函館市内は有名観光地が市の中心部にまとまっていて、半日で周遊しやすいといった特徴が ある。また、移動に関しても徒歩や路面電車による移動が可能であり、自由に動きやすい。
函館にクルーズで来る観光客の外国人の客層は欧米系が多い。一方で、それ以外で来る観光 客はアジア系が多い。観光案内に関しては、岸壁上で実施していて、街中にも多言語表示看 板がある程度充実しているため、迷ったといった意見はまったく聞こえない。ガイドマップ についても英語のものを用意しており、市としても、市内の飲食店に向けて、外国人に対し て使いやすくなるような対応の啓発活動や、セミナーを毎年実施している。
キャパシティに関しても、市内ではフリーの観光客が多く、混雑といった問題は発生してい ない。オプショナルツアーに関しても、函館の近隣地域に行くツアーもあり、函館市内に集 中してツアーが組まれることはなく分散している。どこが調整しているかは不明だが、うま くまわしている。一部、問題として、函館朝市から、クルーがWi-Fi
スポットを占拠してい ると話があった程度。10)岸壁からの移動手段
ダイヤモンド・プリンセスクラスになると、ツアーバスが30
台程配車される。シャトルバス も10
台程船社が用意。タクシーで移動される人も多少はいる。11)寄港によって得られた効果
おもてなしで協力している遺愛女子高校については、その取り組みが評価され、観光庁など から表彰を受けた。また、英語の実践の場として活用していることで学校の評判も上がり、志願者が増えているということも聞いている。
12)寄港によって生じた課題
課題として、サン・プリンセスによる北海道周遊クルーズが大失敗した理由は、船が大きす ぎた(7.7万トン、乗客2250
人)。また、夏場の6
月~9月の時期に実施したが、北海道観光 の繁忙期でもあり、北海道までに行くための交通手段である飛行機(羽田-新千歳間)の路 線に余裕がなく、さらに高額であったため、クルーズ代金7~8
万円に対して、飛行機代で同 じくらいの値段がかかってしまい割高になってしまった。
クルーズの予約は1
年以上前から始まるが、飛行機のチケットは2
か月ほど前からの予約開 始であり、そこの部分を解決しないまま企画してしまったのが失敗だった。
飛んでクルーズ北海道についても、道内の乗船客は2~3
割。当初よりは増えているようだが、クルーズ人口を増やすのは難しい。道外から呼ぶ手段として、北海道新幹線が開業して、レ ール&クルーズができるのではないかという人もいるが、JRの場合は
1
か月前からのチケッ ト販売なので、旅行会社も工夫してやらないと難しい。
飛んでクルーズ北海道はにっぽん丸で乗客定員は300
人くらいなので、お客さんの来る先なわが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第6章 地域におけるクルーズ船の評価や誘致に対する意識の差異
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ど飛行機の便が分散すれば問題ないが、サン・プリンセスは定員
2000
人を超えるため、航空 会社との協議など調整をしないと難しい。現時点ではこのような協議はないが、函館が発着 港となれば、連携といった話は出てくると思う。また、発着となれば、ホテル業界とも協議 していく可能性もある。13)今後の目標
市街地により近い場所にクルーズ船専用ふ頭(若松ふ頭)を建設した。ふ頭は公共事業とし て、国が整備し、函館市からの要望で実現に至った。計3
バースで、年間70
回の寄港回数を 目標にしている。今までは寄港日が複数の船で重なり、お断りするケースもあったが、新ふ 頭建設により、2、3隻の同時寄港も可能となる。
函館では中国発着の船は年に1
回あるかないか程度で、距離的にも約1000
㎞離れているた め、今の時点ではクルーズブームに乗れていないと考える。函館は日本船社やアラスカクル ーズの途中に寄港する船、世界一周クルーズの途中による船が大半で、そのような日本近海 を移動している船については、ある程度一通り寄港してもらえている。今後は、日本をクル ーズしてもらえる期間を長くしてもらえるように船社を取り込んでいきたい。
