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ドキュメント内 高学年の読み書き能力 (ページ 92-117)

 文章にはどんな場合にも構成があり,交脈上の結構がある。したがって交章 を読む際には,文章の段落によって受けとる知識,情報の負荷量が異なるとい うこともある。この点を考えると,眼球運動の過程にみる斉一性への展開にも

ある程度とか,どの程度までとかいう限界のあるのを感じとることができる。

 なお,試みに,停留時間について♪各行をく始〉〈中〉〈後〉の3グルーープに

わけ,その箇所に落ちた眼球の停留時閾をみると一停留の所要時間ほつぎのよ

うになった。

    〈始〉     〈中〉     〈後>

    0.27秒       0.33秒       O.30秒

 また,昭和30年秋に実験した「コロンブス」の文章の結果では,

    〈始〉     〈中》     〈後>

    O.24菱少       O.26秒       0。24秒

 さらに,前項にあげた速読みの結果では.「

    〈始〉     〈中〉     <後>

    0.27秒        0儒28秒        O,27秒

となった。

 つまり,どの行とかぎらず,行のく中〉の部分に停留した平均時間はく始〉

〈後〉の部分に停留した平均時間よりも長いことを示すものである。

 これらのことは,眼球運動の過程について,運動の斉一性にたいするリズム

性の存在を晒示するものと思われる。

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狂 作文能力の発達

A 課題作文による作文能力の発達(輿水)

 1. 6犀闇同一文題で発達をみる

 作文の学年尺度としてアメリカの諸家にもいろいろなくふうがあるが,話題

のちがったもので尺度化されているのでこまるという批評がある。

 作丈能力の発達をみるために,われわれは,同一の児童に毎年同じ題で作文 を書かぜて行くことにした。もし児童がそういうことを意識してしまって,そ

こに何か持別の学習が加わって来ると,そのことを考慮に入れなければならな:

いから,ずっと注意を怠らずにいたが,ついに何事もなく,毎学年,毎学期,

新しい気持で書かれだようであった。(これからは,教育課程の上で作文を何 パーセントか強葡されるので,事情がいくらかちがって来るだろうと思う。今 までは,作文は,特別の作文教師,照臨教師のところでなけれぽ,あまり.あ るいは,ほとんど指導されていない。われわれが,ありのままの能力の発達を

みるには,かえって好都合であった。)

 われわれは,同一児童に,6年間

    第1掌期末   ともだち      2     わたくしのうち      3       せんせい

という題で30分ないし45分(だいたい書き終おるところ)書かせた。1年の第

1学期末には, 「作文」ということを知らない者もあって,ひとり,ふたりの

:友だちの名前を書いたもの, 「……さん……さんとあそびました」という程度

のものであったが,第2学期末には,ほとんどみんなの老が,作文ということ

がわかって,:文章を書いた。

 いままで,低学年,中学年の段階では,分量の発達,文字の誤りや文法上の

誤りの減少,句読点の使い方の発達のような形式方面の考察が主であったが,

高学年は全体として,文章がひきしまり,考えかたや物の見かたが進み,それ

が文章の組み立てやことばの使いかたにあらわれる時期であるから,その方面

を主にしてみて行くことにしたい。

 2。 第1学期末作文「ともだち」

5   年

 (1)4年生の時よりもずっと「行かえ」をするようになった。それだけ段落   意識ができたといえる。行かえしている考の数は25名(全体で47名.ほか   に1名詩)である。もちろんその区切りかたはたいていはでたらめで,ほ

  んとうの段落ではないものが多い。

 (2) 4年生の時の書き出しは,

    ぼくは…・…・・

    ぎょうは…・

  というのが多かった。5年生では,

    私のともだちはたくさんいます。……      .     私にはおともだちが大ぜいいます。一…

    うちのほうには,おともだちが,いっぱいいます。……

    私しめともだちは,だいたい二十入ぐらい,います。…… .

  とい5ような前おきではじまるものがかなりある。また,

    ぼくのなかよしの友だちはたくさんいますが,○○くんはとくにすきです。…

    私の家の近かくに○○¢5X?んというお友だちがいます。……

  というように特定の友だちを出して来るものがある。はじめから,漁分で

    ○○鱈

  という愛馬をつけてそのひとりについて書いているものがある。 (これは   上位生)

    ともだちといえば恩い出すが……

  という書き出しもある。tt(これも上位生)

 (3)下位生では4年の「ぼくは……」rきょうは・・…・」という書き出しの場

  合と同じく,友だちと遊んだことを,友だちを描き出すよりも自分を主に   して書く。しかし,特に4年生の時とのちがいをさがすと,やはり,書き   出しに

    こないだ○○ちゃんとけんかをしました。……

      86

   まえの夏ぼくはいなかへいきました。……

 というような,位置づけがあって,それから事件にはいっている。その位

 置づけが高学年的特徴であるといえよう。

(4)中位生,下位生の中セこ,

   七月二日    いった日八月三日

 という副題をつけて,友だち(いなかの)と遊んだ時のことを書いたもの

 がある。これも一種の位置づけであり,書こうとする主題の意識である。

⑤ である体は2名(上位生,中位生)

