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肝Coの研修を受けるといいことづくめ

ドキュメント内 肝炎医療コーディネーターこれだけは! (ページ 128-137)

 

 

歯科口腔外科病院の多職種が

個人としての肝Co活動:職種や立場を最大限の強みとして活動するには?

の調査結果を説明して、肝Coが果たす役割と重要性を認識して いただきました。その結果、歯科・口腔外科医師、歯科衛生士、

歯科技工士それぞれ1名が肝Coの研修を受講してくれました。

各肝Coからの活動報告

◇ 歯科口腔外科医師:口腔扁平苔癬はC型肝炎の肝外病変と して良く知られていますが、実は歯科医師国家試験の出題 基準にも掲載されていません。今までは口腔扁平苔癬の患 者さんに対して歯科口腔外科医師がわざわざ肝炎ウイルス の検査を勧めることはありませんでしたが、最近は内科受 診を必ず勧めています。また他院からの紹介時の血液検査 を見て血小板数やALT値に異常があれば、問診でウイルス 感染や飲酒歴を確認したり、必要であれば内科受診を勧め ます。

◇ 歯科衛生士:メスなどの治療器具や針刺しに遭遇すること の多いものの、「多分、大丈夫」という誤った認識と「報告が 面倒くさい」という理由で今までは針刺しの報告を曖昧にし がちでした。しかし肝Coになって肝炎ウイルスの感染リス クと予防治療の必要性の知識をもつことにより、自身だけで はなく周りの歯科衛生士の意識も変えることが でき、現在 は針刺しを防ぐための予防策や環境の整備に着手していま す。

◇ 歯科技工士:歯科技工士は患者さんと会うことはありませ んが、患者の体液が付着した印象体、技工物などの対象物を 扱うために自身への感染のリスクがあります。肝Coを取得 してからは、患者の肝炎ウイルスの感染状況や消毒に関し て歯科医師と積極的な情報交換を行うようになり、対象物

 

  からの感染防止の意識を高めることができるようになりま した。

 今回肝Coになってもらった3名の共通意見は「肝炎に対する 正しい知識を得ることが出来た」、「肝炎のことで医師や看護師 にスムーズな横断的連携が取れるようになり、一人で悩まなく なった」というものでした。これらは他領域でも同様ですが、歯 科口腔外科領域においては医療従事者自らが肝炎ウイルスから の感染予防について学べるという重要な意義があります。肝炎 ウイルスから自分の身を守ることが、患者さんのためにもなる なんてまさにいいことづくめなのです。さらに肝Coスタッフ同 士がお互いに連携をとりあい、コツコツと活動をすることによっ て、それを見ているスタッフも巻き込むことで病院全体が肝炎 対策を正面から捉える機運に繋がりました。これは非肝臓専門 領域でも肝炎に対する啓発や感染予防が十分にできることを証 明できるものでした。歯科口腔外科スタッフの皆さんも、仲間を 募って肝Coになって患者さんとともに肝炎予防の取り組み を やっていきましょう! 

個人としての肝Co活動:職種や立場を最大限の強みとして活動するには?

☆ポイント☆

 歯科口腔外科の医療スタッフが肝Coの研修を受けると「肝 炎に対する正しい知識を得ることが出来た」、「肝炎のことで医 師や看護師にスムーズな横断的連携が取れるようになり、一人で 悩まなくなった」という大きなメリットが得られます!

河野 豊

 

 

職場の健康診断で一斉検査を実施!

職場健診で肝炎ウイルス検査をやりたい

 産業医学に関する学会のランチョンセミナーで、職域で肝炎 ウイルス検査を行う重要性を知ったことがきっかけで、わたしが 勤務する職場でも検査導入の提案を行いました。働く人は、な かなか病院に行く時間も取れず、予防的な検査などは会社の定 期健康診断で十分行っていると感じているため、肝炎ウイルス検 査の重要性を知る機会や検査を受けるきっかけはありません。

