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一年を通して

ドキュメント内 Date of Submission January 16, (ページ 156-160)

第 6 章 1 年間の反省 147

6.3 一年を通して

 この一年で自分たちに足りなかったこととしては、人と人との情報共有がほとんど出来ていな かったこと。また、時間の計画性が無く、結果的に最終発表ぎりぎりで時間が足りなくなるという トラブルが起こってしまった。また、指揮の低さなどの原因により一部メンバーとの協調性が悪 かったと思う。

 この一年で経験した協調性や計画性、情報共有などを上手く自分たちの人生に活かせていきたい と思う。

(※文責:平原拓海)

7 章 今後の課題と展望

ここでは、本年度の活動内容を元に次年度以降に引き継ぐべき内容、及びそれに関しての補足を していく。まず最初に、今年度の最終提案であったLinksについてはシステムのみを持ち越しと し、運行についての目的、方法、範囲などについては再検討していただきたいと思う。理由として、

今年度は提案に至ってから最終発表までの期間が短く、私たちが考えきれなかった部分が多数存在 する。そのため、私たちはこの案がLinksを用いる上での最善であると言い切ることができない。

よって、次年度ではまずLinksのシステムを用いて別の見方を行うことから始めて欲しい。場合に よっては前期に提案した、HORS∠OPEのような利用法が最善なのかもしれないし、あるいはさ らにほかの利用法があるかもしれない。逆に、アンケートなどで今年度に無人運転に関して実現的 でないという指摘が多かったこともあり、運行システム側を残し、有人車両に戻すという案も考え られる。

見直す場合には、ユーザー視点を中心として考えて欲しい。どこに導入するか、ではなく、どのよ うな年齢層、性別、職業などの項目に当てはまる方がユーザーとなるか、である。それらの項目を 定めることによって当てはまるユーザーを絞ることが出来れば、それに応じた導入地域区間も自 ずと見えてくるはずである。また、導入地域を絞ることが出来たならば、そこから再び導入された 地域の調査などによりユーザーを広げていく必要がある。今年度にはその視点が欠けていたため、

ユーザーを定めることによって見落としていた部分にも対処することが可能であると思われる。

 ここからは今年度の案を続行する場合について執筆していく。まず、Linksの運行システムにつ いてであるが、より具体的な配車アルゴリズムの考案を行わなければいけない。今年度の発表では ルート上で経由する道それぞれにポイントを用意し、それらのポイントの合計値が最も小さいルー トを選択する形になっているが、その場合におけるポイントの算出方法を考えなければいけない。

一例としては、距離、道幅に応じたポイント、交差点及び各交差点での右左折の数といった基本条 件に加え、降雨雪、積雪状況などを加味したポイント、そこから現在の最小値を選び出すシステム を制作する必要がある。また、積雪時には路面が凍結しているのか、雪に覆われているのかなど、

さらに細かなポイント設定が必要になる。この場合には、さらに各道路の路面状況をリアルタイム に知る必要があり、その方法についても考える必要がある。例えば、前便の運行時に路面状況を記 録し、気象情報、予報と照らし合わせ、数時間後の路面予測を作成し、それを元にポイントを与え るという方法が考えられるが、実際に即さない場合も考えられ、その場合の対処についての問題も 発生する。さらに、アルゴリズムが複雑なパターンとなる場合、例えばほぼ同距離別位置の2名に 同時に呼び出され、かつLinksの空席が1枠しかない、というような限定された特殊な場合につい ても考えておくべきだろう。

また、運行拠点についても見直す必要があると考える。現在は乗り換え用ターミナルが函館空港付 近と五稜郭駅付近となっていたが、北斗市内のバス利用状況や北海道新幹線新函館開業、それに伴 う函館〜新函館間電化、また函館新外環状道路開通を考慮した場所の検討を行っておらず、これら を考慮したターミナル配置を行う必要がある。具体的には五稜郭駅付近に置くとしていたターミナ ルを新函館駅周辺へ変更、新函館から函館市街地への移動にはJRを用いるとしたり、もしくは函 館〜新函館間電化に伴う函館圏への近郊型電車投入により江差線上磯駅付近までの電車投入を予想 し上磯駅周辺への設置といった、バス以外の交通手段を用いた函館市街地への連絡についても考え

