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川口謙介

ドキュメント内 Date of Submission January 16, (ページ 67-71)

第 4 章 課題解決のプロセスの詳細 9

4.3 担当課題解決過程の詳細

4.3.9 川口謙介

5月 フィールドワークによる公共交通の分析

まず初めに、私たちは3つのグループに分かれてフィールドワークを行った。

函館の主となる公共交通の市電・バスに乗り函館の主要な観光スポットや利用者の多い停

4.47 フィールドワーク

浮き彫りになった。その後にプロジェクトメンバー15人が各々一番重要な問題点を掲げ、

スライドを作り、プレゼンテーションを行った。私は函館の公共交通について提起した問題 点は、バスについては、路線図がわかりにくいことや、バスの最終時間が早いこと、さらに、

バスの遅延についてが挙げられた。市電の問題点については、運広範囲が狭いことや自動車 の交通の妨げになることが挙げられた。また、両者に共通する問題点として、乗り継ぎの分 かりにくさが挙げられた。このプレゼンテーションをふまえて、各自が函館の公共交通の未 来像を考え、「バス」・「市電」・「新しい乗り物」の3つのグループに分かれた。最初に各班 でブレインストーミングを行い、函館について公共交通に限らずに良い点・悪い点を再検討 した。ここで挙がった悪い点を改善するために必要なことや、良い点を更に生かし公共交通 に組み込むための方法を考えた。その後、3つのグループがまとめた、公共交通についての 発表を行った。私たちバスグループは、2015年の函館新幹線開通に合わせて、観光都市化 が進んだ函館にしたいということを考えた。一つ目に、観光システムの充実を掲げた。新函 館駅と主要観光地を結ぶ観光路線バスを発案した。また、公共交通機関の利用をサポートす るシステムを提案した。これらで観光客の公共交通利用者の増加を図った。JR函館駅には タッチパネルのバスロケーションシステムが設置されて、乗客の行きたい場所や時刻表の検 索を無料で行うことができる。

4.48 バスロケーションシステム

しかし、五稜郭周辺のバス停や主要な市電電停にはこのようなものはなく、函館駅から公共 交通を利用する場合は利用者にも活用のしやすいものとなっているが、その他の場所からの 利用をする場合には使いにくいことが現状である。そして2つ目に交通網整備を掲げた。初 めて来た観光客には現在の路線図は非常に見づらいものと考え、路線図の簡略化を提案し た。現在の函館バスの現状として、五稜郭のバス停には複数のバス停があり、乗客はどのバ ス停を見れば時刻表の確認をできるか一目で判断することができないと思われる。路線が簡 略化されることによって交通渋滞が改善され、バスの遅延も少なくなることを考えた。さら にバス停の数も一つにまとめることができ、路線の進行方面や通過場所が今よりも明瞭にな ることが予想できる。

6月 新しい公共交通の模索6月に入って、新たにグループの編成を行い。バスのグループから新

4.49 複数のバス停

しい公共交通のグループに移動した。このグループでは、現在の函館にはない日本や海外の 公共交通の先行事例やシステムについて調べた。ここで調べた先行事例では、無線で進行方 向の同じ自動車の連結をして、走行をしていくというものである。他にもパーク&ライドな ど交通システムの調査も行った。函館駅周辺に馬車を走らせる方法や函館山を開拓して裏に モノレールを通す方法などを模索して、実際に函館山の形状や風景を確認するためのフィー ルドワークも行った。フィールドワークを行った結果、函館山の裏には切り立った崖があ り、開拓するには土砂崩れの危険性や、開拓地域の少なさが見られ、函館山の裏を開拓する 案は不可能だと判断した。その後、プロジェクト全体のコンセプトを「メモリアルな街 函 館」として設定した。このコンセプトを基にして、観光客の多い函館の街に適した公共交通 の模索をした。最初に発案したアイディアとして馬車の運行を提案した。馬車を走らせるこ とで、観光客の記憶に残るような公共交通となると考えた。その後、馬車についての調査を 進めていく上で、場所の保存場所や馬の飼育場所・飼育費用の問題や、実際に場所を走らせ ている観光地で馬が暴走して死亡事故が起きるなどの事例が起きているために函館での馬車 の運行は困難だという結論に至った。そこで函館駅を中心として、坂道の多い函館西部地 区を運行する交通補助システムとして、観光客や老人が気軽に乗ることのできるHORS OPEを考案した。

