被害者に情報パックが手渡され、同意にかかわる問題がかたづいたら、シェル ター、その方針および関連のサービスに関するその他の質問に対応することが 求められる。被害者がどのような質問をしてきても、面接担当者はできるかぎ り回答するべきである。特定の質問にどのように答えればいいのかよくわから ない場合、質問をメモしておいて他のシェルター・スタッフと話し合い、被害 者にその結果を知らせることが求められる。
4.5.11 生活必需品パックと初期回復期間
最初の面接が終了したら、被害者にシェルター内を案内し、生活必需品パック
(必要に応じて衛生用品および季節に合った衣服を含む)を渡し、就寝場所を
指定することが求められる。私物を保管しておけるロッカー(または鍵のかか
るキャビネット)が用意できれば、より望ましい。
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被害者に対しては、早めに自分の就寝場所に行って休むことを認めるべきであ る。シェルター・スタッフとしては、シェルターの日課がきちんと守られるよ うにつねに配慮するべきではあるが、シェルターの新規滞在者が通常の日課に 適応できるようになるまでには少なくとも数日を要することも考慮する必要が ある。それまでに他のシェルターで通常の時間にあわせて生活した経験がない 被害者は、夜中には起きたままで、昼間、細切れに眠ることが習慣化している 可能性もある。毎日の運動とあわせて日課をゆるやかに変えていくことは、滞 在者が通常の時間に適応する上で役に立つはずである。
ほとんどの場合、新規滞在者は他の滞在者と寝室を共有することになる。ベッ ドが複数空いているのなら、新規滞在者が選べるようにしてもよい。シェル ター・スタッフは、遅くとも新規滞在者の到着の数時間前までに、他の滞在者 に知らせておくべきである。
シェルター・スタッフのなかには、新規滞在者のためのスペース作りを他の滞 在者に頼むことで仲間意識が生まれ、助け合いの気持ちを醸成することにつな がると考える者もいる。複数の国籍の滞在者がいる場合、同じ国籍の者どうし で同室になることを好むのが普通である。ただしスタッフは、おたがいにうま くやっていく力が滞在者にあるかどうかを考え、滞在者にとって最もしっくり 来る、最も居心地のいい部屋割りにするよう努めることが求められる。
シェルターに十分なスペースがあれば、個室を設けてもよいかもしれない。た だし、人身取引被害者は部屋でひとりきりで過ごすことに慣れていない可能性 もあり、他の人々と部屋を共有するほうが居心地がよく、安心できると感じる 場合もある。可能であれば、この点についてどのような対応をとるのがよい か、被害者と話し合うべきである。
4.6 子どもに関する特別の考慮事項
(未成年者のケアおよび面接についてさらに詳しくは、第 5 章 5.6 を参照)。
人身取引の被害を受けた子どもは、可能であれば常に自分と同じ年頃・性別の
子どもとともに保護されるべきであり、成人との混合滞在は避けることが求め
られる。シェルター・スタッフは、傷つきやすい立場に置かれた子ども、とく
に性的虐待を受けた子どもに対応するための特別な訓練を受けているべきであ
る。シェルター・スタッフはまた、保護者のいない未成年者や被害を受けた未
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成年者の保護にかかわる地域ごと、国ごと、国際社会の基準も参照することが 求められる。どのような場合でも、シェルター・スタッフは、それぞれの子ど もが置かれている状況およびその子どもの最善の利益を考慮しなければならな い。
4.7 シェルターにおけるサービスと支援
シェルターに滞在する被害者には、第3章3.2.3で述べたような社会復帰支援 も必要な場合もある。シェルターでこのような支援を直接提供できないとき は、シェルターに滞在中の被害者を他の団体に委託してこれら支援を受けられ るようにすることもできる。以下、これらの支援をどのように提供するかにつ いては繰り返さず、シェルターで提供されるサービスと支援にかかわる特有の 状況について説明する。シェルター・スタッフは、支援を受けている被害者と ともに、シェルター滞在者ひとりひとりについて個別のケース支援計画を策定 することが求められる。
...
シェルターにおける支援としては次のようなものが考えられる。
■ カウンセリング
■ 医療ケア
■ 心理的ケア
■ 精神医学的ケア
■ 法的支援
■ レクリエーション活動
■ 追加的社会復帰支援(教育、職業訓練、所得創出、就職斡旋、財政的支援)
■ 身分証明書・旅行書類ならびに自発的帰還支援
■ 出発前の支援
...
シェルターで提供されるこれらのサービスおよび支援について、以下、もう少 し詳しく説明していく。
4.7.1 カウンセリング
個人カウンセリングおよびグループ・カウンセリングは、シェルターで提供さ
れる重要なサービスである。個人カウンセリングについては第3章3.2.3.2で
説明した。人身取引被害者への精神衛生面での支援提供についてより詳しく
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は、第 5 章 5.12.2 も参照されたい。また、多くのシェルターでは定期的なグ ループ・カウンセリングや被害者のための教育セッションも行なうことになろ う。グループ・カウンセリングの目的は、安全で支えとなる環境を被害者に提 供し、個人的スキルや対人関係のスキル、とくに感情をより効果的に表現する 能力を発達させられるようにするところにある。
グループ・セッションは、積極的な学習を促進するとともに、被害者が問題に 取り組み、自分が抱える問題について話をするのを奨励するような形で組み立 てるべきである。グループ・セッションでは、他の人々も似たような経験と困 難をくぐり抜けてきたことを知り、他の人々の問題への取り組み方に耳を傾け るなかでお互いについて学ぶ機会を、被害者に提供することが求められる。
グループ・カウンセリングへの参加は厳格に自発的意思にもとづいて行なわれ
るべきであり、また被害者の特別なニーズ、年齢および文化背景に応じてセッ
ションの持ち方を修正することが必要である。
ドキュメント内
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