232.1.4.2 犯罪者
要件審査プロセスは次の 2 つの段階から構成される。
16. 面接対象者には、選択・移動の自由がどの程度あったか。
人身取引被害者は、仕事の性質、労働時間、提供しなければならない役務 に関して、選択の自由をほとんどないしまったく認められていない。さら に、多くのケースでは移動の自由もあまり認められていないのが通例であ り、隔離と同然の状態に置かれ、ひとりまたは複数の人身取引加害者の同 伴なしでは外出も許されないことが多い。
追加の補強資料
裏づけとなる追加資料は、被害者の陳述を確認し、判断手続に役立てる目的で 利用することができる。証明書類その他の裏づけ資料は、警察や協力関係にあ るNGOから入手できる場合もあれば、被害者自身が提供してくれる場合もあ ろう。以下は資料の例である。
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警察・出入国管理当局の報告書
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旅行書類・チケット
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出国・上陸カード
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外傷の治療報告書(委託前に行なわれた治療か、支援プロセスを通じて行な われた治療かは問わない)
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雇用契約書のコピーまたは求人広告のコピー
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被害者が書いた日記・手紙
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証人による証言
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搾取現場の写真
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医師または心理学者による診断書
決定
面接を終えるにあたり、面接担当者は、入手できたあらゆる情報を総体的に評 価することが求められ、それらはこれまでに取り上げてきた通り、次の三つの 分野に分類される。
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面接前のアセスメント指標(前掲 2.2 参照)
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要件審査面接における被害者の回答
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追加の補強資料(上述)
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そのうえで、面接対象者が人身取引被害者なのか、密入国した移民なのか、不 正規な状況にはいるが単独で行動する経済移民なのか、或いは搾取されたりぜ い弱な立場に置かれていて支援を必要としている別のカテゴリーに属する者な のかを、事情が許すかぎり正確に、なおかつ利用可能なあらゆる情報にもとづ いて判断することが必要になる。その判断が行なわれれば、支援提供団体は、
自分たちのプログラムを通じての支援することができるか、または他の団体へ 委託し支援を求めることが可能かどうかを判断することになる。
要件審査の結果、人身取引被害者としての支援を受ける要件が満たされていな いと判断された場合、または面接対象者が支援の申出を断った場合には、面接 担当者は「備考」欄にそのような決定に至った理由を簡潔に記載しておくこと が推奨される。このことは、その後に苦情が申し立てられた場合の自己防衛の 手段となりうるし、その情報を今後のプログラム手続の改善のために活用する ことも可能である。
いずれにせよ、面接対象者に対しては、受けられる可能性のある支援や援助、
支援を提供できるかもしれない団体、犯罪の告発を選択するのであれば告発先 とその方法、利用可能な法的支援・保護についての情報を提供することが求め られる。
追加事項
面接書式の最後には「備考」欄が設けられており、他の箇所には記録されてい ないその他の関連データを記録するために利用することができる。
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注:回答の選択肢として「不明」が設けられている質問も少なくない。ここでは、「不 明」というのは要請されているデータが「入手できない」ということである。したがっ て、いずれかの質問について、面接対象者には答えが「わからない」場合、その質問が 特定の人物ないし事情に「当てはまらない」場合、面接対象者が質問に「答えなかった」
場合には、総じて「不明」に丸をつけることになる。
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備考
1 国連・国際組織犯罪防止条約を補足する「人(特に女性及び児童)の取引を防止し、抑止し及び
処罰するための議定書」。h t t p : / / w w w . u n c j i n . o r g / D o c u m e n t s / C o n v e n t i o n s / d c a t o c / final̲documents̲2/convention̲eng.pdf; http://untreaty.un.org/English/notpubl/18-12-a.E.doc.
2 IOM (2003). Trafficking in Persons: An Analysis of Afghanistan. International Organization for Migration, Kabul, Afghanistan.
3 Rosenberg, R. (Ed.) (2003). Trafficking of Indonesian Women and Children. International Catho-lic Migration Commission and the Solidarity Center: Jakarta, Indonesia.
4 U.S. State Department (2005). Trafficking in Persons Report: June 2005. United States Depart-ment of State, Washington, DC.
5 UNICEF (n.d.) Fact Sheet: Trafficking. UNICEF. http://www.unicef.org/protection/fi les/
trafficking.pdf よりダウンロード。
6 ILO (2005). A Global Alliance Against Forced Labour: Global Report under the Follow-up to the ILO Declaration on Fundamental Principles and Rights at Work 2005. International Labour Office, Geneva, Switzerland.
7 未成年者の面接・支援に関するさらなる指針として、以下も参照:Guidelines on the Protection of Child Victims of Trafficking: Provisional Version. 2006. UNICEF, Child Protection Section, NY;
UNICEF Reference Guide on Protecting the Rights of Child Victims of Trafficking in Europe.
2006, UNICEF Regional Office for CEE/CIS http://www.unicef.org/ceecis/protection̲4440.html;
United Nations Convention on the Rights of the Child: General Comment on Treatment of Unac-companied and Separated Children Outside their Country of Origin: http://www.unhchr.ch/tbs/
doc.nsf/(symbol)/CRC.GC.2005.6.En?OpenDocument〔邦訳:「出身国外にあって保護者のいない 子どもおよび養育者から分離された子どもの取扱い」に関する国連・児童の権利委員会の一般的 意見;http://homepage2.nifty.com/childrights/crccommittee/generalcomment/genecom6.htm〕;
Let’s Talk: Developing Effective Communication with Child Victims of Abuse and Human Traffick-ing. September 2004.UNICEF: Kosovo.
8 Home Office, Crown Prosecution Service, et al. (2001). Achieving Best Evidence in Criminal Proceedings: Guidance for Vulnerable or Intimidated Witnesses, Including Children. London: Crown copyright.
9 このような場合、面接対象者をいちおうの被害者として扱い、回復・熟考の時間を与えたうえで、
確固たる判断ができるようになるまで適切なサービスを提供することが求められる。