• 検索結果がありません。

サウジアラビア

ドキュメント内 ●● 様 (ページ 158-163)

3. アジア・中東地域における市場進出状況

3.3. 国別市場動向と展開戦略(中東)

3.3.4. サウジアラビア

154

155

ルク、アッヴィといったグローバルメーカーも含まれている。最近では、現地メーカーの生産 力も活用しながら、サウジアラビアで医薬品製造をはじめる動きも増えている。なお、2014年

1月時点で、国内には現地企業・外資企業含めて13の医薬品製造施設が設立されている224

図表 3-73 サウジアラビアにおける特徴的な取組み

企業名 概要

ファイザー ・現地メーカーのTabuk Pharmaceuticals社が心臓血管など4種のファイザー 製品を国内で販売し、一方で同社の12種のジェネリック薬品をファイザーが 国内で取り扱う権利を獲得するという覚書を締結(2014年)。

・その他、アブダッラー国王経済都市(KAEC)に製薬工場を建設することで Emaar社と合意済み(2011年)。

サノフィ ・アブダッラー国王産業都市(KAEC)に、年間2千万パックの高機能医薬品 を生産可能な100%外資で新工場を設立(2014年)。

・それまでの5年間にも、慢性疾患領域を中心に、現地で数多くのパートナー シップを結び、投資や出資を増加させてきていた。

・「ローカルニーズを満たすためには、現地の技術者や管理者を教育して現地 生産することが最適な方法」という考えを示している。

J&J ・J&Jのグループ企業であるヤンセン社が現地の大手医薬品メーカーRiyadh

Pharmaと5年間のパートナーシップ協定を締結(2015年)。ヤンセン社の製 品のいくつかの製造・販売をRiyadh Pharmaの工場と連携して行う。

・他にも、ヤンセン社はここ数年でAl Haya, Tamr, Al Gossaibi, SPIMACOと いった現地ヘルスケア企業と戦略的パートナーシップを結んでいる。

(出典)Arab News等のニュースサイト及び各社資料よりみずほ情報総研㈱作成。

9月9日付記事)

224 Arab News “Saudi pharmaceutical industry to grow 10 percent in 2014”(2014年1月7日付記事)

156

(2) 医療機器市場

① 全体概要

サウジアラビアは湾岸地域において医療サービスや医療機器・用品の最大の市場を構成して おり、推計すると2009年の市場規模は合わせて約13億ドルに上るとされている。2000年代後半 は原油価格の上昇に伴って医療機器市場も順調に拡大し、2006年から段階的に導入された健康 保険の義務化も医療機器市場を押し上げる役割を果たしている225

サウジアラビアにおける医療機器の最大の購入者は同国保健省で、医療総支出の割合から推 定すると市場の約65%を占め、内務省管轄の医療機関など公的機関を全て合わせると約77%に 達している。病院用品など基本的な製品を除けば国内生産はほとんどなく、輸入に大きく依存 しており、輸入の割合は全体の95%を超えると考えられている226

国連の商品貿易データベース(UN Comtrade)をもとにした医療機器の主要品目の輸入統計 では、2013年の主要機器の輸入額は約1,374百万ドルで、前年に比べて12%増、2005年と比べ るて2.95倍と、急速な成長を続けている。

図表 3-74 サウジアラビアにおける主な医療機器の輸入額の推移

(出典)UN Comtradeよりみずほ情報総研㈱作成。

225 日本貿易振興機構リヤド事務所(2011年3月)「サウジアラビアの医療機器市場」

226 日本貿易振興機構リヤド事務所(2011年3月)「サウジアラビアの医療機器市場」

主な医療機器の輸入額の推移

465,663

846,046

998,744

1,229,083

1,373,826

0 200,000 400,000 600,000 800,000 1,000,000 1,200,000 1,400,000 1,600,000

2005年 2010年 2011年 2012年 2013年

(千ドル)

9402 医療用又は獣医用の備付品 9022 放射線を使用する機器等 9019 酸素吸入器、人工呼吸器など 9018 医療用又は獣医用の機器

9012 顕微鏡(光学顕微鏡を除く)及び回折機器 HSコード 下記合計

主な医療機器の輸入額の推移 (単位:千ドル)

HSコード 品目 2005年 2010年 2011年 2012年 2013年 13年/05年

下記合計 465,663 846,046 998,744 1,229,083 1,373,826 2.95 9012 顕微鏡(光学顕微鏡を除く)及び回折機器 1,383 7,170 3,733 6,605 7,223 5.22 9018 医療用又は獣医用の機器 312,027 560,740 707,897 833,898 973,896 3.12 9019 酸素吸入器、人工呼吸器など 16,616 33,214 45,392 63,036 69,440 4.18 9022 放射線を使用する機器等 92,659 162,482 153,592 197,578 196,743 2.12 9402 医療用又は獣医用の備付品 42,977 82,440 88,130 127,966 126,524 2.94

