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チェコ共和国

ドキュメント内 H25_trend_report (ページ 159-163)

第2章 各国(地域)の電波防護規制の状況

2.6 欧州東部

2.6.3 チェコ共和国

2.6.3 チェコ共和国

(1)電波防護規制の経緯(規制の根拠を含む)

2000年末までの高周波(60 kHz~1000 GHz)に関する電磁界規制(No. 408/1990)は、

旧COMECON圏で適用された基準を採用し、携帯電話基地局の送信機、TV放送等の周波

数ではICNIRPガイドライン(1998)に比べ200倍厳しい制限値であった。

しかし、この従来規則を廃止し ICNIRP ガイドライン準拠の規則を導入することが検討 され、政府規則(No. 480/2000)が2000年11月22日に制定され2001年1月1日から発効 した。同規則は、ICNIRP ガイドラインを全面的に採用しており、携帯電話からの電磁界 だけでなくレーザー等全ての非電離放射線を含む周波数範囲0~1.7 PHz(Peta=1015)のば く露防護規則である。

・「非電離放射線に対する健康保護に関する政府規則(No. 480/2000)」

・「非電離放射線に対する健康保護に関する政府規則(No. 1/2008)」334

・「非電離放射線に対する健康保護に関する政府規則(No. 1/2008)を修正する政府 規則(No. 106/2010)」(2010年3月29日)335

その後、政府規則(No.480/2000)は2008年に失効し、政府規則(No.1/2008)が制定さ れた(2007年12月12日承認、2008年4月30日発効)。

改定の規則(No.1/2008)は、物理的因子に関する職業ばく露のEU指令、即ち電磁界の EU指令(2004/40/EC)と光学的放射のEU指令(2006/25/EC)を導入すべく改定されたも のである。しかし、改定の規則(No.1/2008)は以前の規則(No.480/2000)と同様にICNIRP

(1998)ガイドラインの制限値が変更無く含まれており、労働者と一般公衆の電磁界ばく 露防護が規定されている。

改定の規則(No.1/2008)の内容は、さらに2010年に政府規則(No. 106/2010)により修 正されているが、ほとんどが文言の修正と光放射に関する部分の修正である。電磁界放射 に関する制限値の変更はないが、修正誘導電流密度の説明文にある関数式が訂正されてい る。

334 Government Regulation on health protection against non-ionising radiation (No. 1/2008).

http://zony.vbrne.info/1_2008sb.pdf

335 Government Regulation of 29 March 2010 amending Government Regulation (No. 1/2008 Coll.), on health protection against non-ionizing radiation. (No. 106/2010 Col.)

http://www.epravo.cz/top/zakony/sbirka-zakonu/narizeni-vlady-ze-dne-29-brezna-2010-kterym -se-meni-narizeni-vlady-c-12008-sb-o-ochrane-zdravi-pred-neionizujicim-zarenim-17728.html https://osha.europa.eu/fop/czech-republic/cs/legislation/files/106_2010.pdf

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(2)電波防護規制の内容

ICNIRP(1998)のガイドラインの制限値が2000年に政府規則(No. 480/2000)で適用さ

れて以来、政府規則(No. 1/2008)においても変更無く適用されている。

(ア)比吸収率(SAR)等の基本制限(最大許容値)

表 2-53 公衆ばく露と職業ばく露の修正誘導電流密度の最大許容値

周波数 修正の誘導電流密度Jmod (A/m2) 公衆ばく露 0 Hz~10 MHz √2×0.002(職業ばく露の20%値)

職業ばく露 300 Hz~10 MHz √2×0.01 出典:政府規則No.1/2008

上表には下記の注記がなされている。

・中枢神経系において、修正した誘導電流密度の最大の絶対値は、いかなる時点でも 上表の最大許容値を超えてはならない。胴体以外の四肢の部分において、修正した 電流密度は、1 Hzより高い周波数では、上表の最大許容値の5倍まで超えてもよい。

・修正した誘導電流密度Jmodは、100 mm2 の面積の平坦表面に垂直に流れる電流を、

その面積領域をフィルタで修正した面積で除した値として定義される。

フィルタとは下記の周波数を含む関係式(フィルタ関数)である。

β + j2πf 4β + j2πf

×

α

α + j2πf

ここにα = 2000π/s、 β = 7/s、j = √−1(虚数単位)である。

なお、政府規則No.1/2008では上式に係数 √2

2 が乗じられていたが、同規則を修正する 政府規則(No. 106/2010)により、この係数が削除され上式となっている。

表 2-54 公衆ばく露と職業ばく露の比吸収率(SAR)の最大許容値

周波数

全身平均 SAR

(W/kg)

