地域の一員としての肝Co活動:各地の課題解決を視野においた活動事例
機関等の肝疾患対策に関する活動を支援し、県の肝疾患対策の 推進を図ることを目的としています。事業にかかった経費の10 分の9を県が補助することとし、補助金の額の上限を30万円と しました。
従来、肝Coの活動に対する支援は、S県の肝疾患診療連携 ネットワークの主に肝炎ウイルス検査を勧める1次医療機関、精 密検査や内科的な肝疾患治療を行う2次医療機関そして総合的 な治療を行う3次医療機関の中でも、特に3次医療機関つまり 肝疾患の専門医療機関を中心に行ってきましたが、インターフェ ロンフリー治療の普及に伴い未治療患者が減少してきたこと、治 療後の定期検査の促進なども考えると1次および2次医療機関 の取組みも促進していく必要があることから、1次から3次の全 ての医療機関を対象に、取組みを支援することにしました。
制度を開始する段階では、例えば地域住民向けの公開講座な どによる肝疾患についての普及啓発、チラシ作成・配布などによ る患者支援、院内研修会の開催などによる院内の理解促進・院 内連携促進といったことに活用していただければと考えていま した。また、肝Coとして活動したい思いはあるがなかなか具体 的な行動につなげられない、といった方々の一助となれば、とい う想いもありました。
制度の周知の難しさ
このようにして始めた制度でしたが、始まってみると、これま でのところ、なかなか制度活用は進んでいません。平成30年度 は、事業の詳細を決定できたのが10月頃だったこともあります が、3件の活用にとどまりました。医療機関に対する制度周知が 十分できていないことはもちろん大きな原因だと考えています
が、他にもいくつかの反省点があります。
一つは、具体的にどういった事業を計画し、補助金をどのよう に活用したらよいのか、各現場の方々に具体的にイメージしてい ただくことができていなかったのではないかと考えています。好 事例も出てきていますので、活用事例を参考としてご紹介してい くことが必要だと考えています。
また、医療機関に所属する肝Coは多くが看護師さんなどの医 療スタッフの方々ですが、日々の業務で多忙にされている中、肝 Coの方々だけで、事業を企画し、院内で補助金分を除いた自己 資金分の予算を獲得して実施へこぎつけることはなかなか難し い状況にあることも伺われました。制度活用をお願いするにあ たっては、各施設で活動へのバックアップが得られるよう、施設 全体に制度を知っていただき、前向きに検討していただけるよう に努める必要があると考えています。
地域の一員としての肝Co活動:各地の課題解決を視野においた活動事例
なお、平成30年度は基本的に医療機関のみを対象としていた この制度ですが、県全体の肝疾患対策推進により貢献できるよ う、令和元年度には患者団体など医療機関以外の団体でも制度 を活用できるようにしました。患者会の活動にも早速活用いた だき、広く県民に向けた肝疾患対策の一助となっています。
肝疾患では命を落とさない県をめざして
長年の取組みが功を奏し、S県の肝がん死亡率は減少傾向を 強めています。肝Coの皆さんには、それぞれの持ち場で患者さ んを後押ししていただき、一人でも多くの患者さんの命を守るこ とで、S県を「肝疾患では命を落とさない県」にしていきましょう。
古川 修一