西港第4
ふ頭は貨物用岸壁で、周辺の景観はどうにもできないが、歩道を外国人が歩いて移 動することもあるため、市職員が草刈りを行って、景観面での配慮をしている。5)
誘致活動状況、船社の要望、入港時の対応
北海道クルーズ振興協議会と連携して、シートレードへ参加。港湾の部署だけでは観光面で の提案は難しく、市の港湾の部署と観光の部署が協力している。最近では、船社や旅行会社 から観光の部署にも相談が行くことがある。
先日、国交省の主催でプリンセスクルーズの担当者と個別のミーティングをして、新しい観 光の提案を出して下さいと言われた。少人数のツアーでいいので、地元のスペシャルな人の 説明が聞けるなど、特別なツアーの提案が求められている。普通ならタンチョウを観て終わ るが、そこに専門家がいて説明を受けたいだとか、普段は入れないけれども、クルーズ船客 だからさらに一歩手前まで行けるよとか。そのような要望が段々きている。後は、体験メニ ュー希望されている。6)
誘致に向けた関連団体との協議や連携
北海道クルーズ振興協議会や釧路港振興部会と連携して、シートレードに参加するなど、誘 致活動において連携している。また、北海道だけでもクルーズ船の寄港する港は多数あるた め、釧路の場合は道東の自治体同士で連携して、道東としてPR
をしている。
他市との情報交換の場として、北海度クルーズ振興協議会の会議の場で、情報交換をすると いったことはあるが、寄港時の対応で、どうしたらスムーズに受け入れられるのかといった 点だけを参考にしていきたい。ただし、お見送り等については、それぞれの港の独自性が大 事だと思い、逆に日本全国一緒だと面白くない。7)
入港料等の減免措置
入港料に関して初入港の船のみに対して減免措置を適用している。2 回目以降の入港に関し ては通常通り徴収。市に対する直接収入としては、入港料と岸壁使用料、仮に給水すれば給 水料が入る。直接収入だけでも1
回の寄港で大きな金額が市に入る。8)
岸壁でのおもてなし状況
入港セレモニーに関しては、岸壁が街中にあり騒音の問題(クルーズ船は早い時には朝7時 に入港する)もあるため、ほぼ実施していない。実施したとしても、横断幕の掲示や、船内 での挨拶といった歓迎セレモニーに留まる。また、平日であると、参加者も学校や仕事があ るため集まりにくい。
出港セレモニーに関しては、北海道運輸局釧路運輸支局が元となる釧路クルーズ振興部会の「おもてなし倶楽部」という団体が、毎回見送りイベントを実施。おもてなし倶楽部のメン バーとしては商工会などが入会している。
わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第6章 地域におけるクルーズ船の評価や誘致に対する意識の差異
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出向セレモニーの内容としてはサックスの演奏等で、毎回寄港ごとに異なる内容の見送りイ ベントを実施。おもてなし倶楽部は今年10
周年記念ということで、お出迎えソングと見送り ソングを作って、毎回入出港時にはその曲を流すようにしている。
参加者は曜日により異なるが、休日であれば多くの人が集まり100
人単位の人が来ることも ある。耐震旅客ターミナルの利点として、街中に位置しているため、仕事帰りでも寄ってい けるといったことがある。
クルーズ船寄港時には通訳ボランティアとして、地元の北海道標茶高校、北海道釧路明輝高 校、北海道釧路商業高校国際ビジネス科などの生徒が入っている。乗船客はお年寄りが多く、盛り上がっている。また、釧路港に寄港する船は沖縄・九州地方に多く寄港するスタンダー ドクラスの船とは客層が異なり、欧米系のお年寄りが多い(沖縄・九州の場合はアジア系の ファミリー層が多い)ということでうまくできている。この他にも国際交流の会という団体 が観光課から委託されて通訳ガイドをしている。
耐震旅客ターミナルでは、2017年に観光目的でWi-Fi
の整備を行った。西港第4
ふ頭の場合 は、普段、観光客は立ち入らないので、クルーズ船寄港時には移動式のWi-Fi
を持ち込んで 利用してもらっている。
釧路空港で中国、韓国、台湾からのチャーター便があり、観光の部署が街中のサインの整備 やパンフレットの作成を行っており、多言語表記といった対応はできている。9)
