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28 第3章 わが国におけるクルーズ船寄港地の分析

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わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究

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寄港回数の推移を見てみると、

2017

年まではほとんどの地域で増加していたが、

2018

年につい ては、九州、四国太平洋側、中国日本海側、関東などで減少傾向にあり、特に九州日本海側の減 少率が多い。これは、中国発着クルーズの急増に伴い価格競争が過熱したことで、クルーズ船社 が一度正常値に戻すため、調整を行ったためである。一方で、沖縄については、台湾発着クルー ズも多いことから、2018年も引き続き増加した。

また、2017年からは瀬戸内海でガンツーが就航したため、中国地方瀬戸内海側、四国地方瀬戸 内海側の寄港回数が急増している。特に、この地域では小さな漁港などにも多く寄港しており、

今までのクルーズ船とは異なった寄港形態となっていることから、さらに多くの沿岸地域に対す る振興に寄与できると考えられる。

0 100 200 300 400 500 600 700 800

2015年 2016年 2017年 2018年

北海道 東北太平洋側 東北日本海側 関東 北陸

東海 近畿太平洋側 近畿日本海側 中国瀬戸内側 中国日本海側 四国太平洋側 四国瀬戸内側 九州太平洋側 九州日本海側 沖縄

図-3-1-1 エリアごとの寄港回数変化

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(3)1港あたりの寄港回数

わが国のクルーズの特徴として、他国に比べて寄港地が多く、多様な行程を組めるといったこ とが挙げられている。実際に、例年

100~140

港程度の寄港地があるが、その中でどの程度の寄港 回数を有している港が多いのか、寄港回数の分布を図-3-1-2にまとめた。

寄港回数としては、「1回」または「2~5回」と、少数の寄港回数となっている港が非常に多い ことがわかる。さらに、全国的な寄港回数の増加に伴い、「11~20回」、「21~50回」と、月

1

回 程度~週

1

回程度の寄港がある港が増えていた。一方で、100 回以上の寄港がある港も増えては いるが、数としては多くない。

全寄港地の平均値は

2015

年が

14.0

回、2016年

16.4

回、2017年

21.3

回、2018年

21.1

回と

2018

年で若干下がったが、概ね順調に増加していた。一方で、寄港回数上位

10

傑の平均寄港回数 は、2015年

96.6

回、2016年

132.4

回、2017年

163.1

回と右肩上がりを続けてきたが、2018年は

162.6

回とほぼ横ばいとなった。

(4)寄港回数の増減状況

前年と比較した寄港回数の増減をまとめ、増加した・減少した港がそれぞれどれくらいの割合 だったのかを分析した(図-3-1-3)。

その結果、2015年/2016年比較では、増加した港が

40.7%(50

港)、減少した港が

39.0%(48

港)、増減なし

20.3%(25

港)となった。また、2016年/2017年では増加

52.3%(68

港)、減少

34.6%(45

港)、増減なし

13.1%(17

港)、2017年/2018年は増加

33.1%(46

港)、減少

51.1%

(71港)、増減なし

15.8%(22

港)となった。このように、2017年までは半数近くの港が前年よ り増加傾向にあった。しかし、2018年については、増加した港も

3

割程度あったものの、半数の 港で寄港回数が減少してしまった。

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50

2015 2016 2017 2018

1回 2-5回 6-10回 11-20回 21-50回

51-100回 101-150回 151回以上 上位10傑平均 全寄港地平均

図-3-1-2 寄港回数の分布と年次変化

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増減数の多い港を抽出すると、増加率の多い港としては、

2017

年の福山港が前年比

1200%増と

大幅に増加していた(表-3-1-2)。また、福山港以外にもガンツーの影響から、2018 年は犬島

(500.0%増)、ベラビスタマリーナ(335.7%増)、倉橋漁港(335.7%増)、宮浦(直島)(300.0%

増)など、瀬戸内海の港が急増していた。ガンツーの影響ではない場所では、

2016

年細島(600.0%

増)、平良(561.5%増)など、九州・沖縄の港が目立った。

一方、減少率の大きい港としては、2016年の苫小牧(5回⇒0 回)、2018年の北木島(6 回⇒0 回)のように、前年は

2~3

か月に

1

度のペースで寄港していたものの、突如として全く寄港しな くなってしまう場所も存在した。また、八代港では、

2017

年には前年比

450.0%増(12

回⇒66回)

となったものの、2018年には一転して

54.5%減(66

回⇒30回)となっていた。

クルーズ船の寄港に関しては、船社の意向もあるため、各港でどれくらいの寄港があるか予測 するのは難しいが、八代港のように激しく増減するような状況下では、自治体としてもクルーズ 振興に向けた政策を取りにくいと思われ、自治体と船社で綿密な情報交換をすることが必要とな るであろう。

2015年⇒2016 123港(増減なし25港)

2016年⇒2017 130港(増減なし17港)

2017年⇒2018 139港(増減なし22港)

増加 50

減少 48

増加 68

減少 45

増加 46

減少 71 1

細島 600.0%

1回⇒7

苫小牧 -100.0%

5回⇒0

福山 1200.0%

1回⇒13

室蘭 -44.4%

9回⇒5

犬島 500.0%

1回⇒6

北木島 -100.0%

6回⇒0

2

平良(宮古島)

561.5%

13回⇒86

-

八代 450.0%

12回⇒66

宮古・輪島 西之表(種子島)

-40%

5回⇒3

ベラビスタマリーナ 335.7%

28回⇒122

姫路 -80.0%

5回⇒1

3

網走 400.0%

1回⇒5

-

本部 400.0%

1回⇒5

-

倉橋漁港 383.3%

6回⇒29

八丈島 本部 -60.0%

10回⇒4 5回⇒2

4 - -

北九州 266.7%

9回⇒33

-

宮浦(直島)

300.0%

6回⇒24

油津 -57.7%

26回⇒11

5 - -

下関 235.3%

17回⇒57

-

福山 269.2%

13回⇒48

八代 -54.5%

66回⇒30

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

2015-2016 2016-2017 2017-2018

増加 増減なし 減少 図-3-1-3 前年比、寄港回数が増えた港、減った港の割合

表-3-1-2 寄港回数増減率の高い港上位5

※増加は増加後に5回以上寄港している港のみ抽出。前年の寄港が0回だった場所は除く。

現象は前年に5回以上の寄港を有し、40.0%以上の減少となった港のみ抽出

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