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中間発表 「ポスター」

ドキュメント内 Date of Submission January 16, (ページ 111-124)

第 5 章 結果 99

5.1.3 中間発表 「ポスター」

 プロジェクトの成果発表において、発表者は成果物やアイデアを正確に且つ効果的に聴衆に伝 える必要がある。これらを意識しないで、プロジェクトで行ってきたことを闇雲に発表するだけで は、発表者と聴衆の間にコミュニケーションが成立しない。特に、我々のプロジェクトは活動の詳 しい内容をタイトルから推測することが困難である。そのため、15分という限られた時間の中 で、伝わるプレゼンテーションをする技法を研究する必要がある。本項目では、成果発表に用いる プレゼンテーション資料の作成に必要なデザインのルールとテクニックについての研究を行った。

プロジェクトの成果発表では、スライドやポスターなどのメディア(媒体)を用いて、成果物の報 告を行う。これは、話し手と聞き手のどちらにも、視覚的なメディアが情報伝達の助けになるから である。人は、百聞は一見に如かずということわざにもあるように、言語情報よりも視覚情報に頼 る傾向にある。言葉で何度も説明されるよりも、写真やグラフ、図などを見る方がわかりやすい し、口で発する言葉だけでなく言葉を視覚化した情報は迅速な理解を促すことになる。また、発表 後の質疑応答にて、データを参照しながら議論することになるため、メディア(媒体)が用いられ る。このことから、プロジェクトの成果発表において、わかりやすく正確に情報を伝えることがで きる視覚的なメディア(媒体)は必要不可欠なものである。

プロジェクトの成果発表において、発表者は聴衆へ配慮を行う必要がある。聴覚情報での配慮は、

大きな声で、ゆっくりと、はっきりと発表することが挙げられる。同様に本項目の視覚情報には、

読みやすく、見やすく、理解しやすいプレゼンテーション資料を作成することが当てはまる。文字 の種類やサイズを工夫することで、プレゼンテーション資料は読みやすくなる。文字や図形の配 置、配色、レイアウトを工夫することで、プレゼンテーション資料は見やすく、理解しやすいもの となる。

本項目の調査は、既存のプレゼンテーション資料の作成におけるデザインのルールやテクニックに ついて調査を行った。中間発表では、これらを意識せず各自の知識を用いてプレゼンテーション資 料を作成した。しかし、文字の種類やサイズ、文字や図形の配置、配色、レイアウトなどが不揃い で、聴衆への配慮が十分とは言えなかった。そのため、画一されたルールやテクニックを定めた。

本項目の調査を行った結果、プレゼンテーション資料の作成におけるデザインのルールやテクニッ クは、大きく分け「読みやすさ」と「見やすさ」に分類された。「読みやすさ」には、書体の選択、

箇条書き、段落の項目が含まれている。「見やすさ」には、レイアウト、配色、図解の項目が含ま れている。

「読みやすさ」は可読性、視認性、判断性と、3つの要素から成り立つ。可読性とは文章が読みや 易いか。視認性とは一目見たときの認識のし易いか。判読性とは、誤読がないか。という一つの物 差しである。これらの要素は、書体や文字のサイズを変更したり、行間や文字の間隔を調整したり することで、より高い完成度となる。 「見やすさ」は文字や図、資料全体のレイアウト、配色へ の配慮を行うこと、図や図解を作成することから成り立つ。資料全体やそれぞれの図、文字を見や すくするだけでも、聞き手の理解の促進をすることができる。

か図5.5、図5.6に示す。

5.5 前期のスライド

5.6 スライドの例

図5.5のスライド一例は、「読みやすさ」重視して作成した。可読性を高めるため、文章の量を 極力減らし、誤解を招くような表現を避けた。視認性を高めるため、一目見たときにイメージを画 像として伝えることで、聞き手の理解を促した。判読性を高めるため、1ページあたりの情報量を 抑えることで、誤読を避けた。これらの要素を高めることで、次の一例として、図5.6に最終発表 用ポスターの原案を示す。

図5.6のポスターの原案は、「見やすさ」を重視して作成した。資料全体や図、文字を見やすく するため、資料全体のレイアウト、文字や図、配色への配慮を行った。図や図解を作成した。

5.7 ポスターの原案

(※文責:杉村大貴)

5.1.4 最終発表

 私たちは最終発表で「Links」という新たな公共交通の提案を聴衆者に向けて行った。Links とは函館市中心部と渡島支庁の函館郊外とを結ぶ公共交通であり、市民にとって快適で身近な公共 交通であり、郊外の住民を函館に集客して函館市を活性化させるという目的がある。

