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つのシナリオでは、目的国または経由国の委託元組織 3 が、被害者の 自発的帰還支援と出発前の支援を手配するとともに、出身国の受入れ先団体が

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613.1支援のための委託と移転

最初の 3 つのシナリオでは、目的国または経由国の委託元組織 3 が、被害者の 自発的帰還支援と出発前の支援を手配するとともに、出身国の受入れ先団体が

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3.1.1.1 国際的渡航の準備手続

被害者の権利を尊重するため、支援提供団体は、被害者の帰還が自発的なもの であること、十分な情報に基づく書面での同意の上であることを確認しなけれ ばならない。そのため、帰還支援を行う団体としては、被害者に自発的帰還宣 言書への署名を求めることも考えられる。

自発的帰還支援を行うのに必要な平均的な日数は、各国の状況とひとりひとり の事情によって変わってくる。当然、必要な書類をすべて揃えるための時間も 必要だが、心理的また健康面での安定を図るためにも、被害者が重大な決定を 行なう前に安心できる安全な環境で複数の選択肢について熟慮する機会を持て るようにするためにも、時間が必要である。

この時間的要素は、被害者の帰還前の支援提供において重大な役割を果たす。

ほとんどの事案で、出身国への安全な帰還を準備する手続には数日から数週間 かかるものであり、提供される各種支援の範囲はこれによって決定されること になる。被害者に直結する心身面での充足は、出発前の段階における主たる関 心事項である。したがって、安全と健康にかかわる問題を優先させるのが通例 だが、時間があり、利用可能な場合には他の支援を提供することも考えられ る。

被害者と最初に出会った段階で切迫したニーズがない場合には、最初の1日は 回復期間とすることが被害者に認められるべきである。その上で、担当者を交 えて今後の身の振り方と支援の可能性を検討する作業は後日(多くは翌日)行 なうことになる旨、伝えておくことが求められる。

出発前の医療支援

出発前の医療支援は、通常、基礎的または緊急の保健ケアと、基礎的医療診断

に限定される。基礎的医療診断にあたっては、感染性が強く、他の被害者や支

援提供組織のスタッフの健康に影響を及ぼす可能性、または滞在や渡航中に公

衆衛生上のリスクをもたらす可能性がある病態(たとえば結核)が存在しない

かどうか、特に注意を払うことが求められる。被害者の病態の評価を行なうの

は、何らかの健康上の問題のために、被害者の安全な渡航が妨げられたり、帰

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還中、陸路および(または)空路で医療支援が必要となるような保健衛生上の 問題がないかどうか、判断するためである。

この問題の扱いには配慮が必要であり、治療も緊急の身体的・心理的ニーズへ の対応のみを目的としたものに限定することが求められる。被害者に対して長 期の治療や投薬を開始しても、たとえば投薬制度の違い等のために帰還先の国 で同じ治療・投薬を続けられないおそれがあり、これは避けなければならな い。被害者が緊急の健康上のニーズを抱えており、被害者の帰還まで対応を遅 らせることが危険である場合には、支援提供団体と契約している適切な免許を 有する医師が治療にあたるか、国による治療が提供されるべきである。医療上 の特定の事情のために出身国で治療を行なえないことがわかっている場合に は、目的国または第三国で支援を提供するよう努めるべきである。

何らかの特別な病態があり、到着後に必要な援助の種類や規模に影響を及ぼす 可能性がある場合には、受入れ先団体に伝えておくべきである。

一時滞在場所

安全な帰還支援の手配と調整にどれぐらい時間がかかるか(健康と安全にかか わる問題も考慮に入れながら判断することが求められる)によって、被害者が 安全に滞在できる場所を暫定的に確保する必要が生ずる場合もある。支援提供 団体自身がシェルターを開設していないときは、地元の NGO、政府機関を通 じて滞在場所を見つけることもできるだろう。