157

サウジアラビアの主な医療機器の輸入額を輸入元別に見ると、2013年では上位10カ国で8割 以上を占めている。国別では米国が36%、ドイツが18%を占め、この2カ国で全体の5割を上回 る。特に、MRIやCTは、GEやシーメンス(特にシーメンス)のプレゼンスが大きいといわれ ている227

図表 3-75 サウジアラビアにおける国別の医療機器輸入額(2011年)

(出典)UN Comtradeよりみずほ情報総研㈱作成。

今後、サウジアラビアでは、人口拡大と中間層の増大、高齢化の進展とそれに伴う疾患の増 加、生活習慣病の増加、医療需要拡大に伴うインフラ拡充といった背景から、2015年までに医 療機器・用品の市場の成長率は年平均で10%には届かないものの7%以上は確実視されている。

特に医療インフラについては、2020年までに2011年時点の病院数400弱カ所から500カ所以上 に、病床数は焼く5万4,000床をほぼ倍増させる必要があるとされている。中東ではサウジアラ ビアを筆頭に今後も医療サービスの需要は急速に拡大すると見込まれ、大型の病院建設プロジ ェクトも必要になるとされる228

② 戦略:政府・医療機関等との関係構築によるビジネス体制の盤石化

欧米企業は、GCC諸国の医療近代化の取組みに積極的に参画してきたことで、そのビジネス 体制を確固たるものとしている。また、同国でも特にプレゼンスが強いとされるシーメンスは、

病院建設プロジェクトに初期から関わることで、同社製品を納入しやすくする環境を作り出し

227 野村総合研究所(2012)「平成22年度医療サービス国際化推進事業報告書(アウトバウンド編)」

228 日本貿易振興機構リヤド事務所(2011年3月)「サウジアラビアの医療機器市場」

国別の医療機器輸入額(2013年)

9012 9018 9019 9022 9402 合計

顕微鏡(光学 顕微鏡を除 く)及び回折 機器

医療用又は獣 医用の機器

酸素吸入器、

人工呼吸器な

放射線を使用 する機器等

医療用又は獣 医用の備付品

USA 487,095 1,744 347,057 18,390 73,594 46,311 Germany 239,906 1,327 169,480 8,488 45,322 15,290 China 93,540 0 51,908 14,488 11,577 15,567 Mexico 68,770 0 58,734 2,340 327 7,370 Japan 66,858 384 48,023 984 15,585 1,881 France 48,615 0 25,127 1,236 8,721 13,531 United Kingdom 43,777 126 34,236 1,938 3,579 3,897 Italy 41,371 0 29,133 637 4,090 7,512 Switzerland 36,379 0 29,158 3,230 3,880 111 Ireland 28,584 0 24,407 4,093 0 84 上位10国計 1,154,897 3,581 817,264 55,823 166,676 111,553 同シェア(%) 84.1 49.6 83.9 80.4 84.7 88.2 米独シェア(%) 52.9 42.5 53.0 38.7 60.4 48.7 日本のシェア(%) 4.9 5.3 4.9 1.4 7.9 1.5 全体合計 1,373,826 7,223 973,896 69,440 196,743 126,524

158

ていると見られている229。上述の通り、今後、サウジアラビアでは大型の病院建設プロジェク トも必要となることが見込まれており、こうしたプロジェクトの早期から関与できるよう政府 や医療機関との関係構築に努めることは重要なポイントといえる。

図表 3-76 サウジアラビアにおける特徴的な取組み

企業名 概要

GE ・1938年からサウジアラビアでビジネスを開始。医療分野では1万種類以上の 医療技術をサウジアラビアの90%近くの病院に供給した実績を持つ。

・サウジアラビア保健省の要請により、1,300人以上の技術者に対し研修を実 施(2010年)。

フィリップス ・サウジアラビアの医学訓練専門学校と人材育成に関わる協力を発表(2008 年)。

シーメンス ・サウジアラビアで75年以上のビジネスの実績を持ち、同国を代表する国営石 油会社、サウジアラムコと戦略的調達契約に署名(2011年)。

・キング・ファイサル特別病院および研究センターのプロジェクトに参画、放 射線科の機器の入れ替えやシステム改修の実績を持つ。

・サウジアラビア社会保険庁に、病院の建設・運営等全体のコンサルテーショ ンを実施し、病院を設立する草創期から関与することで、当該病院に多くの 自社製品を納入。

(出典)日本貿易振興機構(2013)「世界の医療機器市場」、野村総合研究所(2012)「平成22年度医 療サービス国際化推進事業報告書(アウトバウンド編)」よりみずほ情報総研㈱作成

229 野村総合研究所(2012)「平成22年度医療サービス国際化推進事業報告書(アウトバウンド編)」

159

ドキュメント内 ●● 様 (ページ 158-163)