第1章 で説明したとおりの手続で、被害者認定・支援プロセスのできるだけ早 い段階で実施するべきである。
前掲 3. 1.1 で多国間での委託手続きについて述べたのと同じ基本的考慮事項 が、一国内での委託についても当てはまる。
3.2 社会復帰
3.2.2 社会復帰のプロセス
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社会復帰計画は、たとえ将来的に変更しなければならない可能性があるとして も、支援団体(たとえば国際機関、NGO、政府機関)と被害者との間で書面 として作成することが推奨される。具体的な書式は国によっても団体によって も異なるだろうが、次の要素のうち該当するものを含め検討するのが通例であ る。
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家庭内調停/家族再統合
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医療/保健関連
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財政関連(再定住のための援助金、家族・被扶養者の扶養援助金)
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法律関連
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教育/職業訓練/実習
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所得創出活動
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安全確保
前述したとおり、支援は、十分な情報に基づく被害者の全面的同意がある場合 にのみ提供するようにしなければならない。そのため、支援提供団体として は、上の要素のうち該当するものひとつひとつについて、同意書に被害者の署 名を得ることを検討すべきである。未成年者の場合、本人に加え、その親また は公的後見人の署名を得ることが求められる。
実際の社会復帰計画は、以下に見るように、モニタリングと事後評価の手段と
しても機能するものである。
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かし、実務上の理由から、多くの支援は他の団体や政府が提供しなければなら ないこともある。場合によっては、ひとつの団体だけではすべての支援を提供 するだけの力がないため、またはその団体が被害者の居住地で活動していない ために、他の団体に頼って支援を提供してもらわなければならないこともあ る。同様に、フォローアップの治療やモニタリングも、被害者の居住地の近く に事務所がある団体にまかせる必要が出てくるだろう。
人身取引被害者に社会復帰支援を提供する手順には、主に次の 3 つがある。
...
■ 受入れ先の支援提供団体による初期の支援
■ 受け入れ先の支援提供団体または他の団体への委託や政府による社会復帰のための長 期的支援
■ 被害者に対する政府の支援(労働省・教育省等)
...
3.2.2.2 受入れ先の支援提供団体による初期の支援
このような支援としては、到着時の支援、即時に提供される総合的な医療・心 理的検査および治療、短期の住居、被害者が有するその他の種々の社会的・法 的・経済的ニーズにかかわる支援などがある。受入れ先の支援提供団体は、社 会復帰プログラムを通じて支援への依存状況が生じることがないようあらゆる 努力を払うべきであり、被害者が通常の生活への復帰と自立を達成できるよう 支援することをめざすべきである。ただし長期的支援は、非政府系または政府 系の支援制度によって提供されなければならない。
3.2.2.3 社会復帰のための長期的支援
被害者に対する長期的支援は、効果的な社会復帰のために必要である。受入れ
先の支援提供団体が適切なサービスを実施しているなら、それら支援をまとめ
て直接提供してもよい。そうでない場合、ひとつないし複数の地元 NGO が
サービスを提供することもできよう。NGO は、被害者に直接支援を提供する
だけではなく、社会復帰アセスメントの実施や社会復帰計画の作成・実施を担
当する(または実施を支援する)上でも有利な立場にある。さらに、社会復帰
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の再統合の進展状況を継続的にモニタリングする上でも、きわめて重要な役割 を果たすことが可能である。
被害者が安全に、かつ人間らしい形で社会に復帰できるようにするための活動 としては、次のようなものがある。
...
■ 人身取引被害者に対する、その居住地での医療・心理面での検査および治療/カウン セリング
■ 家庭内調停/カウンセリング
■ 被害者の居住地における社会復帰プロセスのモニタリング
■ 人身取引の被害を受けた子どものための居住・ケア体制のモニタリング
■ 復学のための支援
■ 職業プログラムの開発
■ 被害者のための職業相談・職業訓練
■ 職業斡旋および就労相談
■ 被害者の再定住・職業訓練のための支援金
■ 失った公的書類(身分証明書や旅券等)の回復のための支援
■ 民事上の問題(離婚、財産の回復、民事責任)にかかわる法的支援
■ 刑事事件で証言をする被害者を対象とする法的助言および法的代理(後掲3.2.3.4お よび第 6 章 6.5 も参照)
■ 電話による緊急・情報ホットラインの運営
■ 定期的接触を維持することによる被害者の安全確保
■ 被害者に寄り添うことによる情緒面での支援、被害者が必要なサービスにアクセス し、その権利が尊重されるようにするための援助
■ 安全な移送手段の提供
...
受入れ先の支援提供団体は、地元NGOや国際NGOのネットワークを支援し、
またこれと緊密に連携しながら活動すべきである。このような支援と連携は、
被害者の効果的な社会復帰のみならず、社会復帰支援体制の継続性の面でも重 要な役割を果たす。
覚え書その他の文書での合意を通じて正式な協力関係を結ぶことは、両方の組
織が自他の役割と責任を確実に理解する上で、有益である。委託元の支援提供
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団体は、提供される支援の効果と質を確保するため、被害者支援を委託した先 の団体の活動をモニターすることが求められる。
3.2.2.4 被害者に対する政府の支援
人身取引被害者に対する社会復帰支援は、ときには直接、政府機構を通じて 提供されることがある。あらゆる支援の場合と同様、政府と覚え書を交わし、
それぞれの権能・責任や提供するサービスについての合意事項をはっきりさせ ておくことが有益である。政府が人身取引被害者に提供する社会復帰支援は、
社会相談・職業相談、職業訓練、健康関連の支援、保護、種々の形態の教育へ
の復帰という形をとることが多い。
ドキュメント内
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