3. アジア・中東地域における市場進出状況
3.2. 国別市場動向と展開戦略(アジア)
3.2.13. ミャンマー
133
134
② 戦略:販売ラインナップの拡大、政府との連携、社会貢献活動等(サノフィ)
最近では、特にサノフィがミャンマー市場開拓に注力しており、投入する医薬品のラインナ ップを増やすほか、妊婦の健康向上を目指す活動に着手することで、経済成長が見込まれるミ ャンマーの医薬品市場で存在感を高めることを目指している182。
図表 3-58 ミャンマーにおけるサノフィの取組み
分野 取組み概要
医薬品販売の拡大 ・現在販売している心循環系や一般消費者向けの医薬品8種類に加え、今後は 糖尿病や高血圧向けの製品も販売。
・並行して、販売地域の拡大も推進。
ワクチン事業の拡大 ・現在のラインナップは狂犬病やB型肝炎用など22種類だが、デング熱向けも 新たに加える方針。
・デング熱向けワクチンの商品化に向けては、ミャンマー政府と連携して臨床 試験を実施。
認知度向上 ・貧困などの影響で5歳以下の乳幼児の死亡率が高い東部カレン州と、最大都 市ヤンゴン南部のダラ郡区において、3年間にわたって妊婦の健康向上を目 指す活動を開始。
・研修を行って助産婦の技能を高めるとともに、助産婦ネットワークを構築。
(出典)NNA Asia 2013年12月9日付記事より、みずほ情報総研㈱作成。
182 NNA Asia 2013年12月9日付記事
135
(2) 医療機器市場
① 全体概要
ミャンマーでは、今後の経済成長に伴い、医療関連市場の急速な拡大が予測されており、医 療関連支出は2013年の1億4,000万米ドル(約165億円)から2020年には4億8,000万米ドルに増 加すると試算されている。特に、心血管疾患、糖尿病、腫瘍関係の商品が特に高い伸びを示す ことが予想されている183。
医療機器については、市場の98%を海外製品が占めているといわれており、ミャンマー製薬・
医療機器企業協会(MPMEEA)のウィン・シトゥ会長によると米国、欧州、日本から主に輸 入されているという184。
また、流通に関しては、現地販売代理店を通じて販売する方法が一般的であり、1995年に初 めて輸入医療機器の販売代理店が開設されてから、2013年までの18年間で販売代理店数は46社 にまで増えている。欧米医療機器メーカーもこの方法をとっており、GE(SEA LION社)、シ ーメンス(MEDITECH社)、フィリップス(SNOW EVELEST社)でそれぞれ別の代理店と契 約を結んでいる。また、近年では、医療機器販売市場の拡大に伴って、メンテナンスを行うエ ンジニア等の争奪戦が起きており、サポート体制の品質維持が難しくなってきている185。
② 戦略:現地ステークホルダーとのパートナーシップ形成
GEヘルスケアは、私立保健機関、大学、研究所、保健省、教育相とパートナーシップを形成 している。GEヘルスケアは、終日のセミナーをヤンゴンで開催しており、保健省、私立病院、
在ミャンマーアメリカ大使館、国連現地駐在員事務所、NGO等からの100名以上のステークホ ルダーが参加している186。
③ 戦略:人材育成支援
GEヘルスケアをはじめとする欧米の大手医療機器メーカーでは、総合病院を中心としたミャ ンマーの医療機関に対して、本国の大学と連携して講師を派遣し本国での研究に医師を招待す るといった、人材育成サービスを伴った製品の販売を行っている。製品の販売台数が十分でな い中、必ずしも採算性を伴わないが、投資的な視点からの取組みとして行われている187。
183 NNA Asia 2015年1月20日付記事
184 NNA Asia 2015年1月28日付記事
185 明治大学国際総合研究所、ドゥリサーチ研究所(2013)「平成25年度 新興国マクロヘルスデータ 規制・制度に関する調査」
186 http://www3.gehealthcare.com.sg/en-gb/about_us/about_us_-_myanmar
187 ミャンマー連邦共和国(ミャンマー)における血液業務の実態調査/テルモ株式会社
136