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シンガポール

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3. アジア・中東地域における市場進出状況

3.2. 国別市場動向と展開戦略(アジア)

3.2.4. シンガポール

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本調査対象企業 シンガポール拠点の位置づけ

ノバルティス ・強力な生物医学産業拠点、知識、専門職の人材といった要素がそろ っている上、近隣にアジアの成長市場が存在することから、シンガ ポールを戦略的な供給ポイントとして選択111。ノバルティスをはじ めとして傘下のチバビジョン、アルコンもシンガポールに生産工場 を有している。

メルク ・元々シンガポールに生産工場を有していたことに加え、2009年に買 収したシェリングプラウも工場を持っていたことから、シンガポー ルをアジアへの製品供給のハブとする立場を強化112

③ 戦略:公的機関との協力体制構築

また、シンガポールでは、西部のトゥアスに、薬物をはじめ、生物医薬品、栄養剤製造など に関係する企業のための工業団地「バイオ・メディカル・パーク」を立ち上げてグローバル企 業の誘致に勤めるなど、国の政策として医薬品企業を支援する傾向が強く、政府をはじめとす る公的機関との協力体制をつくって活動する動きもみられる。

図表 3-21 本調査対象企業のシンガポールの公的機関との連携

本調査対象企業 連携内容

GSK ・EDBとの間で「環境に優しい持続可能な製造のためのGSK・シンガ ポール・パートナーシップ(GSM:GSK-Singapore Partnership for Green and Sustainable Manufacturing)」を締結(2010年)。GSM は、グローバル医薬品産業が持続可能性の向上とグローバル事業の 最適化の必要性に取り組む中、革新的なソリューションの開発を目 指している。2011年には、GSMプロジェクトの第2弾として、14人 の主任研究員に約800万シンガポールドルの研究費を拠出。

ノバルティス ・シンガポール政府とのパートナーシップにより「ノバルティス熱帯 病研究所(NITD)」を設置。アジアで蔓延している病気の治療法発 見の最前線に立っていて、マラリア病原体を排除できる分子の研究 において突破口を開いた。同施設の研究者は、医学研究拠点バイオ ポリスに属している他の医学研究者らと、見解についてすぐに議論 したり、共有することも可能となっている。

ロシュ ・シンガポールの科学・医療機関と提携し、基礎研究で得られた成果 を実際の患者治療に応用するトランスレーショナル・リサーチの施 設を設立(2010年)。

(出典)シンガポール経済開発庁各種資料より作成。

111http://www.realstaffing.com/jp/43-group-marketing/news-events/news/pharma-biotech/1662-nov artis-biotech-facility-in-singapore-to-be-up-and-running-by-2016

112 化学工業日報「医薬品新興国市場開拓連載1 欧米先行遅れる日本」(2011年4月1日付記事)

http://www.kagakukogyonippo.com/headline/2011/04/01-1057.html

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(2) 医療機器市場

① 全体概要

シンガポールの医療機器市場規模は、2013年時点で、約4.65億ドルとなっている。また、2014 年~2019年までの成長率は、14.28%と予測されており、2019年には、約10.3億ドル程度に成 長するものと見込まれている。医療機器輸出入の国内消費分品目別内訳としては、整形外科用 機器、人工的に製作した人体の一部、補聴器などが41.4%、次いで医療用、外科用、歯科用、

獣医用機器が26%、エックス線などを使用する機器、チューブ、パネル、スクリーンなどが25.8%

となっている。

図表 3-22 シンガポールの医療機器市場規模推移

(出典)Espicomよりみずほ情報総研㈱作成

0.0 200.0 400.0 600.0 800.0 1000.0 1200.0

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図表 3-23 医療機器輸出入の国内消費分品目別内訳(2009 年)

9018 医療用、外科用、歯科用、獣医用機器

9019 機械療法用、マッサージ用又は心理学的適性検査用の機器及びオゾン吸入器等

9020 その他の呼吸用機器及びガスマスク

9021 整形外科用機器、人工的に製作した人体の一部、補聴器など

9022 エックス線などを使用する機器、チューブ、パネル、スクリーンなど

(出典)JETRO「シンガポールにおける医療機器法規制とシステム」

② 戦略:ASEAN展開の中核的拠点

シンガポールにおける医療機器メーカーの戦略としては、税や各種法規制・優遇等の関係も あり、医薬品メーカーと同様に、シンガポールにASEAN展開のハブ・中核的拠点としての現地 法人、研究開発機能、製造機能を配置するケースが多い。