4.50 馬車

7 新しい公共交通のモックアップの制作新しい公共交通となるHORSOPEについて話し

めに、運行範囲・運行システムやインターフェースなどの細かい内容、外観を決定した。

HORSOPEは無人運転であり、観光地を走行するために低速での走行をしながら、周 囲の景観を楽しみながら移動することのできる公共交通である。また、中間発表に向けて HORS∠OPEが聴講者にとってイメージだけではわかりにくいため、決定した外観を実際 に実物化した模型のモックアップを作製した。中間発表では、3つのグループに分かれて考 案してきた、「給食市電」、「メモバス」、「HORSOPE」についての発表を行った。背景と して、10年後に少子高齢化や人口減少が考えられる。過去10年間でも高齢化率が7%上昇 している。10年後にもこのまま高齢化が進むと考えられ、過去10年間で人口も1割の減少 がみられる。公共交通の進展としては、2015年に北海道新幹線が函館まで開通することが 決定されている。これに伴い観光客の増加が見込まれる。しかし、公共交通の利用者は過去 10年間で半減している現状がある。給食市電は現在の市電路線に、深堀町電停と松風町電 停を結び漁火通る路線を新設し、環状化させることにより、函館の情緒ある風景を楽しみな がら市電に乗ることができ、会社の昼休憩を利用して誰しも懐かしいであろう給食を食べる ことができるという市電である。メモバスは、メモリアルバスの造語であり、バス内全面に 有機ELディスプレイを配置する。このディスプレイに函館の懐かしい風景や、乗客が投稿 した写真等を映し出すことで、函館の素晴らしさを知ってもらおうという狙いがある。コン セプトである「メモリアルな街 函館」を実現することができると考えた。最終的に3つの 意見をまとめて中間発表のスライド作成を行った。その後、メンバー全員でスライドの確認 をして、修正点の改善を行い、発表練習をした。中間発表終了後はアンケートに書かれた質 問や提案に目を通し後期からの活動の方向性について検討した。他に中間発表で着用するT シャツのデザイン提案を行い、メンバーにアンケートを取ってデザインの決定をした。その 後、Tシャツプリント店への制作依頼を行った。

9 プロトタイピング

後期のプロジェクト学習をスタートする。前期の中間発表の反省を生かし、ボトムアップ方 式からプロトタイピング方式のアイディア提起に変更した。さらにグループに分かれず、プ ロジェクトとして一つのアイディアに絞ることとした。また、アイディア考案のため、3 のグループに分かれてプロトタイピング方式でのプロジェクトの進行を行った。さらにス トーリー班を編成して、3つのグループが考案したアイディアを公共交通に導入するために は、どのような使用方法があるかという内容をまとめることを行った。1度目のプロトタイ ピングとして、バスを待っている時間に乗車予定のバスの現在地・到着予定時間についての 情報が得られるアプリを作製するというアイディアを提起した。このアプリは、自分の目的 地を入力することで最寄のバス停から目的地まで最短時間で到着するバスの検索を行ってく れるものである。同時にバスの待ち時間やバス内での目的地までの到着時間まで遊べるバス モンも発案した。乗車するバスの系統や乗車距離により様々な特典が発生するなど、多くの 乗客を獲得するための方法を考えた。

10 Starp考案

 2度目のプロトタイピングでは、スマートフォンのアプリケーション「Bump」を発展さ せたシステムとして、バス停にスマートフォンをかざすことで、乗車予定のバスの混雑状況 や遅延状況を取得ができるシステムの考案をした。また、バスの乗降車の際にかざすこと

で、料金支払いや乗降車場所のデータ整理を楽に行える機能の搭載を提案した。さらに実際 にバスに乗る様子を撮影して、このアプリケーションの使用例を撮影した。その後、映像編 集ソフトを使いFlashアニメーションを組み合わせて加工編集を行った。最後のプロトタイ ピングでは、新たなグループ編成を行い、音声認識システムによりスマートフォン等の端末 に目的地を告げるだけで端末がGPSから現在地の探索を行い、直近のバス停や乗るべきバ スの時刻などの情報を案内してくれるシステムを提案した。音声認識を使うことで、わざわ ざアプリの操作などをすることもなく、端末に話しかけるだけなので老人など機械の操作が 苦手という人たちのためにもめんどうな端末操作をなくすことができる。このシステムを使 うことで、バスの現在地や目的地までの料金等の情報を、ボタン操作なしに楽に取得するこ とができる。しかし、このシステムを使用する場合、GPSの精度向上や端末の音声認識シ ステムの誤認識をなくさなければ、実用化することは難しいと思われる。

11 Links考案、プレゼンテーション

3グループの3つずつ合計9個のプロトタイピングをふまえて、私たちは新たな公共交通と してStarpを考案した。Starpは前期のHORS∠OPEを基に全体で生み出したプロトタ イピングを組み込んだ乗り物である。Starpにプロトタイピングを導入することでインター フェースの充実を図った。先生方への発表を繰り返し行い、感想や意見から得られた反省を 基に、現在の道路交通法を考えるとStarp実現には現実味が薄いという意見を頂き、函館市 内全域を走行するStarpから函館市内と函館郊外を結ぶ公共交通の「Links」へ提案の変更 を行った。その後も先生方への発表を繰り返し、客観的にLinksについて話を聞くことで 感じる点など、問題改善のための貴重な意見を頂いた。現実味がないという意見を頂いたた めに、現実味を出すために市役所の方から頂いた資料を参考にしてコストの算出を行った。

1日の平均乗車人数や移動距離を基にして、Linksの料金設定で運行を行った場合に、人件 費・燃料費を差し引き発生する利益等を計算したコスト算出を行い、既存の公共交通よりも 金銭的に優れているということを示した。

12月 最終発表

最終発表に向けて、スライドの問題点の改善を行った。改善したことでスライドの見やすさ は良くなり、内容もまとまったが、スライド改善のために発表練習はほとんどできなかっ た。同時に、最終発表のポスターの英訳も手伝った。最終発表では前半に2度の発表を行 い、聴講者からの発表後の質疑応答に対応した。質問への返答は大変ではあったが、1年間 プロジェクト学習で取り組んだ内容を参考にして返答ができた。また、発表後には聴講者に 記入してもらったアンケートの集計を行い、客観的に発表を見た場合の発表内容や発表方法 の良い点や改善案をまとめた。その後は個人報告書とグループ報告書の作成に取り組んだ。

(※文責:川口謙介)

4.3.10 久保川美希

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