 「詩」として短いことぽを書いたもの1名(上の下)、

(6)丈のひじょうに長いものがある。最高は400字づめ5枚びっしり1名,

 つぎは1500字以上が3名もいる。

⑦ 下位生はだいたい事件的あるいは羅列的で,話があれこれになってよく  つかめないもの,話はわかるが切れ濯のないもの,そうしてどこといって

 中心点のないもの,および,ひとつのことをくりかえしくりかえ.し述べて

 発展のないもの(低学年,中学年的症状)である。上位生は,これに対し  て,特にひとりの友だちを選んで述べたり,ある一群の友だちについて述

 べたりしている。友だちについて,子どもの文に出て来るところでは,

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学校の友だち 近所の友だち

しんせきの友だち いなかの友だち 前の学校の時の友だち 漏れた友だち(おさな友だち)

 の6種類ある。下位生が取りあげるのは,たいてい2,3,4および1で  ある。中位生,上位生は1,5,6である。

⑧ 上位生は文字がきちんと書けていて,漢字の含有率も多い。だいたい,

杓心的に観血って書いている。句点(。)を使っている。下位生はかなが

 多く,つづけ書きで,切れ目がない。

(9)かな文字の習得の不完全(下位生に見出される)

    とべたい(とべない)

    おもしるい(おもしろい)

    駅のてつぼうみたいところど(で)あそんど(で)まってます

⑩ ことぽの聞き取りかた,書き写しかたの不完全(下位生に多い)

    こおちゃんというしとがいます

    あさからはこねの(箱根)しつもの(ん)があった     いっしょうにうつしえをして あそんだりしています     よく おもって(おごって)くれます

⑪ 文に欠けたところがある。 (中位生)

    私のともだちはたくさんいます。私の家のそばに けいこちゃんといいます。

    ぼくのまえいたところは,うらわの高さご町す。そこ嬉は,しげちゃん,よっ     ちゃん。てるみちゃんに,たみちゃんに。ひでちゃんに。としはるちゃんです

⑫ ことぽの重複:がある

    わたしはせきのさんと こうちゃんと しんせぎの人と わたしで ひろぽに     いきます。

⑬ことばめ使用め不適切      『

    まだ その子がこして来たのはわたしが一年生のときでした。

6   年

(1) 5年生の時とくらべて,全般に,学級の:友だちのことを書いたものが多   い。学習め時めことや遊び時間,登校下校の時の交渉から,すききらい,

  いじわるだ,しんせつだということになっている。

(2)男子にはあだ名のことを問題にしているのが多い。

(3)女子をこは,特に自分のすきな人というのがあって,その子のことを書   く。またなぜその相手が変ったか,そういう事情を書くものが多い。

(4)男子には,友だちを数々あげ,特にすきな人ときらいな人とを列挙して   いるようなのもある。

 (5)ひとりだけ(男子,優秀児),友だちのごとを書きはじめてから三行で   やめて,飼っている手乗り文鳥のことを友だちだとして書いている。

⑥ 中位生,、下位生には,まだ,友だちのことでなく,自分の遊びを中心と   して,そこに友だちが登場してくるものがある。

 (7)はじめに友だちの分類をしているものがある。 (女子,優秀児)

       88

   わたしの友だちは,このくらすと,むこうの学校の友だち,家の方の友だち    と,とてもたくさんいます。……

⑧ 友だちの批判とか希望などもあらわれている。

   私のお:友だちは たいてい はっぽうびじん(八方美人)ですます(まず)そ    ばのおともだちからかぎます。……

   ……私は,これらの入と いつまでも仲よくしていきたいと思っています。…

(9)友だちというものの意義を考え,感想や意見を述べているようなものも  ある。

  ・僕が この学校へ転校してから もはや三月半になる。今では 多さんの友達    も謁来た。……

    …今まで知らなかった駈を親切に教えてくれる 友達とは本当にいいもの    だ。前の学校も友達は大勢いた。「友達とはどこへ行っても変わらないもの    だ」.≧思った。……

   「友だちの言うことはよく聞くものだ」と思った。……

   友達とは みんなおたがいに助けあって行くものである。 (男子)

  ・ぼくは,五年の蒔に,この孝校へ,来ました。その時ぼくは,見なれない土地    へ,来て,さびしい気持に,なりました。でも,すぐなれました。組の人全部    が,ぼくの友だちになってくれました。それから,.一年閥,ぼくは,あらゆる    人と友だちに,なりました。その時,ぼくは,友だちと,いうものは,なくて    は,ならないものだと,思います。……

   この学校はかんきょうが,わるいので,ませた子どもも,いるが,その人の,

   欠点を,友だちとして,なおしてやろう,そして,どの子にも,美点が,ある    はずだと思う。その子供のよいところは,おたがいに.,まねしあって,よい子    供に,なるのが,いいと思います。まして,このように,みんな.國じに,共    問生活を,している時には,一人だけのけものに,しないで,組の:友だちも,

   学校全体の人も,みんな,友だちに,なるのが,濾んとうだと思小ます。

      (男子)

  このふたりとも転記して来た子で,友だちのありがた味を知っているわ

 けである。

  第一の子は,おとなのまねをする子であり,第二の子は成績も上位の子

 であるが,とにかく,6年になると,こういうように,むずかしい理くつ

 をおぼえ,またむずか しい語句を使うようになる。S年の時とはずっとち  がって来る。

ドキュメント内 高学年の読み書き能力 (ページ 92-117)