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白木智洋

ドキュメント内 Date of Submission January 16, (ページ 32-37)

第 4 章 課題解決のプロセスの詳細 9

4.3 担当課題解決過程の詳細

4.3.2 白木智洋

5 フィールドワーク、新しい公共交通の提案

 新しい公共交通を函館で導入するうえで、函館の公共交通機関の現状を実際に体感するた めに、フィールドワークとして市内を走行するバスと市電を利用した。

そのときに発見した点として、市域から外れた方面へ向かう、または市外から中心部へ向か うとき、バスの運行本数が少ないために不便ではないかと感じられた。また、観光地として 有名な元町地区、そして函館山周辺へのアクセスがあまりよくないと感じられた。交通規制 があるために一部の区間で乗り入れを制限しているのだが、より多くの運行本数と、函館駅 からだけでなく、五稜郭地域からも直接向かうことができれば、より多くの集客を見込める のではないかと考えた。それらの考察、そして函館市の統計データを基に、どのような公共 交通を新たに函館に導入するのが良いのかを考えた。話し合いの結果、モノレールを採択す ることとした。理由としては、地上数メートル上を走行するために、函館の景観を楽しむこ とが出来ること。サイズや用途も様々であり、建設費用にかかるコストもそれほど莫大なも

4.18 フィールドワーク時に用いた1日乗車券

のとならないと予想したことが挙げられた。そして、モノレールを運行させる区間を選定す るにあたり自身は、函館山再開発プロジェクトなどと題し、函館山をぐるりと周回させる路 線を提案し、それと並行させて函館山の裏地にあたる穴澗、寒川地域を開発、テーマパーク 化する計画を立案した。

6 新しい公共交通の提案

モノレール案の具体的な計画を進めていき、その中間経過について市役所の方を招いて説明 を行い、モノレールを通す意義、メリットやデメリットの考察や、実際に計画を実行する際 の工程など、考察しなければならない部分がまだまだ未熟であると講評を受けた。また、他 の交通機関との連携や、有事のセーフティネットについても考えていくようアドバイスを受 けた。その後にモノレールの運行予定地の視察を行い、断崖絶壁の続く海岸線が延々と続 き、市内とこれら地域を結ぶための交通機関を建設することが可能かどうか、まったく確証 が持てないと結論付けた。そのために函館山再開発案を放棄し、提案を一から練り直すこと になった。このときにプロジェクト内でグループの再編が行なわれ、それと同時にプロジェ クト全体としてのコンセプトを設けることにした。そして、メモリアルをテーマにし、それ を軸とした提案を行なっていくことになった。

引き続き、新しい公共交通を提案するグループに配属され、再びアイデアを出し合うことに した。メモリアルというテーマから、懐かしい、思い出、といったキーワードが挙げられ、

かつて函館を走っていた交通機関に馬車があったことから、馬車を再び走らせる案を出し た。しかし、馬車を牽引する馬の調達を、函館競馬場に所属し、引退した馬を再雇用するの は良いが、馬を管理する場所に目処がつかなかったこと、馬が暴れる危険性や、冬季の運用 に疑問点が残り、この馬車案も頓挫した。ただ、この馬車案をすすめていくなかで、動力源 を馬に頼るのでなく自動車のような装置を用いて機械化する案が出され、馬車案にかわりそ のアイデアを考察することにし、話し合いをかさねることで具体的な方策を検討していっ た。その結果、坂道が多いものの、徒歩での移動が多い元町地域を中心に運行する自動走 行車両を提案することになった。装置の名称はHORS∠OPE(ほーすろーぷ)と名づけた。

車両のデザイン、インターフェースなど作業を分担し、自身はHORSOPEの紹介をす るための文を起草した。この文章は後々、中間発表でのスライド作成時にも利用された。

7月 スライドデザイン及び内容の制作、中間発表

中間発表に使用するスライドのデザインを担当したが、スライドの細かいレイアウトや、ア

4.19 HORSOPEの紹介文章

イテムの位置の調整など、他の担当メンバーの作業の補助程度の作業しか行なわなかった。

HORSOPEの提案をするための文章作りを引き続き行い、それを基にスライドの内容を 作成したが、HORSOPEとテーマであるメモリアルとの関連性が希薄であると指摘を受 け、その都度修正を重ねていき、本プロジェクトのテーマが聴衆に伝わるようなスライドを 作成した。中間発表当日では、自身の発表技術がおぼつかない状態であり、また当日までに 練り上げた提案物の完成度が低かったせいもあり、聴衆からの評価は低く、手厳しい意見も 多く寄せられた。

8 プロトタイピングに向けた個人作業

 中間発表後、計画性のなさや情報共有の不徹底が指摘され、その反省を踏まえて対策を練 るとともに、夏季休業中に個人作業として、後期講義開始後にプロトタイピング方式による 製作物作成を前もって予定し、そのためのアイデアを各自で考案しておくことを課題とし た。自身は、道南地域の歴史、文化、風俗など、あらゆる分野の情報をデータベース化し、

