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バーレーン

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3. アジア・中東地域における市場進出状況

3.3. 国別市場動向と展開戦略(中東)

3.3.6. バーレーン

(1) 医薬品市場

① 全体概要

バーレーンでも医薬品の約8割は輸入であり、他の中東諸国と同様に、輸入依存度が高く、後 発医薬品よりも輸入ブランド医薬品が好まれる傾向がある。輸入先も、中東地域の一般的な傾 向である欧米シェアの高さが示されおり、米国(16%)、ドイツ(12%)、イギリス(10%)、フ ランス(9%)、スイス(8%)の順に大きな割合を占めている。本調査の対象企業は、メルクの み現地法人を有しており、ノバルティスとサノフィの2社が支店、ロシュ、アストラゼネカ、イ ーライリリー、アッヴィの4社が販売代理店を通して進出している。

図表 3-83 医薬品輸入先の割合(2011)

(出典)UN Comtradeよりみずほ情報総研㈱作成

② 戦略:中東の玄関口としての位置づけ

バーレーンは、アラビア湾地域におけるビジネス・金融の中心地であり、タックスヘイブン としても魅力が高く、医薬品業界に限らず、周辺のサウジアラビア、クウェート、カタールと いった巨大経済圏へのアクセスが容易な中東の玄関口と捉えられている。

③ 戦略:バーレーンでの製造と中東・欧米への輸出

バーレーンでも、周辺諸国と同様に糖尿病をはじめとする生活習慣病患者が多い。糖尿病治 療薬に強みを持つメルクは、下表の通り、現地企業とも連携しながら、バーレーンで製造した 製品を国内のみならず他の中東諸国、さらには欧米へ輸出する動きを見せている。

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図表 3-84 バーレーンにおける進出状況

企業名 概要

メルク ・現地企業との共同投資で、16,000㎡規模の医薬品製造工場を建設(2016年稼 動予定)。

・同工場では、欧米の医薬品企業と先行販売契約を結んで輸出することを目指 しており、その一環として、バーレーン及び湾岸諸国の基準のみならず、米 国のFDAや欧州のEMAの基準を満たす吸入インスリン製剤の製造に着手し ている。

(出典)Oxford Business Group “Bahrain's pharmaceuticals industry takes new strides”

(http://www.oxfordbusinessgroup.com/analysis/fledgling-pharma-young-pharmaceuticals-industry-takes-new-strides)

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(2) 医療機器市場

① 全体概要

バーレーンでは、同じ湾岸国家のカタールと同じく、医療機器の全量を輸入に依存しており、

輸入額の規模で市場規模がわかる241。国連の商品貿易データベース(UN Comtrade)をもとに した医療機器の主要品目の輸入統計では、医療機器の輸入額は2011年で約57百万ドルである。

2009年の原油価格大幅下落の影響で、08年から09年にかけて輸入額が急減したが、その後の経 緯は順調で、11年の輸入額は前年比90%増という急回復を見せている。2005年と比べると11年 の輸入額は3.20倍であり、中長期的な成長余力は大きいと見られる。

図表 3-85 バーレーンにおける主な医療機器の輸入額の推移

(出典)UN Comtradeよりみずほ情報総研㈱作成。統計の最新年が2011年である

バーレーンの主な医療機器の輸入額を輸入元別に見ると、2011年では上位10カ国で8割以上 を占めている。国別では米国が34%、ドイツが21%を占め、この2カ国で全体の5割を超えてい る。なお、「バーレーンの医療機器市場(日本貿易振興機構ドバイ事務所 2011年3月)」によれ ば、同国の病院で評価の高いブランドとして、米ゼネラルエレクトリック(GE)、蘭フィリッ プス、米アトリウム・メディカル、独シーメンス、東芝などの名前が挙げられている。

241 日本貿易振興機構ドバイ事務所(2011年3月)「バーレーンの医療機器市場」

主な医療機器の輸入額の推移

17,892

36,188

22,188

30,207

57,261

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000

2005年 2008年 2009年 2010年 2011年

(千ドル)

9402 医療用又は獣医用の備付品 9022 放射線を使用する機器等 9019 酸素吸入器、人工呼吸器など 9018 医療用又は獣医用の機器

9012 顕微鏡(光学顕微鏡を除く)及び回折機器 HSコード 下記合計

主な医療機器の輸入額の推移 (単位:千ドル)

HSコード 品目 2005年 2008年 2009年 2010年 2011年 11年/05年

下記合計 17,892 36,188 22,188 30,207 57,261 3.20

9012 顕微鏡(光学顕微鏡を除く)及び回折機器 18 203 10 182 69 3.83 9018 医療用又は獣医用の機器 14,112 27,270 15,244 22,810 34,234 2.43 9019 酸素吸入器、人工呼吸器など 440 1,134 974 1,776 3,484 7.91 9022 放射線を使用する機器等 2,312 4,979 3,901 2,433 10,159 4.39 9402 医療用又は獣医用の備付品 1,010 2,603 2,059 3,006 9,315 9.22

