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4. 品目別 BtoC の現状と展望

4.11. 金融

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 前回調査

今回調査

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2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 前回調査

今回調査

図 4-19「その他物品」BtoC電子商取引 市場規模調査比較(単位:億円)

図 4-20「その他物品」BtoC電子商取引 化率調査比較

4.11.2. 金融〜 2002 年の動向・背景

2002年末におけるネット専業銀行の上位4行の合計は100万口座に達している模様で ある。2001年末の段階では約60万口座と推計されており、利用者数は堅調に増えている。

利用者が増加した背景には、24 時間取引が可能、手数料が安い、預け入れ金利が高い などのネットバンキングのメリットが徐々に認知されてきていることが上げられる。また、

開業後約 1 年経過して、決済手段として採用する事業者が増えてきたことや利用可能な ATM 数が増えてきたことなどのサービスインフラが整ってきたことも大きな要因である。

もう一つ2002年の動向としてあげられるのは、地方銀行のインターネットバンキング への取り組みが活発になってきたことである。オンラインバンキングで先行する都市銀行 やネット専業銀行に対抗する形で顧客離れを急ぐ必要に迫られていることから、ネットバ ンキングに参入してきている。

証券業界ではオンライン事業から撤退した企業もあった。公知情報によると、ネット取 引を手がける証券会社は2001年の3月末の67社をピークに減少を続けており、2002年 9月末では60社になっている。このなかには準大手証券ではじめてネット取引から撤退 する企業が含まれているなど、厳しい状態である。過剰な手数料引き下げ競争で、収益力 が低下しているときに、株式相場低迷の影響を被ってしまった背景がある。

また、同じく公知情報によるとネット取引は大手5社(松井証券、イー・トレード証券、

DLJディレクトSFG証券、カブドットコム、マネックス証券)への利用が集中している。

この背景には、これら大手5社が豊富な市場情報をリアルタイムで提供するサービスを素 早く導入したことや、商品開発に力を入れたからである。例えば、松井証券では、顧客か ら預かった株券を日本証券金融株式会社に貸し出し、顧客に借り賃を支払う「預株制度」

を9月より開始している。また、イー・トレード証券では、5月から10年物国債、11月 からは外国債の取扱を始めている。さらに、DLJ ディレクト証券は中国株を、日興ビー ンズ証券は元手の資金より高額な為替取引ができる、通貨証拠金取引を開始している。

生命保険の分野でも、着実にネット上での生命保険会社の利用が進んでいる。生命保険 商品は本人確認や健康診断を要すること、顧客のライフステップに合わせた商品を提供す るため、これまでは外務員による保険設計を前提とした対面販売が中心であった。しかし、

徐々にではあるが、ガン保険等の第三分野の商品を中心として、リアルのチャネルを補完

する形でネット販売に取り組んでいる企業が出てきている。

損害保険の分野についても、昨年と同様、引き続きネット上での見積もりや申し込みは 増えているといえる。生命保険の商品と比較してみると、損害保険の商品は、毎年保険金 額が変更するため、定期的に価格を見直さなければならない。そのため、常に安い商品を 選びたい、という価格感応度が高い。そこで手軽に保険金額を比較でき、かつ申し込みも できるインターネットが受け入れられている。

モバイルコマース

「金融」の2002年のモバイルによる電子商取引市場規模は、当該BtoC市場の9%、

100億円程度と推計される。(ただし、ここには消費者金融における取引を含めていない。

消費者金融は、各携帯電話事業者の公式サイトには登録されていないためである。)

携帯電話キャリア各社の公式サイトには、銀行、証券、保険、カード会社等、各金融機 関のサイトがオープンしており、バンキング(残高照会、振込/振替)や投信販売、オン ライントレード等が可能となっている。

