自治体の職員として県の肝炎対策に
地域の一員としての肝Co活動:各地の課題解決を視野においた活動事例
期的な新薬が登場している、医療の知識を若干古い本で学ぼう としていたことが無理なことだということがわかりました。
とはいえ、どんな対策をどうやって進めていくべきかについて は全く分からないという状態です。この状況を打破するために は冒頭で触れたような、プロへの相談が必要です。S県では、肝 疾患診療連携拠点病院の専門医や肝Coである相談員の方々と 毎月ミーティングを行う仕組みがありました。最初は「レベルの 低い質問をすることで専門医の時間をとることが もったい な い」という遠慮が強く、質問や相談をすることができませんでし たが、毎月、顔を合わせミーティングを行ううちに、必要な時に 気負わず相談・意見交換ができるようになっていきました。
拠点病院の専門医は全国だけではく、世界の最新の事例や情 報を持っています。ミーティングの中では次々と拠点病院のス タッフから肝炎対策のアイデ アが出てきます。新たに予算が必 要なものから、予算をかけずにできること、時には世界規模の話 が飛び出すことまでありました。
私が行政担当者として行うことは、このたくさんのアイデアの 中から自治体にできるアイデアを実現すればいいだけでした。
一から考えることや、全国の自治体に聞き取りをすること、本で 調べることはほとんどやっていません。それでも、効果的な肝 炎対策が実施できたと思っています。
特に肝Coの養成研修会では、これまで使っていた予算額とほ とんど変わらないにも関わらず、周知の方法や対象者について アイデアを出してもらったことで、その年の養成者数は全国でナ ンバーワンという結果でした。具体的な方法としては、医師会、
看護協会、薬剤師会、患者会や民間企業(製薬会社や薬品卸業 等)等の様々な機関に研修会の周知の協力依頼を行うというも
のでした。さらに、初めて協力をお願いする団体には、拠点病院 の専門医から直接、依頼を行ってもらうことで行政が単独で依 頼するよりも効果的に協力を得ることができ、研修受講者を大 幅に増やすことができました。行政だけの知恵や行動ではこれ だけの人数を養成することはできません。一例ではありますが、
事業を実施する上でも、行政だけが動くことは非効率であるこ とを痛感しました。
自治体職員であるわたしの現在とこれから
現在、私は別の部署に異動していますが、この経験を念頭に行 政担当者が事業を立案する際は、その道のプロや関係者との連 携・意見交換が重要であるということを意識して仕事に取り込 むことにしています。極端な考えを言ってしまえば、この連携・
意見交換の中で出たアイデアを実現するための予算を自治体が 確保し実行することが自治体の仕事とも考えています。
自治体職員として県の肝炎対策に取り組んだことで、肝炎の 知識だけでなく、私の仕事のやり方の幅を広げてもらえたことで、
とてもいい経験になりました。
他の 部署に異動はして い る ものの、この経験を今後も生 かして自治体の職員として力 を発揮で き れ ばと考えてい ます。
嘉村 友大
地域の一員としての肝Co活動:各地の課題解決を視野においた活動事例