3. 品目別 BtoB の現状と展望
3.1. 食品
3. 品目別 BtoB の現状と展望
3.1.2. 食品〜 2002 年の動向・背景
食料品/飲料では、業界内のおける自社の競争力強化のために、電子的なBtoB取引が 大手メーカー、大手卸業者、大手小売の間で盛んに行われてきたが、これらの多くは
TCP/IPベースのEDIではなく、各企業独自の従来型EDIであるため、独自データ・フ
ォーマット、独自商品コードが用いられている。TCP/IPベースのEDIによる受発注は、
①小売りが、ある特定期間に特定の商材を必要個数調達するためN対1型のeマーケット プレイスを活用する、②各企業独自の従来型 EDI システムを導入するに及ばない小規模 な取引先との間の受発注を電子化する、といった限定的な用途でしか使われていない。
商品コードは、食品メーカーにより様々で統一されていない(酒類のみは商品コードが 業界で統一されている)。そのため、食品メーカーと取引する卸業者は、自社独自の商品 コードを割り当て、商品マスタを作成し、電子化している。しかし、日本の食品業界は欧 米に比べ、商品アイテム数が極めて多く、商品ライフサイクルも比較的短いため、年間に 発売される新製品は数万点に及び、商品コードの割り当てや商品マスタへの登録が、卸業 者に大きな負担になっている。
上記のような負担を軽減すべく、大手食品卸の国分と雪印アクセスは2002年に商品コ ード管理と小売支援サービスを事業統合するための子会社「ジェフネット」を共同で立ち 上げた。両社は同業他社にも参画を呼びかけている。商品コードを統一し、商品マスタや カタログ情報を共有することは、不特定多数の企業間でオープンなTCP/IPベースのEDI を実現するためには不可欠なものであり、今後の展開が注目されている。
生鮮食料品についても電子商取引導入のメリットは存在する。加工食品における電子商 取引のメリットは主に取引処理の迅速化による商品回転の高速化にあったが、生鮮食料品 の場合は、商品に「誰がどこでどのように作ったのか」という付加価値情報をつけて販売 できることが最大のメリットである。例えば有機野菜のような少量生産の生鮮食料品の場 合、通常の卸売市場では大量に販売される通常製品の間に埋もれてしまって安く買い叩か れてしまう場合が多いという。しかし、このような商品はニーズにマッチした流通ルート に乗せられれば、より良い条件で販売できる。有機生鮮食料に対する消費者の関心は健康
志向の高まりと共に高くなっており、一部の大手スーパーなどでは生産者の顔が見える企 画商品が通常の商品より何割か高額になるにもかかわらず売れている。
生鮮食料品の生産者も徐々に「フーズインフォマート」「eあぐり」「ワイズ」といった eマーケットプレイスを販路として利用し始めているが、まだ少数派であり、大多数の農 家では、インターネット上での取引を経営の1プロセスとするという意識改革が必要とな る。生鮮食料品については、受発注をインターネット上で行うようになる前に、まずは商 品情報を提供する手段としての活用を定着させることが当面の業界目標となる。
3.1.3. 食品〜将来予測
食品のBtoB 電子商取引市場規模は、2007年に5,700 億円に拡大し、電子商取引化率
では0.9%に達する見込みである。
今後、食品では、強力なバイイングパワーを擁する大手スーパー/百貨店/外食チェー ンを中心とした調達のBtoB電子商取引が増加すると思われる。これは調達明細を公開し、
不特定多数のサプライヤーに入札させるもので、商品コードの統一など業界内での調整が 必要なく導入しやすい。また、トライアルではじめた企業が効果を出しはじめており、今 後本格導入へのステージに入ると思われる。
また、商品の販売や原材料の調達を目的とするアジアや欧米各国とのBtoB電子商取引 を推進する上でもTCP/IP技術を利用したBtoB電子商取引は不可欠であり、食品のBtoB 電子商取引市場規模を拡大する要因の1つのなると考えられる。
BtoB 電子商取引の利便性を向上させる標準化の取り組みとして、商品コードの業界統 一と平行してJANコード13桁からGTIN14桁への移行が進められており、行政による 舵取りが期待される。
また、生鮮食料品でも、「有機」「減農薬」という表記の定義が、当商品の付加価値を訴 求する上で大きな課題となっている。例えば「減農薬」という表記は「生産地における標 準的な農薬使用量」との比較で表現されており、実際にどの程度の農薬が使われているの
かを客観的に示す基準にはなっていない。業界を挙げての取り組みがここでも必要となる。
表 3-2「食品」BtoB電子商取引市場規模・電子商取引化率調査比較
2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 EC 市場規模(億円) 2,200 3,500 4,300 4,900 5,300 5,700 今回調査
EC 化率 0.49% 0.6% 0.7% 0.8% 0.8% 0.9%
EC 市場規模(億円) 8,170 11,700 19,200 32,000 51,900 81,800 前回調査
EC 化率 1.3% 1.9% 3.2% 5.2% 8.2% 12.6%
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 前回調査
今回調査
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 前回調査
今回調査
図 3-1「食品」BtoB電子商取引市場規模 調査比較(単位:億円)
図 3-2「食品」BtoB電子商取引化率 調査比較