文化保護、観光情報などに用いることができないかと案を出したが、あまりに公共交通に関 連性が薄いこと、仮に作成するとしても莫大な量の文献や資料を読み取り、情報を電子化し なくてはいけないことから、別のプロジェクトでやるべきであるとして後にプロトタイプを 作成する際に廃案となった。なお、前期に設定した、メモリアルというコンセプトはプロト

タイプの考案にあたって邪魔であるとして廃棄された。

9-10 プロトタイピングの考案、製作、評価

 1週間、長くても2週間の、短いスパン、4、5人程度のグループで小規模な製作を行な うプロトタイピング方式を用い、計3つのモデルを製作した。1つ目に、現在の函館バスの バスロケーションシステムにはまだ拡張できる余地が残されていると考え、函館バスの停留 所の位置、乗車運賃、また運行情報、バスの現在の走行位置や、それから計算したうえでの 目的停留所に到着する時間の提示などを、乗り換え区間を含めて提供するWebページのモ デル案を作成した。ただし、作成したのはページのレイアウトなどの外装部分だけであり、

実際にバスの運行状況を取得したり、乗り換え情報を自動で計算するといった実質的な機能 は有していなかった。自身が担当した部分は、各停留所の遷移ページの構築を担当し、停留 所の時刻表を記載するのはもちろんんこと、停留所の位置をマップで表示したり、一つ前、

一つ先の停留所とリンクし、どうすれば利用者が使いやすいページになるか考えながら作成 した。

4.20 webページのモデル案の画面

 2つ目に作成したのは、前期に我々が提案物として発表した新しい乗り物HORS∠OPE の機能拡張案として、HORSOPEを呼び出すための、スマートフォン端末を用いたア プリケーションを作成した。こちらも作成したとは言えど、現実にHORSOPEが存在 しない以上は、表面上の挙動だけを再現しただけに過ぎない出来であった。自身は、アプリ ケーションに必要な機能の査定を行い、必要最低限の機能だけで充分だと判断し、呼び出し 機能だけを搭載するよう決定した。このアプリケーションの説明文章も担当した。3つ目に 作成したのは2つ目と同じくHORSOPEの機能拡張案として、乗客が車体の姿勢を制 御する機能を提案した。車体を制御とあるが、自動車の操縦経験のない人が公道上を自由に 走行するような真似は危険極まりないために、車体の方向を360度旋回させたり、あるいは 上下に動かすような挙動を想定し、乗客がただ乗るだけでなく、HORSOPEそのもの

HORS OPEを用いて楽しむ、というコンセプトを提唱し、HORSOPEの動かす方向や機能に ついての考案を行なった。これら自身のグループが作成したプロトタイプと、他の2つのグ ループがそれぞれ作成した計9つのプロトタイプの評価をそれぞれのグループが行い、結果 としてグループを一つに統合して、プロジェクト全体でHORS∠OPEを更に改良してい くことを決定した。

11 提案する乗り物の、運送アルゴリズムの考案。また、最終発表に向けた、デモ機を用いた 運行計画の実演の計画

今後のプロジェクトの活動方針の決定を受けて、Linksを運行する際にあたっての配車アル ゴリズムの検討を行なった。複数地点での利用が同時期に発生し、それに対応する車両が利 用件数よりも少なかった場合の、車両の運行方法を想定するにあたり、車両と各利用者の間 を移動するのに必要な時間を必要コストとして、すべての利用者が目的地点まで輸送される までに発生するトータルコストの最も小さい経路を選択するアルゴリズムを考えた。現在、

カーナビゲーションでも利用されているダイクストラ法と呼ばれる経路選択アルゴリズムを 用いることで、この問題を解決できると考えた。ただ、この必要コストを計測するために必 要な情報が、大まかに算出するとしても、距離、路面幅や信号機の有無、天候、季節、時刻 など多岐にわたり、そのうえそれら要素を測定するためには街中の至るところに計測器を設 置しなければならず、設置にかかる費用を考えるとあまり現実的ではないために、どうして もカーナビと同様がそれより少し多い程度の情報量でコスト計算をすることとなり、高い精 度で測定し、効率的に運用することは難しいと結論付けた。

 また、最終発表に向け、そのようなコスト計算の困難さをひとまず棚上げしたうえで、複 数地点からの利用を受けた場合の配車アルゴリズムを可視的に説明するためのデモンスト レーションを行なうための機体、及び実演時の計画を行なった。機体を一から作成する時間 的猶予は残されておらず、また注力すべき点でもなかったために、機体そのものは業者か ら購入し、機体を制御するためのプログラムの作成を行なった。プログラムの使用言語は

4.21 機体として使用したOMNI WHEEL 3WD 14

Arduinoを用いた。前後への走行、左右方向への旋回の動作を確認した後、発表の場で動作

を披露する際の具体的な動作手順を調整した。発表の場で、誰でも操作を行なっても大丈夫 なように、デモ中に機体に命令を与えることなく、開始地点から到着地点までを自動的に走 行するようマクロを組んだ。そのために機体の走行ルートを立て、そのルートを正確になぞ るよう走行時間、旋回角度を調節した。

12 最終発表

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