③ 戦略:薬事規制対策への活用

2015年にハーモナイゼーションを完了させる予定とされているAMDD(ASEAN Medical Device Directive)は、基本的に、シンガポールの現行制度に近いものへと収斂されていくこと が見込まれている。また、シンガポールでは、GHTF創設5カ国で承認されている場合の医療機 器登録の手続が簡易手続となるため、承認までの各種コストが比較的小さい(マレーシアも同 様)。さらに、現在は、シンガポール、インドネシア、マレーシアでのみ、ASEAN統一書式

(ASEAN-CSDT)が使用されている。各メーカーはシンガポールをASEAN進出の橋頭堡に選 択している理由として、このような薬事規制上のインセンティブも寄与している可能性が高い。

以下に、参考としてシンガポールに進出している外資の医療機器メーカーを示す。

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図表 3-24 シンガポール進出外資企業一覧

企業名 概要

3M Healthcare2 009年に薬物送達システムの研究開発施設を開設。マイクロファイバーマ

スクなどの生産ラインを2010年から2011年にかけて導入する予定。

Agilent 除細動器(defibrillator : 心臓発作の際心臓を再生させるための医療機

器)と超音波イメージ機器の工場を稼動。

バクスター 透析用機器、電子注入ポンプなど多種類の医療機器をシンガポールで製 造。

Becton Dickinson 1999年にアジア太平洋R&Dセンター 開設。予防接種用使い捨て注射器

のUnijet および製脈用カテーテル(道尿子)Intimaを開発。

bioMérieux フランスのインビトロ診断機器、ソフトウェアなどのメーカー。2008年

5月にシンガポールに現地法人を設立。韓国、オセアニア、東南アジア の事業を統括する。

Bio-Rad Laboratories 医療用診断薬・分析機器のメーカー、本社米国。2007年4月に工場を開

設した。ラボ用機器を生産する。

Edwards Lifesciences 米国の心血管治療機器メーカー。2005年にシンガポールに進出。2008年5 月に組織心臓バルブ(tissue heart-valve)の工場を開設した。同社が最初にシ ンガポールに進出したのは2005年で、組織心臓バルブに使われるワイヤ ーフォームステントを製造していた。

Hill-Rom ベッド、ストレッチャーなど病院用家具のメーカー。本社米国。2008年

8月にシンガポールに研究開発センターを開設。(会社設立は2007年

ACRA)。2010年には研究センターの拡張を発表。呼吸器ケア製品、医療・

手術用機器、医療用ベッドのなどの製品開発に必要なマイクロエレクト ロニクス、組み込みソフトウェア、エレクトロメカニカルシステムの研 究開発を行う。

LMA International オランダに本社をおく、手術の最中に患者の気道をサポートする非刺激、

非侵襲の喉頭部マスク(laryngeal masks for non-invasive and non-stimulating airway support for patients during surgery)の大手メーカー。2005年にシン ガポールに国際統括本部を設立。シンガポールに研究開発センターも同 時に設立した。子会社を通じて、2000年にシンガポールで設立された麻 酔関連の医療機器の受託製造会社、Forefront Medical Tecnology の間接 的な大株主でもある。

メドトロニック 米国の医療機器メーカー。2009年10月に地域統括本部を設立、さらに8000 万Sドルを投じて、心臓病患者用のペースメーカーを生産する工場を設立 することを2009年に発表した。工場は2011年に稼動予定。

ResMed 人工呼吸器用マスクなど各種マスクのメーカー。本社オーストラリア。

2009年に5月に睡眠無呼吸症患者用のマスクとフロージェネレータの生 産工場をシンガポールに開設。

Siemens Medical Instruments

2000年7月に最新技術を導入した補聴器工場を開設。

Welch Allyn 目、耳、鼻、喉用治療機器、聴診器、検温器など各種医療機器のメーカ

ー。シンガポールにR&Dセンターを開設し、アジアと新興国向けの次世 代デジタル医療機器開発を行うことを2010年に発表した。

West Pharmaceuticals 注射器、点滴などの医療機器メーカー。本社米国。シンガポールの工場

ではストッパー、シール、パッケージ用コンポーネントを生産している。

2007年に4500万Sドルを投じて生産拡張することを発表。2010年中に完成 の予定。

(出典)JETRO「シンガポールにおける医療機器法規制とシステム」

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