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第 5 章 仮説「移動先『に』と動作場所『で』の混同による『で』→『に』の誤用」の検

5.2 動詞が表す「移動」の分かり易さと移動先を表す「に」の正答率との関係

5.2.4 調査票

格助詞選択式テストの調査票は、移動を表す動詞と共に用いられる「に」の習得の様 子を探るためのものである。「に」を正答とする問題文は、寺村(1982) の中から初級日

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本語学習用教材に提示されている動詞 (例えば、「入る」や「乗る」などは提示されて いるが、「迫る」や「退く」などは提示されていない) を中心に用い作成する。「で」を 正答とする問題文は、森田(1980) の「で」の用法を参考にした。そのため、「で」の用 法別に問題文を作成したが、分析の際には「で」を正答とするものとして正答率を計算 し分析する。比較のため、存在を表す動詞「いる」、「ある」(以下、「いる」類)を伴う 問題文を加えている。「に」、「で」、「を」、「から」のそれぞれを正答とする問題文は、

24問であり合計96問である。1枚の調査票には、4つのそれぞれの助詞を正答とする 問題数を同数配分した。調査票は問題文を順不同に並べものが1通りである。問題文に は仮名を振った (例:「 寮りょう (に、で、を、から) 着いた。」)。問題文の種類を以下に示 し、すべての問題文の種類および調査票は付録に示す。

(o)「に」を正答とする24問の問題文である。以下、問題文の種類を示す。

(o)-1 「入る」類:「入る」などを述語動詞とする問題文である。

(例:「教室(に、で、を、から)入った」)

(o)-2 「集まる」類:「集まる」などを述語動詞とする問題文である。

(例:「体育館(に、で、を、から)集まった」)

(o)-3 「泊まる」類:「泊まる」などを述語動詞とする問題文である。

(例:「京都(に、で、を、から)泊まった」)

(o)-4 「いる」類:存在を表わす問題文である。

(例:「教室(に、で、を、から)留学生がいる」)

(p)「で」を正答とする24問の問題文である。以下、問題文の種類を示す。

(p)-1 「動作デ」:動作や行為を表す問題文である。

(例:公園(に、で、を、から)遊ぶ)

(p)-2 数量を表す名詞に後接する「で」を伴う問題文である。

(例:「古本を500円(に、で、を、から)買った」)

(p)-3 事物を表す名詞に後接する「で」を伴う問題文である。

(例:「ペン(に、で、を、から)書く」)

(p)-4 時点を表す名詞に後接する「で」を伴う問題文である。

(例:「定期試験は今日(に、で、を、から)終わった」)

(p)-5 人を表す名詞に後接する「で」を伴う問題文である。

(例:「みんな(に、で、を、から)決める」)

(q)「を」を正答とする 24 問のダミーの問題文である。「渡る」「通る」「走る」など を述語動詞とする問題文である。

(例:「橋(に、で、を、から)渡る」)

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(r)「から」を正答とする 24 問のダミーの問題文である。「出る」「出す」「落ちる」

などを述語動詞とする問題文である。

(例:「2階の窓(に、で、を、から)出る」)

アンケート調査は、上記に示した格助詞選択式テストの調査票の(o)に当たる問題文 について、次の2点について問うものである。問題文は「入る」類、「集まる」類、「泊 まる」類、「いる」類の問題文とほぼ同じ文で全22文である。1点は、日本語学習者に とって問題文が表す内容が「移動」と「動作や動き」のどちらがより強く感じられるか を問う。もう1点は、問題文の中で日本語学習者自身が人や物の「移動」が最も分かり 易いものとはどの動詞が用いられた文なのかを問う。

1点目の問いは図6-5のアンケート調査用紙の設問tに当たる。設問tの問題文を読 んで、文が表すm-①人の「動作や動き」とm-②人や物の「移動」とでは、どちらがよ り強く感じられるか強く感じられる方に〇を記してもらう。「動作や動き」もなく「移 動」もないと感じられる場合はm-④「動作や動きも移動もなし」に、m-①m-②m-④以 外の何らかの動きが感じられる場合には m-③「その他」に書いてもらう。なお、この アンケート調査実施直前には、筆者がパワーポイントなどを用いて例文を示し、文が表 す人や物の「移動」や「動作や動き」とはどういう意味なのかを実際に動いて見せなが ら説明する。日本語学習者の全員にこのアンケート調査の記入方法が理解できたことを 筆者が確認した後には、同アンケート調査用紙の設問nの説明をする。

2点目の問いは図5-6のアンケート調査用紙の設問nに当たる。設問 nは、22の問 題文の中で、日本語学習者自身にとって文が表す内容で人や物の「移動」が最も分かり 易いと思う3つの文の番号を〇で囲んでもらうというものである。文の番号とは図6-7 に示す問題文の左に書かれた番号である。文を3つに絞れない場合は○をいくつ囲って も良いとした。実際のアンケート調査用紙は付録に示し、図5-7はアンケート調査用紙 の1部を示す。

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t.以下 の文ぶんには、m-①人の動作ど う さや物ものの動うごきと、m-②人ひとや物ものの移動い ど うのどちらが強くつ よ くかんじられ ますか。強くつ よ く感じか ん じられるほうに〇を書いてください。他ほかに感かんじられることがあればm-③そ の他に書いてください。但ただし、動作ど う さや動うごきも移動い ど うもないと感かんじられるものは、④に〇を書い てください。

1. 教室に入る。

(m-①動作ど う さや動きう ご き、m-②移動い ど う、m-③その他 、m-④動作ど う さや動きう ご き・移動い ど うなし) 2. 寮に着く。

(m-①動作ど う さや動きう ご き、m-②移動い ど う、m-③その他 、m-④動作ど う さや動きう ご き・移動い ど うなし)

n.1~22の文ぶんの中なかで、人ひとや物ものの「移動い ど う」が分かりやすい文ぶんはどれですか。「移動い ど う」が分か りやすいすべての文ぶんの番号ばんごう(1~22)を〇で囲かこんでください。

図 5-7. 格助詞選択式テストの「に」を正答とする o の問題文に対し「移動」が感じ られるかどうかを調べるためのアンケート調査用紙

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