船によっても異なるが、ターンアラウンドなら港に来るまでに観光、ホテル利用、食事をし て、乗船する。あるいは下船後に観光、食事等をしてもらえる。単に寄港地として、という ことだと全て船内に揃っているので、財布の紐も固くなる。発着港になることの経済的効果 は大きい。13)寄港によって生じた課題
日本全国そうだと思うが、お金を持ちが来て商店街で・・・という期待値からすると、その ような効果は無い。舞鶴だと本年23
回寄港中11
回がコスタで、カジュアル船で日本人客だ とそれほど消費行動は低い。一方、中国人客は西舞鶴駅近くの日常品が買えるようなショッ ピングセンターに大挙して押し寄せ、薬とかお菓子とか、魔法瓶や電化製品を買っていった。中国人客はわかりやすく消費に影響している。ショッピングセンターに聞くと、前年の同時 期と比べて倍近くの売り上げがあったらしい。
14)今後の目標
みなと振興・クルーズ客船誘致係以外にも、観光商業課で寄港地観光の提案などを行ってい る。また「海の京都DMO」という組織(DMO=Destination Management Organization)が京都
府北部5
市2
町の観光協会が合併し、JTB
から派遣人員を呼び、誘致プレゼンなどではJTB
の 専門家目線でツアーの提案などをしてもらっている。その他、セキュリティに関しては府の 港湾局が絡むので、割と多くの人数が携わる。来年も30
回くらいの寄港があるが、これで良 いと思う。逆に携わる部署と人が多すぎると思っている。もっと明確に纏めた方が良い。現 在、舞鶴港は来るものは拒まず、どんな船でも来てくれ、というスタンスでやっているが、最終的にこれは何回が適正で、どんな船が一番魅力的なのか、まだ皆で統一している目標が あって無いようなものなので、議論をしているところ。
寄港回数の目標としては、発着港としての利用を1
回でも増やしたい。海の京都駅も寄港地 としてではなく、発着地をイメージして計画している。舞鶴からクルーズ旅行に出かけられ る玄関口として認識できるように1
隻でも多く来てほしい。どこまでというのは回答し難い が、京都市まで行けるというところで、ロストラルやシルバーディスカバラーみたいなラグ ジュアリー船を確保したい。15)その他
外国人には舞鶴“Maizuru”の認知度が低いため“Port of Kyoto”と表記している。船社に は舞鶴は「海の京都駅」としてPR
している。京都府の観光政策の一つで、「もう一つの京都」というコンセプトがある。皆が知っている「古都・京都」以外にも、「海の京都」という北部 地域と、亀岡市~福知山市、綾部市までの「森の京都」や、「お茶の京都」を掲げ、京都市だ けじゃないということをブランド化して
PR
している。舞鶴市は海の京都エリア。
外国船社からすると、日本は港が多すぎると考えている。日本の考えは「地方創生」を掲わが国におけるクルーズ船の寄港に適する港の選定と誘致方策に関する研究 第7章 全国における誘致活動の実態と寄港に向けた取り組み
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げ、国としては「どの港もがんばれ」というスタンス。どの港も同じように財政が厳しい中 整備を進めているが、果たしてこれが政策として正しいのか疑問。舞鶴港はクルーズ政策を 止めることは無いと思うが、どの港も推進することが合っているのか、担当者同士の話では どこの港も同じ疑問を抱えている。
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(2)鳥羽港
①調査概要
②クルーズ船の停泊場所
港湾名 鳥羽港(地方港湾)
調査対象者 一般社団法人鳥羽市観光協会 山崎正文氏
調査日時
2018
年9
月25
日16:00-17:30
調査場所 鳥羽商工会議所錨泊地
写真-7-2-11 クルーズ船錨泊時の様子
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③岸壁概要
