シェルター滞在者が追加的な社会復帰支援を必要とする場合もあり、シェル ター・スタッフ自ら提供できるものもあれば、シェルターでは提供できないも のもあろう。シェルターは、被害者とともにニーズ・アセスメントを実施する とともに、必要なサービスをシェルターで提供できないときは他の組織への手 配を行なうべきである。このようなサービスとしては、教育制度への復帰、職 業訓練、小規模起業支援、所得創出活動、就職斡旋、財政的援助などが挙げら れる。このような支援の提供についてさらに詳しくは、第3章3.2.3を参照の こと。
4.7.8 身分証明書や旅行書類ならびに自発的帰還支援(被害者が経
由国・目的国に滞在している場合)
経由国・目的国のシェルター滞在者が必要な身分証明書や旅行書類を揃え、帰 還のための支援を得られるよう支援するのは、ほとんどの場合、支援提供団体 のスタッフの役目である。このような場合、シェルター・スタッフは次のよう な役割を果たすことになる。
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各種手続について担当者と調整を行なう。
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シェルター滞在者から関連情報を入手する。
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書類の処理の進行状況および完了までにかかる時間の見込みについて、シェ ルター滞在者に適宜情報を提供する。
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個別のケース支援計画が、支援の時間的枠組みおよびシェルター滞在者の全 般的状態にしたがって確実に策定されるようにする。
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出発前の計画および支援(フォローアップのためのサービスの案内を含む)
を行なう。
4.8 ケース支援計画の策定
シェルター・スタッフは、被害者ひとりひとりについて個別のケース支援計画 を策定するべきである。被害者との最初の面接後、面接担当者はシェルター・
マネージャーおよび他の関連のスタッフと会議を持ち、もっとも適切な支援の
あり方について話し合うことが求められる。被害者ごとにどのぐらい詳細・広
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範な支援計画を策定するかは、被害者の状態、差し迫ったニーズの程度、シェ ルターの資源、予想されるシェルター滞在期間および被害者の自由意志によっ て変わってくるだろう。支援計画の策定にかかわる推奨事項の第一案をまとめ たら、それを被害者とともに検討し、話し合うことが求められる。
被害者ごとのケース支援計画には、次のような記録を含めておくべきである。
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被害者に対して推奨・提供された支援の記録
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被害者が同意し、現に受けた支援の記録
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被害者が署名した同意書類
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シェルターからの退所前に達成されるべき、被害者の短期的目標の宣言
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被害者の目標およびケース全般にかかわる進展状況報告
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被害者の全般的進展状況に関する日録
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被害者の退所前に整えておくべきシェルター関連の書類
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被害者が家族または友人と交わしたやりとりの記録
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フォローアップ・ケアのための推奨事項および既に行われた委託
子ども・青少年のケース支援計画は、法定後見人、または子どもの保護にかか わる他の適切な機関と協議しながら作成することが求められる。どんな場合で も、被害を受けた子どもの意見や希望を、その子どもの年齢および発達水準を 適切に重視しながら考慮しなければならない。意思決定への参加をどの程度保 障するか、どのような支援計画を作成するかは、子ども本人の実年齢と精神年 齢によって変わってくるだろう。
支援のもっとも適切なあり方および進展状況に関する話し合いは、個人カウン セリング・セッションの場で行なうのが通例である。
4.9 シェルターからの退所
ほとんどの場合、滞在者がシェルターから適切な形で滞りなく退所できるよう にすること、適切な手続にしたがって退所が行なわれるよう確認することは、
シェルター・マネージャーの責任である。また、シェルター・マネージャーま
たは他のスタッフは退所チェックリストへの記入も求められる。チェックリス
トの見本は、本章末尾の「シェルター退所時のスタッフ確認事項」 (資料5)に
掲げている。
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シェルターという環境で支援を受けた被害者に対しては、シェルターにおける サービスの質やふさわしさについてフィードバックする機会も提供されるべき である。滞在者との個別カウンセリング・セッションや支援計画立案のための 会合のときにサービスについて尋ねるほか、退所前に書面でのフィードバック を求めてもよいだろう。フィードバックを得る目的で、退所の1日か2日前に 滞在者に退所アンケートを渡しておき、退所日に回収するというやり方も考え られる。アンケートはファイルに綴じこんでおき、毎月末のスタッフ会議で検 討するのである。「滞在者退所時アンケート」の見本は本章末尾の資料 6 に掲 げている。
4.10 記録の管理
シェルターごとに、シェルターの記録および滞在者・スタッフに関するあらゆ るデータの収集・保管・活用についての方針と具体的手続・指示を、書面で定 めておくことが求められる。
シェルターのあらゆる記録は、支援提供団体が安全確保のために定めた手続に したがって、また個人データの収集・保管・使用・開示に関する国内的・国際 的ガイドラインにしたがって取り扱われるべきである。
被害者やスタッフに関するあらゆる書類は、詳細な個人情報が記載されている か否かにかかわらず、必要がなくなった時点で秘密廃棄物として破棄し、シュ レッダーで断裁することが求められる。(データの安全確保についてさらに詳 しくは、第 1 章 1.2 および第 5 章 5.17 を参照のこと)。
備考
1 S. Kahill, Interventions for Burnout in the Helping Professions: A Review of the Empirical Evidence, Canadian Journal of Counseling Review, 22:3 (1988)から加筆修正のうえ引用。
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資料 1:スタッフ行動規範の指針
はじめに
本項では、団体の指導的原則または使命を述べてもよい。行動規範の必要性を
明らかにしておくことも考えられる。スタッフの行動が団体の目的達成に寄与
するようにすること、団体の評判を維持すること、団体のスタッフに期待され
る行動の基準と専門性について明示し体系化することなどである。
ドキュメント内
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