頭部・胴体局所 SAR(W/kg)

(10g平均)

四肢局所 SAR(W/kg)

(10g平均)

測定時間 公衆ばく露 100 kHz~10 GHz 0.08 2 4 6分間平均 職業ばく露 100 kHz~10 GHz 0.4 10 20 6分間平均

局所SAR値は立方体の生体組織10 gの平均

(出典:同上)

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表 2-55 公衆ばく露と職業ばく露の電力密度の最大許容値

周波数 電力密度(W/m2) 公衆ばく露 10 GHz~300 GHz 10

職業ばく露 10 GHz~300 GHz 50 出典:政府規則No.1/2008

(イ)公衆ばく露と職業ばく露の制限値

表 2-56 公衆ばく露の制限値

周波数 電界強度

(V/m)

磁束密度

(T)

等価平面波電力密度

(W/m2

<1 Hz - 0.056(ピーク値)

1~8 Hz 10000 0.04/f 2

8~25 Hz 10000 0.005/f -

25~820 Hz 2.5×105/f 0.005/f -

50 Hz 5000 100×10-6

820 Hz~3 kHz 2.5×105/f 6.25×10-6

3~65 kHz 87 6.25×10-6

65 kHz~1 MHz 87 0.92/f -

1~10 MHz 87×103/f 0.5 0.92/f -

10~40 0MHz 28 0.092×10-6 2

400 MHz~2 GHz 1.375×10-3×f 0.5 4.6×10-12×f 0.5 f/(2×108

2~300 GHz 61 0.20×10-6 10

fはHzを単位とした周波数(出典:同上)

表 2-57 職業ばく露の制限値

周波数 電界強度

(V/m)

磁束密度

(T)

等価平面波電力密度

(W/m2

<1 Hz - 0.28(ピーク値)

1~8 Hz 20000 0.2/f 2

8~25 Hz 20000 0.025/f -

25~820 Hz 5×105/f 25×10-3/f -

50 Hz 10000 500×10-6

820 Hz~3 kHz 610 30.7×10-6

3~65 kHz 610 30.7×10-6

65 kHz~1 MHz 610 2/f -

1~10 MHz 610×106/f 2/f -

10~400 MHz 61 0.2×10-6 10

400 MHz~2 GHz 3×10-3×f 0.5 10-11×f 0.5 f/(4×107

2~300 GHz 137 0.45×10-6 50

fはHzを単位とした周波数(出典:同上)

2.6.3 チェコ共和国

旧規則(No.480/2000)と同様に、改定規則(No.1/2008)では周波数範囲 0~1.7 PHz

(Peta=1015)、即ち0 Hz~1.7×1015 Hzにおいて次の区分で規制されている。

・周波数範囲0~300 GHz:

ICNIRPガイドライン(Health Physics 1995, 1998さらに2003も含む)と同様の 電磁界の制限値(職業ばく露および公衆ばく露防護)を規定

・周波数範囲300 GHz~1.7 PHz:

レーザー光線や紫外線放射等の光学的放射の職業ばく露防護を規定

(ウ)基地局の設置手続き

携帯電話基地局設置については、設置主体が設置計画書を提出し、地方自治体にある衛 生局 336 が政府規則(No.1/2008)の電磁界ばく露制限値への適合性を審査・許可する業務 を担う。設置計画書に疑問が生じた場合には、シミュレーションと測定が行われる。

この他に、基地局の建築計画について、自治体の建築局または環境局の許可が必要とな る。屋上に設置する構造物の場合は建築局の許可は不要であるが、アンテナタワーを建築 する場合は建築局の許可が必要となり、さらに環境局による土地利用区画の許可が必要と なる。

(3)規制制定の関連機関

政府規則(No.480/2000)は、公衆衛生省(現在の保健省)が中心になって策定し、他の 省庁からの意見も考慮して制定された。改定の政府規則(No.1/2008)も同様である。

チェコの地方自治体の主要地域にある衛生局は12ヵ所あり、政府規則への適合性を管理 し監督する責任を担う。

チェコ電気通信庁(CTU)337 は、電気通信と郵便の規制機関であり、EUのR&TTE指 令に沿って無線通信機器の監督を担い、また周波数帯の割当配分を管理する。

(4)地方レベルの電波防護規制

チェコでは地方レベルでの規制は行われていない。

336 Regional Hygienic Station. http://www.khsstc.cz/Default.aspx

337 CTU: Český telekomunikační úřad(= Czech Telecommunication Office)

ドキュメント内 H25_trend_report (ページ 159-163)