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久保川美希

ドキュメント内 Date of Submission January 16, (ページ 139-143)

第 5 章 結果 99

5.3 担当分担課題の評価

5.3.10 久保川美希

 フィールドワーク・・・現地での聞き取り調査は、該当地域における有力者や、土地の事 情に詳しい人が有力なインフォーマントになった。しかし、これらの人々に限らず、良質の 情報提供者や調査協力者も、確保できるよう行動した。彼らのおかげで、客観性に耐えうる 情報を収集することができ、フィールドワークは無事に終わった。この経験は、公共交通に 関わる人(運転手や交通部の人)と公共交通の利用者の間に立つという、人生において馴染 みの少ないものだ。しかし、そのため多くの事に気づくことができ、さらに出会いも学ぶこ とが出来た。

また、函館市ならでは地形より街の特徴を(短所も長所も)知ることが出来た。函館市は、

北海道の中で津軽海峡に面した位置を占める。さらにその地形は、陸繋島と呼ばれる特殊な 形をしている。ちなみに、この陸繋島は日本の江ノ島(神奈川県)などにもある。陸繋島と は、砂州によって大陸や大きな島と陸続きになった島のことである。海岸近くに島があると 沖からの波が島の裏側で打ち消しあい、波の静かな部分が出来る。ここには沿岸流などで運 ばれてきた砂が堆積しやすく、やがて海岸と島を結ぶ砂州が成長し陸続きとなる。函館市の 場合は、現在の函館山が海岸近くにある島で、北東部の広い山岳地(横津岳(1166.9メート ル)や袴腰(はかまごし)岳(1108.3メートル)と連続する亀田半島)が大陸、その間を 砂州が結ぶ。函館のはじまりといえるこの日から、現在は砂州の上に沢山の建物や道路が並

液状化しやすいと分かった。

その他にも、個人でフィールドワーク行ったことについて反省した。もし、このフィールド ワークをグループでやっていれば、もっと気づく点は多かったと考える。なぜならば、事後 報告会の際に、その差異を感じたからである。例えば、乗り継ぎにおけるバス停と電停の距 離や、バス停名の困惑などが挙げられる。よって次回にやる際は、ある集団で意見交換をし ながらフィールドワークを行う。そのメンバーは、同じグループ内の調査者でも函館市民で も良い。どちらかというと、函館市民の方がより幅広い年齢層の意見を聞くことが出来ると 考える。さらに、聞き取り調査だけでなくアンケート調査をしてより実証の高い根拠をつか む。

事後報告会・・・私は1人でフィールドワークを行ったので、事後報告会も1人でプレゼン テーションした。初めてのメンバーに慣れない部分もあったのか、緊張した。私の所属する 情報デザインコースでは、プレゼンテーションの機会が多く、そのためスライドの作り方へ 多少の理解があった。そのため、内容は重要なこと3つに絞しぼり、文字よりも画像、文章 よりも単語(キーワード)を使うことが出来た。

大切なことは、相手に「伝える」ことだと学んだ。「話す」「伝える」ことは、コミュニケー ションの手段として大切な要素である。話すとは、伝えるとはどういったことなのか、まず ここから考えた。私たちは毎日、無意識に人と会話をしている。これまでに話すことを専門 的に学んだことはなかった。その方法を誰かに教えてもらった経験がある人は、おそらくほ とんどいない。話すこととは食べること、そして歩くことと同じで、これらは私たちにとっ て日常的な行為なので、意識せずに行う。多くの人は初めて言葉を話してから、きちんと教 えてもらうこともなく我流で話してきているはず。無意識に行ってしまっている日常の行為 を自然に見せるのは、意外に難しいものである。話すことも同じでうまく話すことを意識す ると、なんだか不自然になってしまう。今まで自己流で身に付けたことを、意識して見直し て自然にできるまで練習することで、ある日とても自然に振舞えるようになるのではない か。

そのために自分を知る。自分で何を言いたいのかがわからなければ、相手にも絶対にわから ない。意外に、自分で言いたいことが分からずに話し続けている人は多いし、自分もそうで あるため、注意しなければならない。自分で言いたいことをまとめるという作業は、自分に 取材することだ。自分が何を感じているか、どういった考えを持っているかを検証する。相 手の話を聞いたあとに「だから、何なんだろう?」「言いたいことって何だろう?」と疑問 を持ってしまう会話はよくあるが、この原因は、自分自身が伝えたい肝をきちんと把握して いないからだろう。まず「自分は何を話そうとしているのか」をしっかりと認識する。その あとで「どう伝えたらいいか」「どんなスキルが必要か」を考えると良い。このように、話 したい内容を自身で掘り下げていくと、はじめは抽象的なものでも次第に具体的になり「一 番言いたい言葉」を見つけることができる。日常のたわいのない話ならともかく、伝えたい 何かを残すときには、必ず自問自答してメッセージの本質を見つけたい。しかし、うまく話 そうとすると人間は緊張するため、何を話すか考えるようにすることが第一である。

