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3. 品目別 BtoB の現状と展望

3.8. 建設

0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

前回調査 今回調査

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

前回調査 今回調査

図 3-13「自動車」BtoB電子商取引市場規模 調査比較(単位:億円)

図 3-14「自動車」BtoB電子商取引化率調査 比較

企業毎にTCP/IPベースによるEC利用率の分布は、他のセグメントと同様ばらつきが見 られる。今回の電子商取引市場規模は、大手ゼネコンを中心としたインタビューによる積 み上げによって積算した。

建設分野の2002年BtoB電子商取引市場規模は、5,350 億円と前年の約3,800億円と 比較すると 40%の増加となる。増加の理由としては、大手ゼネコンを中心とした協力会 社・サブコン等取引先との電子商取引が展開された点、建設CALS/EC(公共事業支援統 合情報システム)による電子入札の導入が本格化してきた点等が挙げられる。建設市場全 体が年々落ち込む中で、建設業界に携わる各プレーヤーが電子化によるコスト削減効果を 狙った点が、電子商取引が進んでいる最大のポイントである。つまり確実にクリーンデー ター(データを有効活用することで情報の二重インプットによる入力ミスを引き起こすこ とが無い)を取り扱う事のメリットが浸透し始め、お付き合いでない真の電子商取引効果 の理解が浸透したためと推測される。

表3-15「建設」BtoB市場規模

前回調査 今回調査  品目  2001 年 2002 年(予測)  2002 年 EC 化率  建築物(住宅・非住宅建築)

/土木建築物、建築用資機材 

3,770 億円 9,300 億円 5,350 億円 0.57%

3.8.2. 建設〜 2002 年の動向・背景

民間事業においてはゼネコン主体のCI-NET(財団法人建設業振興基金 建設産業情報 化推進センター)に準拠したEDI方式が広く普及している。

公共事業は中央官庁である国土交通省を中心とする各省庁、公団・事業団と、地方自治 体にて建設CALS/EC の活用が進んでいる。「建設CALS/EC アクションプログラム」に おいては、2010年を目処に全ての公共事業への建設CALS/ECの適用を図ることを目指 している。

民間事業における電子商取引の対象となるのは、継続反復取引としてはゼネコン主体の

インターネット EDI、一元取引としては e マーケットプレイスを活用した施主主体のコ ンストラクションマネージメント、サプライヤー主体のオークション取引がある。元請か らサブコン、協力会社への建設請負や建設資材発注に関しては、大手ゼネコンを中心に電 子商取引化されている。一部の大手企業を除き、建設業界の標準ビジネスプロトコルであ

るCI-NETに準拠したインターネット調達を広く展開している。

建設業界のビジネスプロトコル標準CI-NETに基づく、電子メールを利用した簡易EDI

方式CI-NET LiteSによる電子商取引方式が新たに開発されたことで、EDI導入の敷居が

低くなり中小企業への普及が進んだ。特にCI-NETに準拠したASP方式は、取引先にお いてはインターネット接続環境とWeb ブラウザだけで取引が始められる Web-EDI方式 のため比較的導入が容易である。更にブロードバンドの急激なコストダウンも追い風とな っている。ASPサービスに新規で加入する企業の殆どがADSLや光ファイバーを選択し、

広帯域のインターネット環境を整えている。大手ゼネコンによる CI-NET 方式での電子 商取引普及とブロードバンドの普及、Web-EDI 方式による導入の手軽さが上手く奏功し た結果が今の姿であり、今後更に中小企業に浸透することが期待される。

建設業界においても規制緩和が電子商取引を強力に後押ししている。2001年IT書面一 括法と電子署名法の施行はペーパーレス化を推し進め、更に請負契約において印紙が不要 になったことで電子化による更なるコストメリットが生じることとなった。定量的効果は 電子商取引の追い風になった。今後、見積〜請求まで一貫して電子商取引化が進むことで 建設業のサプライチェーンが整備され、更なる高効率化が期待される。

建設業界はコスト高で透明性が低いというイメージが付きまとっていたが、商慣習の透 明性を図るために、中立なeマーケットプレイスが誕生している。従来のゼネコン一括請 負方式に対し、海外では広く分離発注が行われており、そのコントロールを設計会社やコ ンストラクションマネージメント会社が行っている。コンストラクションマネージメント 方式とは、施主の代理人(コンストラクションマネージメント会社等)が工事を直接管理 し、分割発注する方式である。大手ビル運営会社等により設立されたeマーケットプレイ スは、コンストラクションマネージメント方式をeマーケットプレイスに取り入れて、実 績を挙げている。施主における建設費用の総コストダウンを図ることを目的に、プロジェ

