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25 2-2.既往研究の整理

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クルーズに関する研究動向として、成美の調査32)によると、米国では

2000

年代からクルーズ関 連の研究が始まり、

2014

10

月までに延べ

318

件の研究発表が行われているとのことであった。

一方、わが国におけるクルーズ船の寄港地開発に関する研究論文を各種

web

サイト(CiNii、

J-Stage)で検索したところ、64

件の論文が確認でき、そのうち

44

件が

2010

年以降に発表された

ものであった(2018年

11

20

日時点)。

その中で、クルーズ船寄港地の評価に関する研究として、柴崎ら 26)27)33)は日本のクルーズ船社 へのヒアリング調査とクルーズ船客に対するアンケート調査を実施し、クルーズ船寄港地の決定 要因として重要視される事項や、港湾施設やツアー内容に対する満足度などを明らかにした。さ らに、海外および国内の主要なクルーズ船寄港地を対象に、アンケート調査を基にした階層分析 法(AHP)と、観光ガイドブックに掲載されている観光スポット数の多さを評価基準とした寄港地 の魅力度評価の手法の提案を行っている。藤生ら34)は寄港地のアクセシビリティに着目し、国内 外の主なクルーズ船発着港から主要国際空港までの所要時間や、各国際空港における定期便の就 航都市数の多さから港の利便性を評価している。また、川崎ら35)はクルーズ船の未経験者を対象 にアンケート調査を行い、国内・海外問わずクルーズ船で訪れてみたい地域の抽出や、クルーズ 船を利用したことない理由の把握を行った。

クルーズ船寄港地における政策や受け入れ実態については、中尾36)による神戸港のクルーズ船 誘致活動や受け入れ実態についてまとめたもの、鷹島ら37)による、国内

30

港湾を対象としたふ頭 周辺の整備状況や受け入れ態勢、過去に寄港を断った事例の有無やその理由に関する調査がある。

寄港地にもたらす効果や影響に関しては、富澤38)が鹿児島における中国発着クルーズを対象と した受け入れ課題やオプショナルツアーの問題点の指摘を行っている。圓田39)は急激な寄港数増 加に伴って国際化した宮古島の観光産業や地域社会を対象に、得られた効果や生じた課題を論じ ている。湧口ら40)は、クルーズ船の寄港がもたらす負の影響に着目し、年間

20

隻以上の寄港実績 のある国内

18

港湾を対象に、各港湾が公表している寄港データを基とした寄港シーズンの把握 や、寄港地の観光客受け入れキャパシティに対するクルーズ船利用者数の割合を分析している。

さらに、一般財団法人みなと総合研究財団では、クルーズを冠したわが国初の研究所として、

2017

年よりクルーズ総合研究所を設置し、クルーズ船誘致に関する政策や、全国

6

か所を対象と した寄港による効果の紹介、清水港における受け入れ態勢の概要などを書籍15)にまとめている。

本研究は、クルーズ船寄港地の評価や誘致方策の検討を行うものであるが、既に寄港実績を有 する港だけの評価を行うものではなく、将来の新たな寄港候補地として、寄港実績の無い港湾・

漁港も含めて「観光地としての魅力」と「既存交通体系によるアクセスの不便さ」双方の特徴を 兼ね備え、クルーズ船で訪れる優位性が高い場所の選定を行うことを目的としている。また、各 港での取り組み状況や効果・課題、クルーズ船に対する意識などについても、寄港実績の有無に よる比較や、自治体だけでなく漁業協同組合に対する調査を実施することで、これからクルーズ 船の誘致活動の開始を検討している中小規模の港湾や漁港においても参考となり得る先行事例を 明らかにすることを目的としており、いずれの既往研究とも異なったものとなっている。

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第3章 わが国における

クルーズ船寄港地の分析

わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究

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