4. 品目別 BtoC の現状と展望
4.3. エンタテイメント
ヒーローものの作品をひとまとめにして販売するなどしている。これら商品は、リアルな 店頭では販売スペースの制限上取りそろえるのが難しい商品であるため、ネットならでは の販売方法となって好評である。これらDVDパッケージ商品の電子商取引は、ツタヤオ ンラインや Amazon 等の量販店の他、家電量販店のサイトでも売れ筋しょうひnンとな っている。
ゲームソフトウェアでは、家庭での定額制サービスの普及に伴ってネットワークゲーム の利用が増えてきているが、特定ゲームのファン層を取り込むまでにとどまっている。
パソコン向けの映像系コンテンツは、ブロードバンド普及によりストリーミング等動画 配信による市場拡大が期待されていたが、当初の大きな期待通りにはなっていないようで ある。理由としては、家庭に普及しているブロードバンド・インターネット接続サービス の殆どが ADSL 等のベストエフォート型の安定性が低いインフラであることが上げられ ることと、コンテンツの著作権処理の複雑さに起因するコンテンツ不足も課題となってい る。
モバイルコマース
2002年のモバイルによる電子商取引市場規模は、当該BtoC市場の 68%、1,300億円 程度と推計される。
この大半を占めるのが、着メロ、ゲーム、待ち受け画面、占い等のデジタルコンテンツ
の1,200億円程度、それ以外の100億円程度がイベントチケット販売、ゲーム・DVD等
のパッケージ販売である。
デジタルコンテンツについては、着メロが昨年の600 億円程度から 800 億円程度に拡 大した。成長率自体は鈍化してきたが、対応携帯電話機の増加と幅広いユーザー層への浸 透に伴い、携帯電話の標準機能として定着した。
ゲームのダウンロードのついては、昨年の90億円程度から140億円程度に急成長して いる。これは、JavaTM対応端末の普及によるところが大きい。
イベントチケット販売については、ぴあの「@チケットぴあ」やエンタテイメントプラ スの「イープラス」等、大手事業者のネット販売のうち、モバイル経由がその 20%程度 を占めていると見られる。
4.3.3. エンタテイメント〜将来予測
2003 年には au の次世代携帯電話によるデータ通信サービス「EV-DO」のリリース、
NTT ドコモによる「FOMA」新機種発売などが計画されていることから、今後は携帯電 話向けのコンテンツ市場が大幅に拡大すると考えられる。また、ブロードバンド・インタ ーネットが光回線に置き換わること、また ADSL 等のベストエフォート型サービスも一 層の高速化が図られるともに、安定的な動画配信が可能になることからPC向けコンテン ツ市場も急速に拡大して行くと思われる。著作権処理の複雑さに起因する問題も存在する が、動画配信利用者が増えていくと共に、市場のニーズに応える形で制度上の問題も解決 されていくであろう。
また、イベント等チケットの電子チケット化の立ち上げも徐々に始まっている。チケッ ト販売事業者のぴあとNTTコミュニケーションズの共同出資による「ぴあデジタルライ フライン」が2002年8月に設立されている。今後、携帯電話へのICチップ搭載や各種 会員カードのICカード化などにより、電子チケット流通のインフラが徐々に整っていく と思われる。
2007年の国内におけるエンタテイメントのBtoC市場規模は1兆円強、EC化率は8.4%
と推測される。ただし、電子チケットの普及や3G等次世代携帯電話上でのコンテンツ事 業の立ち上がり状況による影響が大きいことに注意する必要はある。
モバイルコマース
当該品目のモバイルによる電子商取引市場規模は、年平均成長率 24%で 3,800 億円程 度まで拡大すると予想されるが、当該BtoC市場に占める割合は、2002年の68%から31%
に下落する。
その内、デジタルコンテンツについては、着メロが2,000億円程度、ゲームが600億円 程度、待ち受け画面やフレーム等が 800 億円程度に拡大する。また、年平均成長率は、
それぞれ20%、34%、29%となる。
その他、イベントチケット販売は300億円程度、ゲーム・DVD等のパッケージ販売は 100億円程度にそれぞれ拡大し、年平均成長率はそれぞれ34%、27%となる。
着メロについては、携帯電話機の64和音やステレオ対応などの高度化と、auの「着う た」、韓国で実現されている「発うた」などの新しいサービスの開始により、着実に拡大 を続けると予想される。
ゲーム市場については、JavaTM対応端末の一層の普及・浸透と、ベアラの高速化に伴 うネットワーク対応ゲームの普及により、さらなる成長が期待される。
イベントチケット販売については、携帯電話に電子チケットをダウンロードし、イベン ト会場において、赤外線通信等で認証を行う試みが始まっており、これが定着化すること により、携帯電話によるチケット購入が広く浸透する可能性がある。
表 4-6「エンタテイメント」BtoC電子商取引市場規模・電子商取引化率予測
2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 EC 市場規模(億円) 1,920 4,200 6,600 8,600 10,600 12,300
今回調査
EC 化率 1.63% 3.6% 5.5% 7.1% 8.6% 10.0%
EC 市場規模(億円) 1,090 2,620 4,650 6,890 9,320 11,240 前回調査
EC 化率 0.92% 2.2% 4.0% 5.8% 7.6% 8.9%
0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000 12,000 14,000
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 前回調査
今回調査
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 前回調査
今回調査
図 4-5「エンタテイメント」BtoC電子商 取引市場規模調査比較(単位:億円)
図 4-6「エンタテイメント」BtoC電子商 取引化率調査比較