I末
第3節 道徳授業実践
前節で述べた新しい道徳授業の視点や、授業モデルを基に道徳授業の実践を 行い、その有効性について本節で考察する。考察にあたっては、まず最初に実 践に向けての基本的な考えを述べ、その後具体的な授業実践における様々な場 面での子どもたちの反応や、学習結果を基に分析していきたいと考える。
そして、最後に授業実践全体を通しての考察を述べ、筆者の主張する道徳授 業の有効性と問題点を明確にしたい、
1 授業計画と内容
表1の計画のもとに、H県0市立1小学校の6年置1クラス(男子17人・
女子13人)に5月から6月の2ヶ月間入り、道徳授業の実践と子どもたち主 体のディスクルスの形成を目指して研究を進めた。
先行研究では、2時間程度の実験授業が行われているが、今回は継続的な実 践の中で子どもたち中心のディスクルスに高めていきたいと考える。
表1 実践授業計画
:No 月・日 主題名・資料・出典 時 内 容
①
5/13
自然と共に 第1時 資料の把握・第1回目判断・根拠づけ「イルカ退治事件」 2斑(10人)毎の討議(15分間〉を行
天声人語(朝戸文庫)改作 い、最終判断・根拠づけをする.
②
5/17
どちらが大事か 第1時 資料の把握・第1回目判断・根拠づけ一 一 卿 一 胴 一 騨 一 ■ q 腫 ψ 一 一 囎 一 曹 噂 ● 層 一 一 一 胸 悼 , 葡 廓 轄 一 − 讐 一 嚇 鴨 艦 − 轄 一 ■ 一 鯛 一 嚇 縣 轄 一 ■ 曹 鱒 一 〇 噛 扁 胴 q
③
5/20
「村長の決断」 第2時 斑(5人)討議でウォーミングアップ後モラル・ジレンマ資料 クラス討議(教師支援中心)を実施。
④ 6/ 3 いじめをなくすために 第1時 資料の把握・第1回目判断・根拠づけ
一 周 一 脚 惚 一 轍 騨 轍 嚇 ● 願 一 一 一 塵 剃 一 一 璽 一 } 嫡 鵯 葡 層 一 − 一 , 一 一 甲 鞠 一 響 帽 一 一 一 一 蝉 噂 一 一 噛 一 一 一 一 働 一 一 璽 甲 願
⑤ 6/ 8 「わたしのいもうと」 第2時 クラス討議のみ(進行役の児童と、教
絵本 松谷みよ子作 借成社 師の支援中心)を実施。
⑥
6/17
クラスの一員として 第1時 資料の把握・第1回目物断・根拠づけ一 噂 曹 鞠 一 一 一 一 鴨 圃 一 一 一 甲 一 薗 幽 一 響 一 〇 一 一 鵬 胴 一 一 一 一 一 一 鵯 網 層 − 弾 噸 噂 欄 一 一 曽 帥 層 層 一 鱒 蝉 儒 闇 一 曲 備 嘲 椰
⑦
6/22
rどうずればいの」 第2時 クラス討議(進行役の児童を中心とし、東京書籍6年 教師支援を少なくする)を実施。
⑧
6/25
学校を良くするために 第1時 資料の把握・第1回目物断・根拠づけ一 ロ 諭 甲 噂 齢 齢 層 騨 唐 一 甲 輸 } 一 曽 鞠 一 曹 , 伽 開 , } 一 鱒 響 一 一 一 一 鱒 o o 襯 廓 瞬 一 一 一 卿 隅 輯 尊 騨 圃 一 隔 隣 隅 騨 轄 一 冒
⑨
6/29
「だれが拾うの」 第2時 クラス討議(子どもたちによるディス かがやけみらい6年 クルス中心に進める)一102一
2 ディスクルスのルールづくり
子どもたち主体のディスクルスにするために、道徳目標の設定や具体的なル ールづくりは、グループエンカウンターにおける人間閣係づくり後のシェアリ ングや学習の振り返り(道徳授業後に毎回実施)をもとにして行った。個々の 子どもたちの中から出てきた課題をみんなに提示し、解決策を話し合うことに よってみんなのルールとして定着させ、理想的発話状況に向けての実践化を図
っていった。
今回は、筆者と実践クラスの子どもたちとの繋がりが薄いことや発言の苦手 なクラスであることから、放課後の短時間を利用して、國分による構成的グル ープエンカウンターを用いて、話しやすい学級の雰囲気づくりに努めた。実際 に自分の担任するクラスにおいてディスクルスのルールづくりをする場合に は、あらゆる時間を通じて、話し合いによる問題が生じた時にみんなでルール をつくっていくことが十分可能であると考えられるので、このような特別な時 間の設定は特に必要とはしない。
(D目標づくり
道徳授業実践に入る前に、道徳授業における子どもたちの意識を知るために 道徳アンケート調査を実施した(資料F参照)。アンケートの結果から、クラ スの半数程度の児童が「道徳の学習が好き」と答えている。しかし、それ以外 の児童は、発言が苦手なために道徳の時間も「つまらない」、「楽しくない」
