4. 品目別 BtoC の現状と展望
4.8. 自動車
4.8.1. 自動車〜市場規模
「自動車」品目には、事業主体別に自動車メーカー、中古車系、仲介系が含まれている が、ネット上で購入及び決済が行なわれるケースは自動車部品を除いて新車、中古車では ほとんど存在せず、受発注工程前の情報提供から資料請求、見積依頼をネットで行い、そ れを契機にリアル店舗にて成約がなされたもので補足できた数値を算入している。
2001年の市場規模3,470億円に対し、2002年の自動車(および関連製品市場)は、5,770 億円、電子商取引化率 4.70%である。ネット利用を契機としての自動車・中古車の成約
金額が5,580億円、自動車部品の販売額で約190億円と推計される。
表 4-15「自動車」BtoC電子商取引市場規模
前回調査 今回調査 品目 2001 年 2002 年(予測) 2002 年 合計 EC 化率
自動車
自動車・中古車
自動車部品
3,470 億円 6,040 億円
5,580 億円 190 億円
5,770 億円 4.70%
4.8.2. 自動車〜2002 年の動向・背景
自動車メーカーでは、インターネットによる商品宣伝、資料請求、見積依頼や試乗予約 といった取り組みが以前から行われている。そして、インターネット利用者の増加とブロ ードバンド環境が普及してきたことで、商品宣伝媒体としてネットの利用価値が増してい ることから、各社のWebサイトはより充実した内容となってきている。
ここ数年、自動車メーカーサイトでも女性利用者の割合が高まってきていることから、
メーカー各社は幅広い利用者層に対応したWebサイト作りを目指している。例えば日産 自動車では、女性向け自動車サイト「クルマ@ewoman」を、女性向けサイト運営のイー・
ウーマンと共同開設している。三菱自動車工業では、2002年11月より販売している「コ ルト」をインターネット上で購入者がカスタマイズできる仕組みを構築している。これま でにマツダの「ロードスター」でWeb上でのカスタマイズ機能は導入されてきたが、ネ ット利用者層拡大に伴い、量産車でのカスタマイズ機能が提供されるようになった。
仲介業者を概観してみると、早くから日本に見積もり比較サイトとして展開を行なって いる「オートバイテル・ジャパン」、「カーポイント」(サイト名称はカービュー)の2社 が市場を牽引している。しかし、米国のようにディーラーのマルチブランド化が進展して いない日本の業界構造では、ディーラーへの仲介サービスの爆発的な利用拡大は難しい状 況となっている。しかしながら、公知情報によると、「オートバイテル・ジャパン」の2002 年の成約台数は1500台前後、売上高は2億8千万円(前年比22%増)となっており、メ ール会員向けの情報発信やWeb サイトのユーザビリティ向上によって利用者は順調に増 えている。
モバイルコマース
2002年のモバイルによる電子商取引市場規模は、当該品目BtoC市場の3%、150億円
程度と推計される。 他の品目に比べてモバイル比率が低くなっている。
携帯電話キャリアの公式サイト等で、クルマの検索や希望スペックのクルマが入荷され たことのお知らせメールなどのサービスがあり、クルマの写真も非常に粗いが表示される。
そして、Phone to 機能を使って、直接取扱いディーラーへ電話をかけることになる。全 く同じサービスはWeb 上でも行われており、画像も、より鮮明である。現時点では、携 帯電話のサイトを見て電話をかけてきたのか、Web を見てかけてきたのかは、ディーラ ーでも正確に把握できていない。
4.8.3. 自動車〜将来予測
これまでは、自動車メーカー各社におけるインターネットの役割は商品情報の提供や、
カタログ等資料請求、試乗予約といった商談前工程での利用が中心であった。今後、この 商談前工程では、ブロードバンド化による3D表示やビデオ映像等プロモーション用コン テンツの活用による利用者層の拡大が考えられる。さらに、今後はカーテレマティクスを 活用しての、アフターマーケット分野における電子商取引が進展すると予想される。
既にトヨタ自動車では、2002 年から開始されたカーテレマティクス事業である
「G-BOOK」サービスの中で、オイル交換や点検のお知らせ等を実施するというサービ スが実現されている。今後はこのようなインターネット技術やモバイル通信技術を利用し たサービスが数多く実現されていくと思われる。さらに、顧客情報を収集しながら、顧客 のライフスタイルに最適な商品やサービスを提供するワントゥワン型のサービスも考え られ、今後の市場拡大に貢献するものと思われる。
モバイルコマース
「自動車」品目のモバイルによる電子商取引市場規模は、2007 年に当該 BtoC 市場の 2%、430億円程度まで拡大すると予想される。
携帯電話の液晶の大型化・高精細化により、クルマの画像もより鮮明になり、購入の判 断に、より資するようになっていくことが予想されるが、最後は直接ディーラーへ行って 商談することは変わらない。
ただし、カメラ付き携帯電話の機能向上により(W-CMDA のマルチ・アクセス機能)、 ディーラーへ行かずとも、ディーラーの担当者と電話で話しながら、例えばクルマの内装 やエンジンルーム、足回りなど、希望の箇所の写真を送ってもらうことも将来可能となる
ため、モバイルでの商談も進むものと予想される。
表 4-16「自動車」BtoC電子商取引市場規模・電子商取引化率調査比較
2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 EC 市場規模(億円) 5,770 9,400 13,100 16,500 19,900 23,000
今回調査
EC 化率 4.70% 7.6% 10.5% 13.1% 15.5% 17.9%
EC 市場規模(億円) 3,470 6,040 9,370 13,770 18,900 23,110 前回調査
EC 化率 2.8% 4.9% 7.7% 11.0% 14.7% 17.5%
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 前回調査
今回調査
0%
2%
4%
6%
8%
10%
12%
14%
16%
18%
20%
2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 前回調査
今回調査
図 4-15「自動車」BtoC電子商取引市場 規模調査比較(単位:億円)
図 4-16「自動車」BtoC電子商取引化率 調査比較