 Linksの特徴として前述したように函館郊外と函館市中心部を「繋ぐ」ということが一番の特徴

といえる。昼間には郊外での運行をして、ターミナルから函館市内の公共交通に乗り換える。ター ミナルはJR五稜郭駅前と函館空港付近に設置することを掲げる。郊外の運行地域として長万部町 内・八雲町内までの運行と定める。夜間には公共交通の運行しない函館市内を運行して、函館市民 の交通の利便性を高める。24時間運行することで多くの乗客を運搬でき公共交通としての定着を 狙う。

 現在の函館市と郊外を結ぶバスは函館バスの運営する赤字路線39路線のうちの26路線を占め ている。この26路線の年間累計赤字が約7,200万円という負債を抱えている。このことから今回

のLinks発案に至った。さらに利用者視点から見てもバスの本数が少なく利用者の時間が限定され

てしまうという問題がある。また主要地まで行かなければバスに乗ることすらできないという状況 である。これではわざわざバスに乗ってまで外出するのは億劫に感じられるのではないか。利用者 のニーズとしては安価で気楽に乗れる公共交通であることが重要となるであろう。

 そこで利用者のニーズに応えるために、Linksに新たな現在の公共交通にはない新たなシステム を導入した。まず乗りたいときにいつでも乗れるというシステムである。これはスマートフォンや

Links

うシステムである。GPSを利用して乗車する人の現在位置を割り出し最も近いLinksが迎えに来 るという方法である。これで利用者がその都度バス停まで出向かなくても移動できることになる。

乗車する人は非接触型ICカードをかざして乗車する。ICカードを使うことで、現在の整理券代わ りになり、乗降車にかかる手間を省くことができる。最終発表では、実際に乗客がLinksを呼び出 した際のアルゴリズムを機器を使って実演した。また運賃を安くするために、無人運転を行い動力 源を燃料電池にすることで運賃を抑えることを提案した。

 燃料電池は水素を燃料として化学反応によって電気を発生させ、その電力で走行することができ る。ガソリンに比べて水素は低価格での供給ができる。どのくらい価格を抑えられるかというと、

2008年に開発されたトヨタのFCHV-advでは水素の完全充填を行うと830?の航続が可能となる。

プリウスなどのガソリンを用いて走行するハイブリット車と比較しても、同じ距離を走るための燃 料費だけでも約6割の価格に抑えることができる。トヨタでは、燃料電池車の更なる研究を進め、

10年後には現状を上回る燃料電池車の開発が期待できる。

 そして無人運転システムを導入する。これはコンピューターによる自動制御で運転するというも のである。これに3次元空間の地図と10年後には今よりも精密になるであろうGPSを使い運行 技術の向上を目指す。また、カメラを用いて信号や歩行者・障害物など認識して、危険を感知した 場合には自動で停止できる機能を備える。実際にアメリカではGoogleが無人運転自動車の操縦で 48万キロメートルを無事故で走破した実績がある。このことから10年後には日本でも無人運転が 実用可能になると推測できる。

 新しい公共交通を運行させるために問題となってくるのが設備投資、維持費用であるだろう。そ こで私たちは費用の採算を推測した。まず初期の設備投資として必要となってくるのが車両本体の 導入価格、水素ステーションの建設費用である。まず利用者に過不足なく乗れる車両の機体数とし て300台を設定すると、現在の技術をベースに量産化技術を導入して、化学反応を促進させる白金 が効果であるが代替触媒にカーボンアロイ触媒を用いると、さらに安いコストで生産することがで

きる。10年後にはLinks1台あたりの生産費用が100万円と推測できるので3億円が必要となる。

さらに水素ステーションは新エネルギー・産業技術総合開発機構が策定したロードマップにより1 基2億円での建設費用がかかるとなると2基の設置に4億円が必要となる。初期の設備投資は合 わせて7億円となる。その後の、車両点検などの維持管理費に年間で3億円の出資が見込まれる。

しかし、無人運転により人件費の削減を行い、運賃を距離に応じて5002000円に設定したとして も燃料電池に変えることで削減できる燃料費が年間で4億円に上る。このことから7年間で初期 費用の返済が見込まれる。以降、運賃からの収入によって函館の公共交通の黒字運営が望まれる。

 最後にまとめとして、私たちのプロジェクトでの活動は、楽に移動のできる公共交通を提案する ことである。乗りたい時間に、乗りたい場所から、安く乗ることのできる公共交通である、「Links という乗り物の発案をした。24時間運行、無路線・無停留所、無人運転、燃料電池での運行を特徴 としている。Linksを導入することで赤字路線を廃止することを見込んでいる。

(※文責:川口謙介)

5.1.5 最終提案物

Linksのシステムについて

概要  Linksとは函館市郊外と市街地との間を中心に走り、利用客の使いたい時に呼び出せて、

路線数の少ない郊外地域と市街路線との間を繋ぐ交通システムである。これは路線数が少な

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