クルーズ船客が訪れる観光地や行動パターン
観光施設をゆっくり観光したり、体験をしたりする層のクルーズ船が多く寄港する傾向にあ り、買い物目的の船客は少ない。多くの乗客(6~7割くらい)はオプショナルツアーに参加 して、釧路市内だけではなく道東を広く観光する。その他はタクシーを個人で手配して、市 内で買い物やいろいろなところを見学している。
欧米系の外国人観光客は、飛行機や電車など既存交通体系で釧路に来る場合、成田空港等ど こかを経由しなければ来ることが出来ないため、少ない傾向にある。しかし、クルーズ船の 場合は欧米系の外国人観光客が多く訪れることが相違点である。
ラグジュアリー船の乗客の特徴として、あまり他の人が行かないような場所を要望しており、特別なところを紹介してほしいという要望がある。また、近年では、乗客は定番の観光地に は見飽きており、他にも体験型の観光の提案なども求められている。
10)岸壁からの移動手段
耐震旅客ターミナルに入港する際には、シャトルバスは市ではなく和商市場(釧路市にある 公設の市場)が、港と和商市場を結ぶシャトルバスを運行している。西港第4
ふ頭に入港す る際には船社がバスを手配しており、市としては用意していない。11)寄港によって得られた効果
釧路市としてはクルーズ船寄港による経済効果には期待している。ただし、経済効果に関すわが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第6章 地域におけるクルーズ船の評価や誘致に対する意識の差異
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るアンケートは今年実施する予定であるが、調査は難しい。船が寄港したらツアーなどです ぐに街に出てしまい、ツアーから戻ってきても船がすぐに出港してしまうため、岸壁に滞在 している時間は短く、やり方に工夫が必要。
船のクラスによって、乗客の客層が大きく異なり、上陸後の行動も異なることから、一概に1
回客船が来たら釧路に何円の経済効果があると言えない。また、釧路港がファーストポート かラストポートかでも違いがあり、乗客の心理として、最初の寄港地であれば財布の紐を締 めようとする傾向にあり、最後の方がお金を使ってくれる。12)寄港によって生じた課題
換金の問題。現状では街中の銀行を紹介する程度に留まっており、クルーズ船に係わらずイ ンバウンド対策として最善しなければならない点である。また、クレジットカードや電子マ ネーへの対応が遅れており、どのように導入していくかが今後の課題。
和商市場では勝手丼が有名であるが、クルーズ船客は3
食つきなので、観光名所にはなって いるが、消費には結びつかないという課題もある。他のツアーに関しても、昼食は船内とい うのもあるため、釧路市としてはクルーに焦点を当てていきたい。
クルーは船内の食事に飽きているということもあるので、釧路フィッシャーマンズワーフMOO
でラーメンを食べていたり、コンビニ等で買い物をしたりしている。ダイヤモンド・プリン セスクラスになるとクルーだけで何百人と乗船しているので、大きな消費につながる。また、クルー同士での口コミの評判が良いと継続的な寄港につながるということもある。
船にもよるが、入国審査よりも出国審査に時間がかかる。特にクルーズ船は多くの港を経由 してくるため、たくさんのものを持ち込んでおり、大変である。13)今後の目標
具体的な目標はないが、過去の寄港回数を見ると20
回を超えると多いと感じる。また、回数 が増えてくると誘致や寄港時の対応に関しての専門部署を設けた方がよいと考えている。現 在では、港まつりの仕事等まったく違う仕事や、空港も管轄しているため、クルーズ船の寄 港回数が増えてくると、片手間でやるということでは難しい。寄港時にはいろいろな団体に 連絡をするなど、みんなで盛り上げていくという部分で片手間ではできない仕事であり、例 えば、目標を決めて30
回を目指そうということであれば、担当を決めて仕事をした方がよい。
夢としては釧路港の発着クルーズをやってみたい。釧路では空港もあり、前泊できるホテル も多くあるため、立地的には可能。さらに、宿泊が伴えば経済効果に貢献できる。
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