集客方法の体制を整え、まずは函館市内のクルーズマーケットを増やすことが大事だと考え ている。函館発着のクルーズができれば寄港回数の増加にもつながる。実際の取り組みとし ては、市民向けにクルーズセミナーを開催するなどしている。
若築ふ頭は2022
年度を目標に、今後CIQ
手続きができるクルーズ船用の旅客ターミナルを新 設する計画がある。ただ、北海道は冬場の寄港が無いので、クルーズ船寄港時以外にどのよ うな使い方をするか考えなければいけない。14)その他
若松ふ頭は10
万トンクラスの船までを受け入れ可能としており、港町ふ頭についても、12
万 トンクラスまで対応可能だが、現在、係船柱や防舷材の強度を調査しており、今後、12万ト ンを超える船の受け入れ対応に向けて整備する予定。しかし、あまり大きな船が来てしまう と、函館市内のキャパシティが足りなくなってしまう。バスの台数に関しても、市内では90
~100台程度の台数しかないので、きちんとした計画が必要。
わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第6章 地域におけるクルーズ船の評価や誘致に対する意識の差異
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(7)室蘭港
①調査概要
②クルーズ船の停泊場所
港湾名 室蘭港(重要港湾)
調査対象者 室蘭市港湾部港湾政策課振興係 係長 後藤孝之氏 調査日時
2019
年3
月6
日15:00-17:00
調査場所 室蘭市役所庁舎
室蘭港崎守ふ頭
室蘭港中央ふ頭
(クルーズ専用)
わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第6章 地域におけるクルーズ船の評価や誘致に対する意識の差異
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③岸壁概要
クルーズ専用岸壁 あり(中央ふ頭) 旅客ターミナル なし クルーズ船
着岸地点
①室蘭港崎守ふ頭
②室蘭港中央ふ頭
岸壁長さ/水深 崎守ふ頭:185m/-10.0、2号岸壁
240m/-12.0m
中央ふ頭:240m/-9.0(7.5万トンまで)港までの アクセス
崎守ふ頭:室蘭市街地まで車で約
15
分 中央ふ頭:室蘭市街地まで車で約5
分 クルーズ船初寄港年
日本船:1994年「飛鳥」(市が把握している限り)
外国船:1995年、船名不明 写真-6-4-44 岸壁の様子
写真-6-4-43 通常時の岸壁風景 写真-6-4-42 岸壁の様子
写真-6-4-45 背後の入江親水緑地
写真-6-4-46 背後の多目的広場 写真-6-4-47 ふ頭へのアクセス道
わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第6章 地域におけるクルーズ船の評価や誘致に対する意識の差異
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④ヒアリング調査結果
1)
クルーズ船の寄港状況
市で把握している初寄港は1994
年(平成6
年)。これ以前の状況はよくわからないが、記録 では1994
年飛鳥が初めて。外国船社は1995
年(平成7
年)が初めてのようである。増えて きたのは最近になってから。 1996
年(平成8
年)に中央ふ頭が完成したが、1998年(平成10
年)に橋の工事が始まり、大型船は橋をくぐれないので崎守ふ頭に入る。
中央埠頭だと、最大で今まで受け入れできたのが7.5
万トン、崎守埠頭はコンテナを主に扱 っている埠頭なので、そこでかち合わないようにしダイヤモンドプリンセスや、最大でクァ ンタムオブザシーズが寄港。2018年8
月、10月、11月に13
万トン級のMSC
スプレンディダ が入港する。
中央ふ頭ができる前は崎守ふ頭を利用していたようである。
崎守ふ頭もサイズが大きい船では2
バース連続使用。簡易ソーラスフェンスを設置する。必 要に応じて運ぶが、鉄の頑丈なローラーじゃないので業者に頼んで設置してもらう。足に全 部土嚢を載せる形でずらっと並べるので結構な作業になる。2)
クルーズ船の寄港時期 11
月くらいまでは可能で、寄港もある。雪は問題ないが、寒い。寒いとおもてなしも難しい。主流は夏まで。