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中間発表 「市電・バスグループ」

ドキュメント内 Date of Submission January 16, (ページ 105-108)

第 5 章 結果 99

5.1.1 中間発表 「市電・バスグループ」

背景 現在函館の公共交通には路線バス、市電、JR、タクシーがあり、函館での日常生活や観光な どにおける移動手段として利用されている。それらの公共交通はサービスの利便性や運営の 効率性において様々な問題を抱えており、函館に訪れる観光客や公共交通の利用者の減少な ども問題として挙げられる。実際に現在の函館は観光都市として有名であるが函館への観光 客数は毎年減少しており、そのリピーターも決して多いとはいえない状況である。

 それは函館に再び訪れたいとおもうようなきっかけ、理由、取り組みがないからだと考え

5.1 推移

られる。また、函館市内を運営地域としている市電と路線バスは、市電は路線範囲が狭く、

路線バスは運行の本数が少ないことが挙げられ、両者の並走区間では路線バスの空席が多い ことが問題として挙げられる。 それらの問題点の中でも観光客の減少や公共交通の利用客 の減少に注目した。既存の公共交通をより魅力的なものにうることで、観光客のリピーター を獲得し自家用車を利用している函館市民が公共交通を利用するようになるような思い出に つながる体験を提案することが必要になる。

目的 市電・バスグループは前期プロジェクト活動のコンセプトである「函館をよりメモリアルな 街へ!」を元に、既存の公共交通を用いて函館で思い出を「作る」「振り返る」「伝える」こ

  観光地での魅力的な公共交通は、観光客にとって印象的なものになり得るので、思い出 につながることが予想される。10年後の函館には観光客やそのリピーターが減少するとい う問題、公共交通の利用者が減少するという問題を解決に導くことが求められる。それらの 問題を既存の公共交通を用いて解決するためには、現在の函館のイメージを生かしつつ利用 者の思い出につながるようなシステムが必要である。そこで、函館市民が最も利用する公共 交通である市電や路線バスを用いて思い出につながる体験を提案する。

市電 市電を用いて思い出につながる体験を提案するにあたって、市電の特徴であるレトロな外観 に注目する。市電の外観は函館の情緒あふれる町並みに馴染んでいる。そのため、どこか懐 かしい雰囲気を持っており、思い出を「振り返る」システムの構築が可能であると考える。

そこで私たちが提案するシステムが給食市電である。このシステムでは小学校や中学校で誰 しもが食べたことがあるであろう給食を市電の車内で提供する。懐かしい雰囲気を持つ市電 の車内で懐かしい給食を提供することで利用者の懐かしい思い出を「振り返る」ことが可能 となる。また、提供する給食は様々な年齢層に対応させるため、いち利用者とは違う世代の 給食を提供することが可能である。そのため、利用者としては自分とは違う世代の給食を食 べることが出来、新たな思い出を「作る」ことにもつながる。

5.2 給食市電

 ここの給食市電を楽しむためには一定時間の乗車が必要となる。函館では自家用車などの 普及や不採算路線になったために、過去に「函館駅前‐ガス会社前」、「ガス会社前‐五稜郭 駅前」、「松風町‐宝来町」の路線が廃止された。そして現在では「五稜郭公園前‐湯ノ川」、

「五稜郭公園前‐函館駅前」、「函館駅前‐谷地頭」、「函館駅前‐函館どつく前」の路線だけ が運行している。しかしながら、このような現状の市電路線では十分な乗車時間を確保する ことは難しい。また、給食市電は昼食の時間帯が基本的な運営時間とする。利用者としては 外食をする際にお店に行き、食事をした後に同じ場所から帰路につくことは自然な流れであ るが、環状路線のない現状の函館ではその実現が不可能である。

 そこで市電路線の延伸を行い、路線の環状化を提案する。既存の市電路線は「五稜郭公園 前‐湯ノ川」、「五稜郭公園前‐函館駅前」、「函館駅前‐谷地頭」、「函館駅前‐函館どつく前」

の4つの路線があるが、このうちの「五稜郭公園前‐函館駅前」の路線を部分的に延伸する ことで環状化路線を作る。具体的な延伸範囲については、深堀町電停から競輪場前の道路を 通過し、漁火通りを経由し、松風町電停までを結ぶというものだ。

5.3 延伸範囲

このような延伸をすることで一周あたり約40分の時間を確保することが可能となり、給食 を楽しむための十分な時間を確保することが可能となる。また、漁火通りを通ることで海岸 沿いの景色を望むことが可能となり、視覚的に楽しむ要素を取り入れられることも利点であ る。市電については以上のような思い出を「振り返る」「作る」ようなシステムを提案する。

バス  市電に対応した路線バスについての提案をする。そのため、路線バスについては思い出を

「振り返る」「伝える」という点に着目する。その理由は函館市民がもっとも利用する公共交 通は路線バスであるためである。そこで私たちが提案するシステムがメモリアル/メモをす るバス、メモバスである。

メモバスの車内の天井、壁、窓、背もたれに有機ELディスプレイを設置する。背もたれに 設置される有機 ELディスプレイはタッチ操作が可能となっており、利用者の持っている 様々な情報を発信・共有することが可能となる。天井や壁に設置される有機ELディスプレ イはその設置に伴って撤去されるであろう紙媒体の広告を電子媒体にするという役割を担っ ており、窓に設置される有機ELディスプレイには過去の風景を投影することにより函館市 民の思い出の想起につながる。路線バスについては以上のような思い出を「振り返る」「伝 える」ようなシステムを提案する。

評価・結果  以上のような給食市電・市電路線の延伸・メモバスの3つの提案をすることによっ て既存の公共交通を用いて思い出を「作る」「振り返る」「伝える」ことが可能になることで 函館の新たな観光資源を気づくことができ、函館市民の利用者や観光客のリピーターのも増 加も見込まれる。これらの提案が実装された公共交通を利用することで函館市民や観光客を 問わず思い出につながる体験をすることが可能となり「函館をよりメモリアルな街へ」と変 えていくことができるであろう。また、それとは別に次のような二次効果が期待される。

5.4 バス

まず、給食市電で提供される給食の食材に北海道や函館で取れたものを使用することで地産 地消の促進につながるということがいえる。給食のメニューの内容は日本各地で様々なもの が存在するが、給食市電では北海道のメニューを取り入れる。それは函館市民や函館以外の 道内出身の利用者に懐かしいという感情を与えるためだ。また、道内各地の名産物を取り入 れることで道外から来た観光客にとっても魅力的になる。次に、市電路線の延伸で環状路線 を設けることにより給食市電以外にも様々なイベントを開催することができるようになる。

様々なイベントを開催することで地域の活性化にもつながる。最後にメモバスを導入するこ とで情報の発信・共有する機会が増し、函館の地域活性化にもつながる。また、これらの提 案を導入することで観光客に対しては函館の文化の発信につながるのではないか。

(※文責:鬼塚健人)

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