新しい乗り物の提案・・・最初、私はしきりに相手を誘導しようとしていた。自分が信じる 価値観に目を向けてもらうように質問を投げかけた。しかし、相手は自分の期待したとおり

に反応してくれず、相手の価値観に沿ったいろんな事例を出して話してきました。そのうち 私は自分に無力感を感じ、その提案の話をひっこめた。このような提案方針をコーチングと 呼ぶが、コーチングは、相手が望むものを加速してあげることには有効であるけれど、相手 が望んでいないものを受け取らせることは難しいと理解した。もし、今後コーチングの方法 をとるならば、まず自分が無になって、相手のいうことをしっかり聴き、相手の価値観を感 じ取り、相手を受け入れることを大切にしたい。それがなしでは、相手にも自分から伝える ことは出来ないと学んだ。

また、グループワークにおいて、司会や板書を積極的に勤めた。司会をするときに意識した ことは、一人ひとりの意見を聞くこと。人はみなそれぞれで、積極的に話せる人と、話す きっかけがあれば話す人、話すのが苦手な人、様々に存在する。こんなとき、相手の表情を 見ながら、その人への聞きたいことを投げかけた。あまり意見を言わない人が発言したと き、お互いの意思疎通(考えの基盤を知ること)ができ、グループワークにまとまりが生ま れた体験をした。グループワークはみんなが参加することに意義があると学んだ。司会者は 自分の意見をしっかりと相手に出し、グループをまとめる、リーダー的存在であるかと思っ ていたら、実際はそうでなく上でも述べたように、メンバー1人1人の話を聴くことが1番 の役割だと理解した。みんなグループワーク自体が最初だったので、戸惑うことは沢山あっ たが、一緒にステップアップできた。その中でも、情報デザインで学んだことを生かしみん なをリードできたことは良い経験だったと感じる。

バス・市電の提案・・・新しい乗り物の提案時と同様に、グループワークにおいて司会や板 書を積極的に勤めた。司会のときは前回のグループワークでの反省を元に、1人1人の意見 を聞き、考えている本質を見つけ出してあけることも出来た。板書のときは、みんなが読み やすいように、大きな文字で美しく書いたり絵を描いたり、写真やイラストを貼ったり、そ のグループワーク(話し合い)で大事なことが分かるようにホワイトボードマーカーの色を 変えながら書くことができた。さらに、板書をとりながら気づいたことがある。それは、自 分の思考も同時に整理していたことだ。積極的に板書をしていた要因は、ここにもあったの かもしれない。

また、ものづくりのプロセスについて理解する人は増えたが、ストーリーの作成については まだ過半数以上の人が快調にすすめることとが出来なかった。そのため、グループワーク中 も意見が出ないことが多く、何度も同じ事を繰り返してしまった。しかし、奪回策として私 がブレインストーミングをしてみるように提案し、やってみるとみんなの思いや考えが沢山 出てきた。張り詰めた空気も緩和され、楽しくグループワークした。後も、出た意見の分 類、問題を抽出・分析、考察における各段階をスムーズに乗り切ることが出来た。しかし提 案自体についてブレインストーミングの意見のみを用いたため、客観的視点、根拠や重要性 がなかった。さらに、函館らしさと斬新さもかけていた。

ポスター製作・・・話し手にとっても聞き手にとっても、視覚的なメディアが情報伝達の大 きな助けになる。人は、多くの部分で視覚に頼る。言葉でいくら説明されるよりも、写真や グラフ、模式図を見るほうがよっぽどわかりやすい。口から発する言葉だけでなく、言葉を 視覚化することは理解の助けになる。また、当然のことながら、研究という分野では、デー タ(研究結果)を見て議論することは必要不可欠だ。このようなことから、研究発表におい て、よりわかりやすく、そして正確に情報を伝えるために、視覚的なメディアは欠かすこと

ドキュメント内 Date of Submission January 16, (ページ 139-143)