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インド

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3. アジア・中東地域における市場進出状況

3.2. 国別市場動向と展開戦略(アジア)

3.2.1. インド

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② 戦略:後発医薬品分野における現地企業との業務提携、M&A

海外の大手医薬品メーカーは、急成長するインドの後発薬市場に直接アクセスしようと、買 収候補としてインド企業に注目してきた。生産コストが低く、熟練した科学的人材の宝庫であ ることが、インド企業の買収を魅力的にしている86。近年では、海外の大手医薬品メーカーに よるM&Aやインド企業と海外企業間での大規模な業務提携(販売提携や研究開発)が目立って いる。特に、後発医薬品事業への参入手法としては、現地企業の買収・業務提携が主流となっ ている87。また、最近では、2012年にメルク社がインドの後発薬大手ドクター・レディーズ・

ラボラトリーズ社とバイオ医薬品の共同開発に関する業務提携し、バイオ・シミラーの欧州認 可取得に向けた臨床試験を行っている88

図表 3-6 本調査対象企業と現地企業との業務提携 本調査対象企業 業務提携先の現地企業・提携内容

サノフィ ・Shantha Biotechicsを買収(2009年)

・同社が開発・製造・販売に加わった小児用5種混合ワクチン「シャン 5」を発売し、WHOの事前承認を得て、インド国内だけでなく新興 国50カ国以上へ供給予定。

GSK ・後発薬大手ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ社からの後発医 薬品供給契約を締結(2009年)

ファイザー ・既に業務提携契約を締結済みの後発品製薬企業Aurobindo Pharma 社との契約内容を拡充(2009年)

・上記に加え、新たにClaris Lifesciences社と契約を締結

メルク ・後発薬大手ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ社とバイオ医薬 品の共同開発に関する業務提携契約を締結(2012年)

⇒バイオ・シミラー分野の強化

(出典)三井物産戦略研究所(2014)「後発薬大国インドの特殊知財事情」及び各種ニュースサイト等 よりみずほ情報総研㈱作成

③ 戦略:薬価の柔軟な設定

インドでは、所得に応じた薬価設定が行われているケースがある。

図表 3-7 薬価設定の例

本調査対象企業 概要

イーライリリー ・骨粗しょう症薬「フォルテオ」について、患者の所得で支払える金 額に応じて値引きを行う特別の薬価設定スキームを開始。

・医師が処方後、外部の独立機関が患者の所得状況等の個人情報を集 め、それに応じて値引きレベルを設定。

・このスキームによって使用量が増え売上拡大につながれば、他の医 薬品にも適用していく考え。

(出典)イーライリリーIR情報等よりみずほ情報総研㈱作成

86 http://jp.wsj.com/public/page/0_0_WJPP_7000-63669.html

87 株式会社ユーディーアール「インド製薬市場2014」ブロシェ(2013.11公表)

88 三井物産戦略研究所(2014)「後発薬大国インドの特殊知財事情」

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(2) 医療機器市場

① 全体概要

インド市場における医療機器、画像診断システム等の市場規模は急拡大している。2008年時 点でインドの医療機器市場は27億ドル規模と試算され、アジアで4番目に大きな市場となった。

また、India Brand Equity Foundation(IBEF)89が2007年に引用したErnst & Youngの調査 レポートによると、インド医療機器市場は、2006年の21.6億ドルから年平均15%で伸びを高め 2009年までに32億ドルとなり、2012年までに45億ドルになると予想された。35%が国産品で、

残りの75%が輸入品である90

2010年時点で、インド国内の医療機器製造能力は極めて限定的で、数社を除くと国内生産業 者が不在であり、Wipro GEヘルスケアを傘下に持つGEヘルスケア、シーメンス・ヘルスケア、

フィリップス・ヘルスケア等の一部のグローバルメーカーがインド市場をほぼ独占している状 況であったとされている91。本調査の対象企業については、カーディナル・ヘルス社を除いて 全ての企業が現地法人を設立している。

図表 3-8 インドにおける医療機器市場(全体)

(出典)株式会社アイ・ビー・ティ(平成24年2月)「新興国(特にインド)における医療機器システ ムの展開可能性及び海外主要医療機器メーカーの海外展開戦略の調査」よりみずほ情報総研