考えると函館市民の利用しづらい函館空港よりも乗り入れ系統数の多い場所のほうが適切なのかも しれない。もしくは、運行拠点にあわせたバス系統の再編という手段も考えうるが、この場合にも 利用者数を考えた路線配置にしなければならず、結果としては運行拠点に焦点が移ってしまうだろ う。また、函館新外環状道路が開通した際には、ここを走行することによってそれぞれの方面へ接 続することが可能となると考える。従来の居住地と比較するとかなり外側を走ることになるが、赤 川、日吉それぞれのインターチェンジにはバスが走っていることもあり、これらのバス路線に接続 することは難しくはないだろう。また、函館新外環状道路を用いることによってそれら地域の接続 の高速化を図ることも可能だろう。

また、現在の函館バスの営業所を元とした各地にLinksの待機場所が存在するとなっていたが、今 年度の呼び出し時の目標である20分以内の到達を達成できるような待機場所配置を考える必要も ある。具体的な待機場所を考えるよりは、待機場所を設置する条件、またその場合の待機台数まで を、地区世帯数や人口と距離を照らし合わせて行うと良いと思われる。また、今年度に提示した配 車目標時間の修正を行わなければなるまい。今年度の配車目標時間は、明確な調査などを行ったわ けではなく、我々の主観に基づき予約してから待つことが出来る時間の目安として提示したもので ある。そのため、再検討を行っていただく必要があるが、検討の際、特にどのような要素を重視し て調査および決定を行うかを重視していただきたい。アンケート、実験、一般的な感性など、調査 方法は多数存在するが、そのうちどれが最も受け入れられるかについては吟味する必要があるだろ う。

次に、1台の運行範囲についてに移る。今年度の発表では現在の函館バスの運行範囲を踏襲した 発表となっていたが、それが適切であるかどうかを見極める必要がある。下図は今年度作成した

Linksの運行範囲と待機場所の表であるが、現在の運行範囲としている長万部町までの運行範囲

は、函館バスがJR線と競合しており、それら地域から函館市までを結ぶ必要性については考え直 す必要がある。駅を基点とし、連絡先を鉄道とする形になる。このときには、乗り換えが可能な各 駅が拠点となり、結果として燃料補充が現行案では難しくなるなどの新たな問題が浮上し、またそ れとあわせ、駅での乗り換えの時間や料金等について考える必要がある。特に、乗り換え地点を特 急停車駅に絞ってしまうと、函館までの本数は確保できるものの料金面ではバスよりもはるかに跳 ね上がるだろうし、逆に普通のみ停車する駅では乗り換え連絡が難しくなるなど、どちらをとって も問題がある。上記の新幹線開業による函館周辺の鉄道の変化に合わせ、検討し、柔軟に対応して いく必要がある。

最終発表にて指摘された内容の中に、学生の利用などに伴う混雑について挙げられた。元の用途と して、高齢者向けの利用を想定していたこともあり、今年度の私たちの視点から抜け落ちていた内 容の1つとして挙げられる。確かに、市街地外からの通学はLinksの利用対象であるし、彼らに とっての通学は現在でも時間や料金等の問題が多く生じており、Linksを導入することによって解 決できるであろう課題のひとつである。このような、短い時間帯に大量の利用者が集中するような 場合の対応方法も考慮する必要がある。その時間帯のみバスの運行を行う、などが考えられるが、

それでは利用客数の前提が崩れるなど、根本的な解決になっていないとも感じる。

同じく最終発表にて指摘された内容に、タクシーとの全面的な競合が挙げられる。こちらについて は今年度から課題として挙げられており、発表した運行システム、具体的にはLinksを長距離運用 に使い、タクシーのような短距離の移動でない部分をカバーする形になっているのはこの問題に 対する今年度提示した解決案であるが、指摘されたということは不十分である可能性がある。よっ

て、Linksとタクシーの間にさらなる棲み分けを行う必要があると考える。

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