最近では、法定項目外のがん検診も事業所で行うことが主流と なっており、『肝がんの予防につながる肝炎ウイルス検査こそ実 施すべきではないか、事業所が整備すれば助かる方がたくさん いる、必ず実施につなげたい!』と思ったのがきっかけです。ちょ うど、事業所全体で健康診断項目の見直しを進めていたことも あり、肝炎ウイルス検査導入の提案をして毎年の定期健康診断 の追加項目として実施することとなりました。健康保険組合(健 保)が主体となった取り組みはよくあるかと思いますが、事業所 主体で導入できたのが特徴です。提案の主なポイントとして4つ が挙げられます。

1. 一生に一度の検査でよいことから費用対効果が高い

2. 検査の種類が追加になるわけではなく、簡便な血液検査で済 むこと

3. 症状のない慢性肝炎や肝硬変でも労働生産性が低下すると のことで、肝炎ウイルス検査は健康経営にもつながる取り組 みだということ

個人としての肝Co活動:職種や立場を最大限の強みとして活動するには?

4. 肝炎ウイルス検査で陽性がわかり、適切な治療や検査をする ことで、がんなどさらに医療費がかかる病気への進行を防ぐ ことができること

 

費用に対する工夫

 まとまった人数がいる際は、なおさら費用がたくさんかかっ ているようにみえてしまいますので、法定項目外の検査もやって いるのであれば、優先順位の低い検査(国が すすめるがん検診 項目ではないものや健康増進目的のものなど)を見直すことで 事業所に負担がかからないようにすることなども工夫が必要で す。必要な方に必要な検査をという観点に立ち返って、人間ドッ クを廃止しその費用を肝炎ウイルス検査に充てることにしまし た。そのため、当事業所では単年で一度に実施ではなく、3か年 計画としたのもポイントです。事業所側が必要性を感じれば、あ とは、仕組みを整備して実施するのみです。

検査を受けた職員さんの声

 実施はしたも の の実は職員の認知度は低く、項目に追加に なったことも文書で周知したのですが、結果の説明をすると検査 をしたこと自体を知らない職員が多数という状況でした。これ では検査結果を活用したり、陽性だった際に適切な受診行動に つなげるメリットも薄れてしまいます。そのため、2年目からは 肝炎ウイルス検査の結果カードを配布しました。これが、検査を 実施したことをご本人に認知してもらうのにとても有効でした。

カードを配布したことで、「そんな大事な検査を会社でしてくれ るん だね」「はじ めて受け ました」「お薬手帳に貼って おくね」

   

「いつ受けたかわかりやすいね」といった職員の声を聞くことが できました。

 説明する保健師もきちんと伝わったことが確認でき、肝炎ウ

イルス検査の結果説明に対する自信もつきました。      

【配布した肝炎ウイルス検査カード】

表      裏

    

陽性指摘時に何をしているかを紹介しましょう ステップ1

 陽性者に対して、厚生労働省科学研究班が作成した肝炎ウイ ルス検査陽性者向けの「たたけ肝炎ウイルス」などの説明リーフ レットや肝臓専門医リストとともに必ず受診してほしい旨を書い たお手紙を送付しています。

ステップ2

 年度内には健康診断の事後措置として、保健師によるすべての 職員への面談も行っていますので、対面で疑問点を聞きながら 丁寧に説明するようしています。別の病気で定期通院している 方は、主治医に必ず相談していただくようにしていますが、腹部

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エコー検査などの定期的な検査が行われていないケースもある ため、その場合は必ず専門医の受診を勧めます。

注意すること

 肝炎に関する研修を受けた保健師でも、主治医がいると聞い て安心してしまい、確実なフォローにつながらないケースもあり ます。あらかじめ聞き取りを行う項目をシートにしておき、面談 する保健師は記入しながらフォローすると伝えるべきことを漏 れなく伝えられます。

【聞き取りシートの内容】

 例)

  

企業で肝炎ウイルス検査を実現するための注意点!

 肝炎ウイルス検査は、事業所の定期健康診断項目としては法 定項目ではなく、任意の検査になります。職員に対して十分な周 知を行い、検査の必要性を説明して同意していただくことが必要 になります。当事業所は、オプトアウト方式で実施しましたが、

2019年3月に厚生労働省から出され た「事業所における労働 者の健康情報等の取扱規定を策定するための手引き」にもある ように、法定項目外の同意取得方法や情報の管理など、あらか

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