クルーズ専用岸壁 なし(沖合錨泊) 旅客ターミナル あり(観光遊覧船用)
クルーズ船 着岸地点
沖合停泊のため岸壁なし
通船の発着場は観光遊覧船乗り場の「鳥羽マリンターミナル」
岸壁長さ/水深
N/A
港までの
アクセス 鳥羽駅、市街地まで徒歩約
5
分 クルーズ船初寄港年
日本船:2002年「にっぽん丸」(記録上)
外国船:2004年(船名不明)
④ヒアリング調査結果
1)
クルーズ船の寄港状況
初寄港は、2002年5
月21
日のにっぽん丸で、記録上はこれが最初。すべてのクルーズ船が 沖合に停泊して、通船で上陸する(図-7-2-2)。
通船は、ツアーによってミキモト真珠島の桟橋発着というものもあり、船から直接ミキモト 真珠島まで行ける。特に、鳥羽マリンターミナルに着けなければいけないという決まりはな く、船社の要望でその都度対応できる。通船の往来は、1回の寄港で10~15
便で昼の時間帯 は間引いて、朝夕の時間帯は頻繁に運航する。船から鳥羽マリンターミナルまで、通船の運 航時間は片道約15
分で、コスタ・ビクトリア(75,166トン)のような大型船でも、乗客は1
~2時間程度で下船完了した。乗客も通船を敬遠することなく、慣れているといった印象。
通船が着岸する「鳥羽マリンターミナル」は、乗場3~6
番が普段から空いていて、そこに通 写真-7-2-13 鳥羽マリンターミナル内部 写真-7-2-12 鳥羽マリンターミナルの
車回し
写真-7-2-15 通船の着岸場所② 写真-7-2-14 通船の着岸場所①
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船をつける。他の桟橋には、定期船や遊覧船が発着しているが、昔から受け入れをしている ため、調整が必要といったことはない。
鳥羽マリンターミナルは2011
年に完成し、それ以前にクルーズ船の通船は佐田浜港の定期船 桟橋に着岸していた。鳥羽マリンターミナルの整備については、市の観光側としてはクルー ズ船が直接着岸できるような岸壁の建設を要望していたが、予算の関係上難しくなった。2)
クルーズ船の寄港時期
通年での寄港が可能。3)
クルーズ船から見た鳥羽港の立地特性
鳥羽港は外洋ではないが、風の向きによっては船が回転してしまうことがあり、通船だと揺 れるといったことはある。晴天時でも、風向きや気圧で海が荒れる日はある。今までも、寄 港中止といったことはある。その場合には前日には連絡が入っており、鳥羽まで来たが抜港 するということはなかった(2013年は3
回荒天により寄港中止となっている)。
関東と関西の中間地点にあり、横浜、神戸発着のクルーズ船の寄港地として、良い場所にあ る。背後の観光地として、伊勢神宮があり、特に日本人向けのツアーとして良い場所で、外 国人も多く訪れる。4)
岸壁利用の調整
沖合錨泊のため、岸壁利用なし。5)
景観面・安全面の配慮
特になし。6)
誘致活動状況、船社の要望、入港時の対応
観光協会としては誘致活動等を行っていない。今年以降、プリンセスクルーズの船が多く寄 港する予定となっているが、たまたま鳥羽を選んでいただいただけで、船社にPR
を実施した0 2 4 6 8 10 12 14
日本船 外国船 図-7-2-2 鳥羽港における過去のクルーズ船寄港回数
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結果ということではない。プリンセスクルーズ側から寄港する日に関する問い合わせが来る という状況。
日本の船社3
社については、年に1
回挨拶回りをしているが、強烈なセールスはかけていな い。その際に、船社側から新しい提案を求められ、「にっぽん丸」からは鳥羽港にはもう来た ので、次は津港に行くと言われた。船社は1, 2
年前から商品販売をするため、鳥羽への寄港 が決まってから提案しても遅いため、そのあたりが課題。
誘致活動は今後も行う予定はない。クルーズ担当している観光協会の職員は1
名だけなので、今の受け入れだけで手いっぱいであるため。