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また、シーメンスは、中東における輸出用製造拠点として作られたBahrain International Investment Park (BIIP) に入居している242

図表 3-86 バーレーンにおける国別の医療機器輸入額(2011年)

(出典)UN Comtradeよりみずほ情報総研㈱作成。

バーレーンでは、メディカル・ツーリズムの拠点づくりも目指した最新鋭の病院建設プロジ ェクトが計画されており、高度医療機器をはじめあらゆる医療機器への需要が見込まれている。

また地域の医療センター網を拡充させるため医療センターの数も増えることから、多様な医療 機器・用品で市場が大きく伸びることも予想されている。さらに、ライフスタイルの変化で肥 満や糖尿病、心疾患、高血圧などの疾病が増えており、こうした疾病に関連する機器や用品へ の需要も今後高まると見られる243

近年の主要な医療プロジェクト計画としては、以下が挙げられる。

・バーレーン医療オアシス(Bahrain Health Oasis)・プロジェクト244

2009年に始動したプロジェクトで、すでに建設を開始していたキング・ハマド総合病院

(KHGH: King Hamad General Hospital-2010年完工)、オアシス私立病院(Oasis Private Hospital)のほか、専門治療センターや医療イノベーション&インキュベーション・セン ター、ヘルスケア関連企業向けのオフィス棟、リゾート施設、ホテル、店舗・飲食店、住 居、スポーツ施設などからなる一大プロジェクト。

242http://archive.expresspharmaonline.com/sections/cover-story/3256-bahrain-beckons-indian-phar ma

243 日本貿易振興機構ドバイ事務所(2011年3月)「バーレーンの医療機器市場」

244 http://www.arabianbusiness.com/property/article/556412-1bn-bahrain-health-oasis-project-launched 国別の医療機器輸入額(2011年)

9012 9018 9019 9022 9402 合計

顕微鏡(光学 顕微鏡を除 く)及び回折 機器

医療用又は獣 医用の機器

酸素吸入器、

人工呼吸器な

放射線を使用 する機器等

医療用又は獣 医用の備付品

USA 19,481 0 12,247 382 3,666 3,186 Germany 12,153 0 5,386 1,117 3,628 2,021 United Kingdom 4,147 4 2,389 563 180 1,012 China 3,619 1 1,143 517 790 1,168 Netherlands 2,505 0 2,154 1 301 50 France 2,221 2 1,302 161 636 120 Japan 1,841 0 1,748 9 29 56 Italy 1,621 0 603 90 566 362 Mexico 1,277 0 1,122 7 0 148 Dem. People's Rep. of Korea954 0 864 26 0 64 上位10国計 49,819 7 28,956 2,872 9,796 8,188 同シェア(%) 87.0 9.5 84.6 82.4 96.4 87.9 米独シェア(%) 55.2 0.0 51.5 43.0 71.8 55.9 日本のシェア(%) 3.2 0.0 5.1 0.3 0.3 0.6 全体合計 57,261 69 34,234 3,484 10,159 9,315

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・医療シティの建設計画245

2010年4月、サウジアラビアのアブドラ国王のバーレーン訪問時に発表されたもので、サ ウジアラビアが約2億6,700万ドルを提供し、バーレーンに「キング・アブドラ・ビン・ア ブドラジズ医療シティ」を建設することが決まった。医療シティはバーレーンにあるアラ ブ・ガルフ大学と提携する予定。

・医療センターの建設計画246

バーレーン北部のNuwaidratに2010年5月、Nuwaidrat医療センターが開設されたが、4カ 所(Karanah、Halat Bu maher、Hidd、Isa Town)の医療センターの建設も予定されて いる

② 戦略:バーレーン国籍者からの出資確保と代理店の活用

他の中東諸国と同様に、バーレーン国内での販売活動は原則自国企業に制限されており、輸 出入や販売に携わる企業は、バーレーン国籍者が51%以上を出資している必要がある。

また、現地での行政との手続きを円滑に進め販売を拡大するには代理店の活用が有効であり、

特に政府の公共調達においては、入札価格の設定や情報収集などの局面で代理店の助言が役立 つ。民間病院も、代理店や流通業者を経由して医療関連品を購入しているため、顧客との強固 なパイプを持つ代理店を見つけて取引関係を構築することが重要とされている247

245 http://www.arabianbusiness.com/saudi-king-build-bahrain--266m-medical-city-157097.html

246 http://www.tradearabia.com/news/HEAL_179555.html

247 日本貿易振興機構ドバイ事務所(2011年3月)「バーレーンの医療機器市場」

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