㈱作成

89 http://www.ibef.org/

90 株式会社アイ・ビー・ティ(平成24年2月)「新興国(特にインド)における医療機器システムの展 開可能性及び海外主要医療機器メーカーの海外展開戦略の調査」

91 株式会社アイ・ビー・ティ(平成24年2月)「新興国(特にインド)における医療機器システムの展 開可能性及び海外主要医療機器メーカーの海外展開戦略の調査」

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② 戦略:Reverse Innovation

インド市場においては、GEヘルスケアやシーメンスが特徴的な戦略を展開している。

GEヘルスケアによる“Reverse Innovation”は、先進国で開発されたハイエンド製品を新興 国に持ち込むのではなく、新興国において現地ニーズを踏まえた比較的ローエンドな製品を開 発し、現地におけるシェア拡大を目指すとともに、先進国向けにも低価格製品として世界展開 する手法である。

インドでの具体例としては、同社がインド市場に合うように製品の価格を抑え、大幅に設計 を簡素化し、持ち運びできるよう小型軽量化した心電計「Mac 800」を$800で販売したことが 代表的である92

GEヘルスケア以外の多くの医療機器メーカーも、インドでは需要と供給の大きなギャップや 医療価格といった問題に対して、機能を抑えることで対応を図る戦略が一般的になってきてい る93

③ 戦略:製造の現地化

インドでは費用対効果の高い製品が好まれる傾向にあるため、外資プレイヤーは、輸入関税 を避けるためにインド国内で第三者メーカーに医療機器製造を委託するケースが多い。また、

製造コストが割安であるため、インドを製造拠点としてアジア市場に商品を供給する戦略をと る企業も多い94

例えば、GEヘルスケアは、新興国市場向けの低コストの医療機器をインドで製造しており、

カルナタカ州Bangaloreの工場3拠点で、超音波診断装置、心電図や妊婦・乳児ケア製品等を含 む多様な製品を製造し、アフリカ、ヨーロッパ、ラテンアメリカやアジア等の世界各地域に輸 出・販売している。これらの製品は、既存製品より最低40%の低価格で販売され、世界の医療 機器市場の10~15%を占める投入が期待されている95

92 福田佳之(2011)「成長戦略として注目されるリバース・イノベーション戦略とは」(東レ経営研究 所『経営センサー』2011.4)

93 インド進出支援ポータル http://www.india-bizportal.com/industry/infra/p13644/

94 株式会社アイ・ビー・ティ(平成24年2月)「新興国(特にインド)における医療機器システムの展 開可能性及び海外主要医療機器メーカーの海外展開戦略の調査」

95 インド進出支援ポータル http://www.india-bizportal.com/industry/infra/p13644/

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図表 3-9 インドにおける主要メーカーの事業戦略

新興国事業戦略(インド) インドにおける事業範囲比較 GE

 インドにGE最大のR&D施設

国内開発生産で地元のニーズ、価格帯にあった製品投入

 ITを含む豊富なラインナップで囲い込み

低価格モデルを先進国へ逆投入(リバースイノベーション)

Siemens

 地場企業買収でローエンドセグメント参入

国内開発・生産でBOP市場固有ニーズに対応

 ITを含む豊富なラインナップで囲い込み

Philips  地場企業買収で低価格製品セグメント参入

買収企業のローエンド機器と同社ハイエンド機器によるラインナップ拡充

(出典)各社IR等よりみずほ情報総研㈱作成

④ 戦略:販売金融

GEヘルスケア及びシーメンスによる販売金融は、下記のとおりである。GEは、1990年頃、

医療機器市場が拡大し始める中、ファイナンスを行う金融機関が限定的であった段階から、GE Capitalによる販売金融を行っていた。また、2000年ごろには、GE Capitalが積極的に病院に ファイナンスを提供し、GE製品の販売拡大を支援していた。2010年頃には、GE Capitalは、

GE以外の製品にもファイナンスを行っている。また、シーメンス等もファイナンスの提供を行 った。

図表 3-10 インドにおける販売金融(再掲)

時代 主なプレーヤー プレーヤーの動き

1990年頃 国営銀行

GE Capital

・医療機器市場が拡大しはじめる中、ファイナンスを行う金融機関は 限定的

2000年頃 国営銀行、私立銀行

GE Capital

・銀行の金利が高い中、GE Capitalは積極的に病院にファイナンスを 提供し、GE製品の販売拡大を支援

・当時のGE Capitalのファイナンス対象はGE製品のみ

2010年頃 国営銀行、私立銀行、

ノンバンク(GESiemens

・銀行が回収のノウハウを得てきたことで積極姿勢に変化

・競争が激化したことでGE CapitalGE以外の製品にもファイナンス

現在 国営銀行、私立銀行、

ノンバンク(GESiemens、独立系)

・メーカー系以外のノンバンクも医療機器ファイナンス市場へ参入

・新たに医療機器ファイナンスを始める私立銀行も

(出典)各社IR等よりみずほ情報総研㈱作成

アフター サービス 営業 製造 販売 R&D 調達

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