仮の旅行書類および(または)査証

被害者は、身分証明書や旅行書類を人身取引加害者に没収され、手元に何も残

されていない場合がある。仮の旅行書類および(または)身分証明書をなるべ

く早く発行してもらうため、関連の大使館または領事館に連絡をとって代わり

の旅行書類を取得することが必要になるが、この手続は官僚的で時間がかかる

ことが多い。ただし、被害者が庇護申請の希望を表明している場合、または庇

護手続が進行中の場合には連絡をとるべきではない。目的国に駐在している関

係あると思われるあらゆる外交団に連絡をとり、支援提供プログラムについて

説明するとともに、被害者の帰還の便宜を(どのように)図ってもらえるか確

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認するのは、通常は望ましい対応である。このような会合に先立ち、出身国の 受け入れ機関と調整しておき、会合に必要な追加情報を入手しておくことも推 奨される。

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安全確保のための注意事項

安全を確保するためには、情報の秘密を保持し、できるだけ少数の者しかその情報にア クセスできないようにするのが最善の手段である。信頼のおける善意の人物でさえ、被 害者や支援担当者に危害を加えようとする者に誤って情報を提供してしまう可能性があ る。したがって、大使館関係者や外交関係者を含むどのような人物と連絡をとる際にも、

必要な書類や支援を入手するために最低限要求される情報しか提供しないよう、配慮す るべきである。帰還することへの恐れを理由として庇護申請の希望を表明している被害 者については、大使館または外交機関による便宜を求めるべきではない。

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未成年者の帰還

人身取引の被害を受けた未成年者の自発的帰還をどのように援助するかは、複

雑で配慮を要する問題である。児童の権利委員会は、一般的コメント 6号のパ

ラグラフ84で次のように述べている。 「出身国への帰還は、そのような帰還が

子どもの基本的人権の侵害をもたらす『合理的おそれ』があると考えられると

き、そして特にノン・ルフルマンの原則が適用されるときは、選択肢とはなら

ない。出身国への帰還の手配は、原則として、そのような帰還が子どもの最善

の利益にかなう場合にのみ行なわれるべきである」。支援提供団体による帰還支

援が適当と認められるのは、人身取引の被害を受けた未成年者が、帰還したい

という意思を表明している場合、または法定保護者による同様の勧めに自由意

思で同意している場合であって、リスク・アセスメントの結果その子どもの

帰還の安全性が確認されているときに限られる。保護者のいない未成年者の帰

還または第三国への移動を支援する際には、次の点が確保されなければならな

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プロセス全体を通じ、あらゆる関係当事者にとって、子どもの最善の利益が最優先の 考慮事項とされなければならない(これは児童の権利条約に従うものであり、委託元 の国の国内法ないし政策・慣例でもその旨規定されているのが通例である)。

子どもの参加と、自己の見解を自由に表明する権利。

親または法定保護者の同意。

家族の追跡(ただし、家族の追跡がその子どもの最善の利益または追跡対象である家 族構成員の権利を脅かさない場合に限る)5

子どもや保護者に対する十分な情報提供とカウンセリング。

受入れ国で、家族による支援(その子どものケアをすることについての家族の同意お よびそのための能力)または適切なケアの提供者、および社会復帰のための援助体制 が存在するかどうか判断するためのアセスメント。

委託元の国の法律によっては、子どもは親代わりとしての権限を有する社会保障機関 の保護下に置かれなければならないことがある。この場合、未成年者が目的国から出 国する前に、当該機関の許可を求めなければならない。

人身取引に家族が関与した疑いがあるときは、そのような可能性が存在することにあ らゆる考慮を払うこととともに、人身取引の過程で家族の関与が要素のひとつであっ たか否かを明らかにするための家族アセスメントを実施することが重要である。

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安全上のアセスメント

自発的帰還の手続を開始する前に、ひとりひとりの被害者について安全上のア セスメントが実施されるべきである。安全確保上のリスクのアセスメントおよ びリスクの低減についてさらに詳しくは、第 1 章を参照。

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コミュニティによっては、家族に不名誉をもたらしたことを理由に、家族構成員が女性 を忌避し殺してしまうことさえ、文化的・社会的・法的に容認されている場合がある。

このような環境に戻ることによって暴力行為を受ける可能性があると被害者が考えてい る(またはそのように考えるに足るその他の理由がある)場合、自発的帰還に代わる対 応について被害者と話し合い、被害者の希望に従いつつそのような対応を積極的に推し 進めることが求められる。

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