• 検索結果がありません。

136 9)岸壁でのおもてなし状況

ドキュメント内 目次 (ページ 142-147)

 2018

10

月の飛鳥Ⅱ寄港時は、入港時にカラーガード隊という大きい旗を振って音楽に合 わせた演舞や、出港時に市内中学校のブラスバンドでの演奏を行った。

苫人隊(せんにんたい)というクルーズ船歓迎団体を管理組合で募集し、岸壁で旗を振って もらったりしている。船内見学会を行う際は、苫人隊から優先的に招待している。現在は

200

名ほど登録。苫人隊とそれ以外を合わせると、寄港時には

100~200

名単位で市民は来ている。

停泊中には岸壁上に物販のテントを設置し、6~7店が出店。アイヌ民族の衣装試着体験や写 真撮影を実施。出店の種類については特に船社からの要望は無い。ただ、安全面からなるべ く岸壁で火は使わないようにしている。

北寄貝が水揚げ日本一なので、ホッキ握りや、ハスカップティーを無償で振る舞っている。

10)クルーズ船客が訪れる観光地や行動パターン

クルーズ船のお客さんだから、というものは特段目につかない。ツアーで用意されているの は大体有名な観光スポット。この辺では札幌市内や温泉などへ行く。

船内に残っている人やフリーのお客はちょっとレアなところを探しに行ったりしている。趣 味で郵便局のスタンプを押し行く人もいる。日本一周クルーズなどを利用する人の方が旅慣 れており、行動は幅広いと感じる。

キーパーソンの視察時は苫小牧市内のウトナイ湖、ノーザンホースパーク、樽前山神社など を周るほか、隣の白老町とも連携し、白老港やアイヌ関係施設を見てもらっている。

印象としては、カレドニアンスカイの船客がバードウォッチングなど自然散策をメインとし ていることから、ウトナイ湖の自然環境が印象に残ったという声があった。

最近は人気が落ちてきたが、

2008

年(平成

20

年)頃は旭山動物園まで行くツアーもあった。

11)岸壁からの移動手段

振興協議会で市内の循環バスを無料で出している。飛鳥Ⅱで

2

台。

行き先は港から

5

分程度のぷらっとみなと市場や美術館。乗車時間は

10

分くらいのルート。

2018

年は若干離れたウトナイ湖(約

20

分)まで出した。

全部で

10

便走らせ、50~60 名が利用していた。大抵の船客はツアーバスに乗ってしまうの で、残っているフリー客や、ツアーから帰ってきた人向けに走らせている。

クルーズ船内では夜のアクティビティも多く、日中は船内で休む人も多い場合がある。その 時は身近なところを走るシャトルバスは割と利用してもらえる。いかに船内の中で休んでい る人を引っ張って来られるかも重要。

12)寄港によって得られた効果

普段市街地で行っているウォーキングイベントをクルーズ船が来る日は港で行うようになり、

市民と港の距離が近くなった。

クルーズ客の地元の経済効果だけでなく、苫小牧市民でも港ってどこにあるの?という人も

わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第6章 地域におけるクルーズ船の評価や誘致に対する意識の差異

137

おり、普段馴染みのない市民にも来てもらえる。貨物船だと港まで行こうという気にはなら ないが、クルーズ船だと

100

人、200人規模で来てもらえる。

クルーズ船が来る際は、Facebook、市内のフリーペーパー等で広報活動をしており、色々な 方々が岸壁に来ている。みなとオアシスにも登録しているので、その辺りとも絡めたい。

13)寄港によって生じた課題

実際にはあまりお金が落ちない。お金を使う人もいるが、全く使わない人もいるので、人数 で割ってしまうとそれほど大きな額にはならないように思われる。

入港料、着岸料もそこまで大きくない。水道代も原価。対外的には経済効果があると言うが、

実際はよくわからない。それよりも地元の人との交流の場、港に親しみを持ってもらうきっ かけとしてクルーズ船を活用したい。そのため、苫小牧市で行っているイベント、行事を港 と一緒にできないか考えている。

岸壁の物販も、手に持って行くので、船内で食べるおかしや珍味類は売れる。その他の地元 の野菜なども買ってほしいので、カタログ販売を行っている。芋、玉ねぎなどの農産物、カ ニなどの水産物をカタログで販売し直接家に届ける。そうすることで単価は上がった。

14)今後の目標

寄港回数は多い方が良いが、具体的な目標数は無い。

0

回にだけはしないようにしたい。

2016

年に

0

回となったので、そうならないように日本船を中心に継続寄港を目指したい。

大型クルーズ船を受け入れるため、苫小牧港の長期構想として、現在寄港している西港区か ら

20km

程離れた東港区にある国際コンテナターミナルのエリアにクルーズ専用岸壁を整備 する計画がある。直近の話ではないが、空いているバースを利用して

10

万トン超、300m超 のクルーズ船を受け入れようと考えている。

ロシアのカムチャッカクルーズのような、例えば首都圏発ロシア行きの船を苫小牧で中継し てもらいたい。今の船は重油で動いているが、来年から船の

SOX

規制(硫黄酸化物の排出制 限)が世界的に開始される。その中で、現状の重油にかわる

LNG

を使いましょうという流れ になっており、クルーズ船もいずれそうなる。その時に必要なのは燃料補給基地だが、

LNG

は どこの港でも入れられるものではなく、それなりの供給施設がないとできないため、物流港 として船が多く利用する苫小牧港に燃料補給施設をいち早く整備できれば、中継地としてク ルーズ船を呼べるのではないかと考えている。