しかし、総務省の平成14年「通信利用動向調査」によれば、携帯インターネット利用 者の中で、平成14年1年間にオンラインバンキング、株・投信を行った人の比率は、そ

れぞれ1.7%、1.1%と、低調な比率に留まっている。その理由としては、PCに対して、

携帯電話であるからこそ利便性が高まる、という携帯電話ならではの付加価値が提供でき ていないための推測される。

しかしながら、例えば証券会社では、Java対応の携帯電話の普及により、Javaアプリ ケーションをダウンロードし、指定した銘柄の株価及びチャートをほぼリアルタイムにビ ジュアルに表示し、そこからダイレクトに取引画面へ飛ぶといった、PCに劣らない情報 量+モバイルならではの起動性を持ったサービスを提供し始める動きが出てきている。

4.11.3. 金融〜将来予測

日本では、振込送金に銀行窓口やATMを利用する傾向が強いことや、EC の決済にお いても銀行振込やコンビニでの決済などリアルな手段を利用する傾向が高い。今後、徐々 にオンラインバンキングの利便性である、待ち時間が無く24時間利用可能であることや 手数料の低さも認知されていくと思われ、口座数、利用範囲も増えてくると思われる。

証券業界では、常時接続環境が整うと共に、リアルタイムで推移する株式市況に対応し た情報提供サービスなどが発展することで、オンライントレーディング利用が活発になる ことが予想される。また、ブロードバンドを利用したリッチコンテンツによる株式や債券 に関する啓蒙活動も盛んになると思われ、個人投資家の拡大にもネットが一役買うことも 考えられる。

生損保業界では、ブロードバンドが普及することでテレビ電話機能を備えたビジュアル コールセンターの導入が考えられる。これにより、リアルな対面販売と同程度な応対がで きることが期待できるため、市場拡大に大きく貢献すると思われる。

モバイルコマース

「金融」のモバイルによる電子商取引市場規模は、2007年の当品目BtoC市場の9%、

350億円程度まで拡大すると予想される。

当該 BtoC 市場全体に占める比率が、2002 年の9%からほとんど変化しないと予想し ているが、今後、携帯電話の技術進化に伴い、以下に示すようなモバイルならではの付加 価値が提供できれば、当該BtoC市場全体の拡大を牽引していく可能性もある(予測上は 想定していない)。

例えば、第三世代携帯電話に搭載されているICチップ(UIM:Universal Identification

Module)や、今後搭載が予想される非接触ICカードに、自分の口座から直接現金を振り

込むことができ、かつ、各店舗の POS レジと携帯電話とのローカル通信(赤外線や

Bluetooth、非接触 IC カード等)による電子決済が可能になれば、携帯電話はまさに

電子財布 となり、銀行のATMから現金を引き落とす必要がなくなる。直接携帯電話同 士で、ローカルに現金を受け渡すことも可能である。

既に一部のクレジットカード会社では、携帯電話をクレジットカード代わりに使うとい うサービスを開始しており、携帯電話さえあれば、財布もクレジットカードも持ち歩く必 要がない、という世界も想定可能である。

しかしそのためには、主要な店舗におけるPOSレジや、自動販売機、券売機など、あ らゆる決済端末を携帯電話対応に置き換える必要があり、現行システムの更改時期に合わ せて順次導入することを考えれば、相当程度の時間を要すると考えられる。

表 4-22「金融」BtoC電子商取引市場規模・電子商取引化率調査比較

 2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 EC 市場規模(億円) 1,160 1,700 2,300 2,800 3,400 3,900

今回調査 

EC 化率 1.17% 1.7% 2.3% 2.7% 3.3% 3.7%

EC 市場規模(億円) 630 1,270 2,180 3,250 4,610 6,140  前回調査 

EC 化率 0.63% 1.3% 2.2% 3.2% 4.4% 5.8% 

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

前回調査 今回調査

0%

1%

2%

3%

4%

5%

6%

7%

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 前回調査

今回調査

図 4-21「金融」BtoC電子商取引市場規 模調査比較(単位:億円)

図 4-22「金融」BtoC電子商取引化率調 査比較