わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究
わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第3章 わが国におけるクルーズ船寄港地の分析
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寄港回数の推移を見てみると、
2017
年まではほとんどの地域で増加していたが、2018
年につい ては、九州、四国太平洋側、中国日本海側、関東などで減少傾向にあり、特に九州日本海側の減 少率が多い。これは、中国発着クルーズの急増に伴い価格競争が過熱したことで、クルーズ船社 が一度正常値に戻すため、調整を行ったためである。一方で、沖縄については、台湾発着クルー ズも多いことから、2018年も引き続き増加した。また、2017年からは瀬戸内海でガンツーが就航したため、中国地方瀬戸内海側、四国地方瀬戸 内海側の寄港回数が急増している。特に、この地域では小さな漁港などにも多く寄港しており、
今までのクルーズ船とは異なった寄港形態となっていることから、さらに多くの沿岸地域に対す る振興に寄与できると考えられる。
0 100 200 300 400 500 600 700 800
2015年 2016年 2017年 2018年
北海道 東北太平洋側 東北日本海側 関東 北陸
東海 近畿太平洋側 近畿日本海側 中国瀬戸内側 中国日本海側 四国太平洋側 四国瀬戸内側 九州太平洋側 九州日本海側 沖縄
図-3-1-1 エリアごとの寄港回数変化
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(3)1港あたりの寄港回数
わが国のクルーズの特徴として、他国に比べて寄港地が多く、多様な行程を組めるといったこ とが挙げられている。実際に、例年
100~140
港程度の寄港地があるが、その中でどの程度の寄港 回数を有している港が多いのか、寄港回数の分布を図-3-1-2にまとめた。寄港回数としては、「1回」または「2~5回」と、少数の寄港回数となっている港が非常に多い ことがわかる。さらに、全国的な寄港回数の増加に伴い、「11~20回」、「21~50回」と、月
1
回 程度~週1
回程度の寄港がある港が増えていた。一方で、100 回以上の寄港がある港も増えては いるが、数としては多くない。全寄港地の平均値は
2015
年が14.0
回、2016年16.4
回、2017年21.3
回、2018年21.1
回と2018
年で若干下がったが、概ね順調に増加していた。一方で、寄港回数上位10
傑の平均寄港回数 は、2015年96.6
回、2016年132.4
回、2017年163.1
回と右肩上がりを続けてきたが、2018年は162.6
回とほぼ横ばいとなった。(4)寄港回数の増減状況
前年と比較した寄港回数の増減をまとめ、増加した・減少した港がそれぞれどれくらいの割合 だったのかを分析した(図-3-1-3)。
その結果、2015年/2016年比較では、増加した港が
40.7%(50
港)、減少した港が39.0%(48
港)、増減なし20.3%(25
港)となった。また、2016年/2017年では増加52.3%(68
港)、減少34.6%(45
港)、増減なし13.1%(17
港)、2017年/2018年は増加33.1%(46
港)、減少51.1%
(71港)、増減なし
15.8%(22
港)となった。このように、2017年までは半数近くの港が前年よ り増加傾向にあった。しかし、2018年については、増加した港も3
割程度あったものの、半数の 港で寄港回数が減少してしまった。0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
2015 2016 2017 2018
1回 2-5回 6-10回 11-20回 21-50回
51-100回 101-150回 151回以上 上位10傑平均 全寄港地平均
図-3-1-2 寄港回数の分布と年次変化
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増減数の多い港を抽出すると、増加率の多い港としては、
2017
年の福山港が前年比1200%増と
大幅に増加していた(表-3-1-2)。また、福山港以外にもガンツーの影響から、2018 年は犬島(500.0%増)、ベラビスタマリーナ(335.7%増)、倉橋漁港(335.7%増)、宮浦(直島)(300.0%
増)など、瀬戸内海の港が急増していた。ガンツーの影響ではない場所では、
2016
年細島(600.0%増)、平良(561.5%増)など、九州・沖縄の港が目立った。
一方、減少率の大きい港としては、2016年の苫小牧(5回⇒0 回)、2018年の北木島(6 回⇒0 回)のように、前年は
2~3
か月に1
度のペースで寄港していたものの、突如として全く寄港しな くなってしまう場所も存在した。また、八代港では、2017
年には前年比450.0%増(12
回⇒66回)となったものの、2018年には一転して
54.5%減(66
回⇒30回)となっていた。クルーズ船の寄港に関しては、船社の意向もあるため、各港でどれくらいの寄港があるか予測 するのは難しいが、八代港のように激しく増減するような状況下では、自治体としてもクルーズ 振興に向けた政策を取りにくいと思われ、自治体と船社で綿密な情報交換をすることが必要とな るであろう。
2015年⇒2016年 123港(増減なし25港)
2016年⇒2017年 130港(増減なし17港)
2017年⇒2018年 139港(増減なし22港)
増加 50港
減少 48港
増加 68港
減少 45港
増加 46港
減少 71港 1位
細島 600.0%
1回⇒7回
苫小牧 -100.0%
5回⇒0回
福山 1200.0%
1回⇒13回
室蘭 -44.4%
9回⇒5回
犬島 500.0%
1回⇒6回
北木島 -100.0%
6回⇒0回
2位
平良(宮古島)
561.5%
13回⇒86回
-
八代 450.0%
12回⇒66回
宮古・輪島 西之表(種子島)
-40%
5回⇒3回
ベラビスタマリーナ 335.7%
28回⇒122回
姫路 -80.0%
5回⇒1回
3位
網走 400.0%
1回⇒5回
-
本部 400.0%
1回⇒5回
-
倉橋漁港 383.3%
6回⇒29回
八丈島 本部 -60.0%
10回⇒4回 5回⇒2回
4位 - -
北九州 266.7%
9回⇒33回
-
宮浦(直島)
300.0%
6回⇒24回
油津 -57.7%
26回⇒11回
5位 - -
下関 235.3%
17回⇒57回
-
福山 269.2%
13回⇒48回
八代 -54.5%
66回⇒30回
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
2015-2016 2016-2017 2017-2018
増加 増減なし 減少 図-3-1-3 前年比、寄港回数が増えた港、減った港の割合
表-3-1-2 寄港回数増減率の高い港上位5傑
※増加は増加後に5回以上寄港している港のみ抽出。前年の寄港が0回だった場所は除く。
現象は前年に5回以上の寄港を有し、40.0%以上の減少となった港のみ抽出
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