15)その他

物流港なので、補給+αで

PR

したい。プラスアルファとして、交通の要所にある苫小牧は使 いやすい港。半日あれば旭山動物園(片道

2

時間弱)も行ける。北海道エリアを広く、富良 野、小樽、帯広も日帰り圏内なので、そのような優位性を今後活かしたい。

正式に決定した話ではないが、国際リゾート構想もあり、IRの観点からも外国船社に対する 有力な宣伝材料になることを期待している。

わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第6章 地域におけるクルーズ船の評価や誘致に対する意識の差異

138

(9)釧路市

①調査概要

②クルーズ船の停泊場所

港湾名 釧路港(重要港湾)

調査対象者

釧路市水産港湾空港部港湾空港振興課 みなと活性化主幹 神谷賢尚氏 港湾空港担当 乙黒美範氏 調査日時

2018

7

2

10:00-12:00

調査場所 釧路市港湾庁舎

①釧路港東港区耐震旅客船ターミナル

②釧路港西港区第

4

ふ頭

釧路駅

わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第6章 地域におけるクルーズ船の評価や誘致に対する意識の差異

139

③岸壁概要

クルーズ専用岸壁 あり 旅客ターミナル なし クルーズ船

着岸地点

①東港区耐震旅客船ターミナル

②西港区第

4

ふ頭

岸壁長さ/水深 ①310m/-9.0m、7万トン以下の船まで入港可能

②170m/-10.0m、240m/-12.0m、7万トン以上の船を

2

バース連続使用し て受け入れ。

港までの アクセス

①釧路駅まで車で

7

分、市街地と近接

②釧路駅まで車で

15

分 クルーズ船

初寄港年

日本船:1978年「さくら丸」

外国船:1991年(船名不明)

写真-6-4-58 岸壁の公衆トイレ

写真-6-4-57 岸壁全景② 写真-6-4-56 岸壁全景①

写真-6-4-59 岸壁の常設ステージ

写真-6-4-60 岸壁の様子と SOLASフェンス

写真-6-4-61 岸壁周辺道路

わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第6章 地域におけるクルーズ船の評価や誘致に対する意識の差異

140

④ヒアリング調査結果

1)

クルーズ船の寄港状況

クルーズ船の初寄港年に関しては、1978年さくら丸が最初というのがデータ上では残ってい るが、当時は現在のようにクルーズ船はあまり知られた存在ではなかったため、寄港を気に していなかった。近年、釧路港に多く寄港しているクルーズ船の特徴としては、ラグジュア リー船やアドベンチャー系の自然体験を目的とした船が多い(図-6-4-7)。

2)

クルーズ船の寄港時期と立地特性

北海道の他の場所とは異なり、釧路港は不凍港で比較的降雪量も少ない。一方で、クルーズ 船で釧路港だけに寄港して帰るといった航路はほぼ不可能であり、北海道の他の港も経由し なければならないため、冬場の寄港は難しい。釧路全体では、冬場でも飛行機など他の交通 手段を使った観光客は北海道の他地域よりも比較的多い。

3)

岸壁利用の調整

釧路港では

2011

年に耐震旅客ターミナルが整備されたことで、7万トン級以下のクルーズ船 の大半は、市街地に近い耐震旅客船ターミナルに着岸している。

 7

万トン級以上のダイヤモンド・プリンセスなどは、市街地から少し離れた位置にある西港第

4

ふ頭を利用しており、この岸壁は貨物船との共用岸壁となっている。ただし、貨物との共用 岸壁であるが、クルーズ船の場合は

2

年前から入港の予約が入るため、お断りといったよう な、入港に関する問題は特にない。

過去にはこの他にも中央ふ頭にもクルーズ船は寄港していた。中央ふ頭は岸壁上に倉庫があ ったため、バスの駐車スペースや岸壁上でのおもてなしのスペースに制約があり不便だった。

クルーズ専用岸壁の耐震旅客ターミナルについては、ターミナルという名称ではあるが、特 段施設等はなく、広場となっていて、客船ターミナルと釧路市の防災施設にもなっている。

クルーズ船が寄港しない際には、祭りやイベント等で利用されている 図-6-4-7 釧路港における過去のクルーズ船寄港回数

0 5 10 15 20 25

うち外国船 うち日本船

ドキュメント内 目次 (ページ 142-147)

関連したドキュメント