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要件のそれぞれが存在していなければ、議定書違反にはならない。

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認定作業(要件審査)

これらの 3 要件のそれぞれが存在していなければ、議定書違反にはならない。

ここに挙げられた行為は、これらの手段のいずれかを用いて実現されなければ ならないし、行為と手段のいずれもが搾取という目的の達成に向けられたもの でなければならないのである。3つの構成要件のうちいずれかひとつが欠けて いれば、国連議定書で定められている、人身取引罪が成立するための必要条件 は満たされなかったということになる(子どもの被害者については特別な例外 が定められており、第 3 条(c)号で、議定書違反となるためにはこれらの手段 が用いられなければならないという条件が明確に除外されている)。

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国連・人身取引補足議定書の定義

2000年12月にイタリア・シチリア島のパレルモで締結された国連人身取引補足議定 書は、3 条で次のように規定している。

(a)「人身取引」とは、搾取の目的で、暴力その他の形態の強制力による脅迫若しくは その行使、誘拐、詐欺、欺もう、権力の濫用若しくはぜい弱な立場に乗ずること又 は他の者を支配下に置く者の同意を得る目的で行われる金銭若しくは利益の授受の 手段を用いて、人を獲得し、輸送し、引き渡し、蔵匿し、又は収受することをいう。

搾取には、少なくとも、他の者を売春させて搾取することその他の形態の性的搾取、

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強制的な労働若しくは役務の提供、奴隷化若しくはこれに類する行為、隷属又は臓 器の摘出を含める。

(b) (a)に規定する手段が用いられた場合には、人身取引の被害者が(a)に規定する搾取 について同意しているか否かを問わない。

(c) 搾取の目的で児童を獲得し、輸送し、引き渡し、蔵匿し、又は収受することは、(a) に規定するいずれの手段が用いられない場合であっても、人身取引とみなされる。

(d)「児童」とは、18 歳未満のすべての者をいう。

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人の密入国と人身取引を区別するには、以下の点が参考になる。

行為−人身取引加害者も密入国仲介人も、人を輸送して引き渡す。したがっ て、どちらも、国連議定書に定められた犯罪の第一段階は実行していることに なる。

手段−密入国仲介人は通常、3 条に掲げられたどの手段も用いない。暴力、欺 罔、権力の濫用といういずれかの手段で人の自由意思がゆがめられるという要 素はない。したがって、人身取引罪の必須構成要件であるこの条件は満たされ ず、この点において人を密入国させることは人身取引から区別されることにな る。

目的−密入国仲介人は密入国しようとする者のぜい弱な立場を濫用していると

いう主張ができる場合もあるかもしれないが、だとしても、3条に掲げられた

ようなやり方で移民を搾取することを目的としていない。密入国仲介人と密入

国する移民との関係は、対価の支払いを背景として、ある国を出国し国境を越

えて別の国に入国することだけを目的とする。両者の関係は、不法な入国が達

成された時点で終了する。入国後に移民がどうするかはもはや密入国仲介人の

関心事ではなく、この点が人身取引加害者と異なるところである。

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人の密入国と人身取引との関係

人身取引の被害者が、最初は自ら望んで密入国した移民であったことは多い。しかし、

密入国仲介人と移民との関係が外国への入国時に終了せず、仲介人が密入国した移民を 支配し続け、上述のような手段を用いて搾取の下で働くことを強制すれば、状況はもは や人の密入国が起こったのではなく、人身取引が起こったということになる。また、密 入国した移民は、目的国への入国と同時に人身取引の被害を受けやすくなることが多い。

密入国した移民は、入国後、最初の密入国仲介人とは無関係の別の者により採用・輸送・

搾取されることがある。たとえば米国へはメキシコ人がしばしば密入国するが、米国内 でぜい弱な立場に置かれているメキシコ人移民を人身取引加害者が狙いをつけて採用し、

他の地域に輸送して強制労働をさせるのである。

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法的文脈のなかで人身取引と人の密入国を区別するもうひとつの手段として有 用なのは、国連・移民の密入国補足議定書(国際的な組織犯罪の防止に関する 国際連合条約を補足する陸路、海路及び空路により移民を密入国させることの 防止に関する議定書)を作成した国際法の専門家が、国連・人身取引補足議定 書とは異なるアプローチをとったことに着目することである。定義で用いられ ている法律上の文言の違いは、移民の密入国補足議定書と人身取引補足議定書 を並べてみれば浮かび上がってくる。移民の密入国補足議定書は被害者ではな

く、締約国の権利の侵害に焦点を当てていることが歴然としている。 「被害者」

という言葉は、移民の密入国補足議定書には出てこない。それどころか、国が

「被害者」と見なされている。また、人身取引は国を超えてでも一国内でも行 なわれうるし、それにともなう人の移動は合法的な場合もあれば非合法な場合 もある。他方、密入国は、二国間以上の国境を不法に越えるという行為が常に ともなう。

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国連・移民の密入国補足議定書

国連・移民の密入国補足議定書は次のように規定している。

(a)「移民を密入国させること」とは、金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接 に得るため、締約国の国民又は永住者でない者を当該締約国に不法入国させること をいう。

(b)「不法入国」とは、受入国への適法な入国のために必要な条件に適合することなく 国境を越えることをいう。

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