処分を受ける可能性がある。また、同法に違 反した場合、環境汚染に伴い損害を被った者に対して損害を賠償する必要がある。
11.日・インドネシア経済連携協定(2007 年)
日本およびインドネシアの両国政府は、物品およびサービスの貿易の自由化および円滑 化、投資の保護、自然人の移動、エネルギー・鉱物資源分野における投資環境の整備、知 的財産の保護、政府調達分野における協力の拡大等について日・インドネシア経済連携協 定を締結し、2008年7月1日に発効した。日・インドネシア経済連携協定の発効により、
物品の貿易に関しては最終的には日本からインドネシアへの輸出貿易額(2004 年度)の約 90%、インドネシアから日本への輸入貿易額(2004年度)の約93%の関税が段階的に撤廃 される予定である。