クト毎に入札を実施する。eマーケットプレイスを利用した分離発注方式を利用し、発注 総コストが 25%も削減された例もある。新築工事の入札の他、ビルメンテナンス会社の 選定等に幅広く利用されている。

建設資材の逆オークション市場も中立なeマーケットプレイスにはビジネスモデル的に 有効である分野のひとつである。大手ビル運営会社等により設立されたeマーケットプレ イスは、建設資材のオークション取引を実施しており、平均 20%の削減効果が見込める ため活況を呈している。又、サプライヤーを中心に設立されたeマーケットプレイスでは 建設資材のアウトレット販売を手がけており、工務店を中心に取扱量が増加している。

公共事業においては電子政府の一環として建設CALS/EC(公共事業支援統合情報シス テム)の導入が本格化している。国土交通省は2002年度に約2200件の電子入札を実施 した模様。文部科学省・防衛施設庁・厚生労働省における 2002 年度の実績は無い模様。

一方地方自治体でも横須賀市や岡山県等での電子調達が開始された。「建設CALS/EC ア クションプログラム」において、2010年を目処に全ての公共事業への建設CALS/EC の 適用を図ることを目指している。

3.8.3. 建設〜将来予測

建設業界におけるBtoB電子商取引市場規模は、2007年に14兆7,500億円に拡大し、

電子商取引化率では18.6%に達する見込みである。地方財政の悪化を受けた公共投資の抑 制と、民間投資意欲の悪化が響き建設投資額は年々減少の一途である。しかしながら電子 商取引化率は取引金額、取引件数ともに年々増加が予想される。

建設業界は全産業の約10%の就業者を抱える基幹産業であるゆえに非常に裾野が広く、

電子商取引化する余地は多分にある。CI-NETによるASPサービス導入や建設CALS/EC による電子納品を機会に IT の導入に着手する中小企業も多いと予想され、今後益々EC 化率が高まるにつれて一段の効率化が図られる可能性のある産業のひとつである。

規制産業というイメージが強い建設業界だが、徐々に規制緩和の効果が浸透し始めてい る。今後、見積〜請求まで一貫してEC化が進むことで建設業のサプライチェーンが整備

され更なる高効率化が期待されるとともに、大手ゼネコンののみならず、サブコンや協力 会社からの発注へと幅広くEC化が普及することが予想される。

問題点としては公共民間機関ともに工事件数が減少傾向にあることで、減少する建設投 資額から如何に利益を出すかが鍵となる。取り巻く環境の変化の中、電子商取引の導入は コスト削減に有効である。又、企業間商取引の電子化のみならず、その電子データを企業 内のビジネスプロセスや企業間バリューチェーンに生かし切ってこそ真の効果を参加プ レーヤー間で享受することが可能となる。そのため企業の基幹システムへのデータの連動 や、受注データを生かした更なる取引先への再発注などにデータを連動させることが不可 欠となる。

もうひとつの問題点としては発注者としての民間機関の団体が存在しないため、発注方 式が統一されにくいことである。施主は建造物や土木工事を発注する全ての機関が対象と なるため、非常に幅広い業種業態が対象となる。そのため建設業界では、大口顧客を中心 に個別対応を進めている。

表 3-16「建設」BtoB市場規模・電子商取引化率調査比較

  2001 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 EC 市場規模(億円)   5,350 35,600 58,300 85,500 115,600 147,500 今回調査 

EC 化率    0.57% 3.9%  6.7%  10.1% 14.1% 18.6% 

EC 市場規模(億円) 3,770  9,300  56,600 82,300 107,700 144,800    前回調査 

EC 化率  0.4% 1.0% 5.9% 8.3% 10.6% 13.9%   

0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000 120,000 140,000 160,000

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

前回調査 今回調査

0%

2%

4%

6%

8%

10%

12%

14%

16%

18%

20%

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年

前回調査 今回調査

図 3-15「建設」BtoB電子商取引市場規模調 査比較(単位:億円)

図 3-16「建設」BtoB電子商取引化率調査比 較