と感じていることが分かった。実践に入ったこのクラスにおいては、特に女子 にこの傾向が顕著に表れていた。そのため、このような結果を学級の子どもた ちにも伝え、授業に対する学級の目標づくりから話し合っていくことにした。
道徳学習に対する希望として、「楽しい授業・おもしろい授業がしたい」と いう意見が多く見られた。そこで、みんなの考える「楽しい・おもしろい」と は具体的にどんな授業を言うのかについて話し合った結果、「みんなの意見が 聞ける」、「自分の意見が言える」、「みんなの意見がまとめられる」、「真剣に なれる」という4点について学級の中で合意することができた。よって、この 学級における「楽しい」とは、「みんなで真剣に話し合えること」という考え に達したのである。
一匪03・
【道徳学習でどんな学習がしたいか。】 【目 標】
・おもしろい学習、楽しい道徳
・よく発表ができる学習
・話し合いができ何でも発表できる学習
みんなで話し合える 楽しい道徳学習にしよう
(道徳アンケートより)
ディスクルスによる授業を成立させていく基盤として、授業をただ漠然と受 け身で捉えていくのではなく、自分たちの力で自分たちの鶏指す授業を明確に
して進めていくというということが、子どもたちにとっては勿論のこと教師に とっても重要なことであると考える。それでなければ、ベルトコンベアーによ る流れ作業のように与えられるものを受け取り、決められたものを組み立てて いくという従来型のつまらない授業になってしまうであろう。また、目指す方 向が決まることによって、問題点も明らかになりそれを乗り越えようとする意 欲も自然に生じてくるものと考える。
(2)ウォーミングアップづくり
短時間に参加者のリレーションを高めることができる構成的グループ・エン カウンターにより、対人関係におけるポジティブな感情や自己認知がもてるよ
うにしたり、子どもたちとのよりよい儒頼関係を築いたりすることができると 國分は述べている㈲。次ページに、実施したグループ・エンカウンターのね
らいと子どもたちの反応等をまとめたい。
「無人島SOS」においては、あまり発言できなかったという3人を除いて ほとんどが自分の意見が言えたという結果が出ている。話し合うことの楽しさ や、みんなの意見がそれぞれ違うということを実感できたと思われる。しかし、
感想の中には、話し合いにおける問題を指摘しているものもあった。それらを 子どもたちに提示することによって、今後の話し合いに生かしたいと考えた。
(6) 國分康孝『教師と生徒の人間関係づくり・第4集』渥々社、1989年参照。
國分康孝『エンカウンターで学級が変わる 小学校編』図書文化杜、1996年参照。
・104哺
「無人島sosj
「メッセージ」 「ブレンストーミガ」実施日
5/6 5/12 5/17
ねらい ・自分の考えを説得的に ・パントマイムで自己の ・自由な発想を育て、侮 相手に伝える。多様な考 考えを相手に伝える。ま を言っても批調されない
えのあることを知り、お た、相手の考え方を推測 安心できる雰囲気を体験 互いを認め合う人間関係 しお互いに認識を深める、
する。
をつくる。 ・自己肯定感を高める。
内 容 ・自分が無人島に遭難し ・二人一組のペアになり、 ・4〜6人のグループで たという設定で、生き抜 お互いに相手に伝えたい 「筆箱の使い道」につい くために必要な道具を、 メッセージをもっている て、思いつく限りの案を 17晶目の中から8品選 が、それを言葉を使わな 考え出し合う。このとき、
ぶ。さらに、班の話し合 いで身ぶり手ぶりで伝え 友達の意見を否定した いにより斑員の納得した 合う。後で本来のメッセ り、批判したりしないよ 必要な品目をあげ、選定 一ジが正確に伝わったか うに約束して話し合う。。
理由を発表し合う。 どうかを話し合う。
とても饗しろかりた
19人 24人(欠1) 21人
騨 噛 噌 脚 脚 帽 9 旧 一 胴 一 脚 o 一 騨 韓 一 〇 蝉 輯 鱒 劇 鰭 噂 一 鳳 緬 − 一 一 噂 騨 嘗 一 一 哺 朝 層 一 轡 噛 曙 陶 冒 騨 需 響 一 讐 曹 一 一 噂 刷 鼎 精 } 鯛 一 − 一 陶 一 噸 一 輯 一 一 一 鴨 一 艘 噂 俸 轄 蜘 } 一 卿 − 一 一 営 一 嚇
薦しろかりた 9人 5人
4人
一 一 一 闇 一 一 〇 鐸 騨 廓 噛 − 一 富 鴨 騨 備 轍 一 層 一 層 ■ 一 − O 藺 一 一 _ 桶 一 一 一 一 掌 噂 唱 冒 層 q 一 一 一 輯 一 q 鴫 脚 幅 罷 − 口 望 咀 一 葡 碑 轍 輌 ● 伽 一 一 一 一 ρ 轄 尊 郁 嘔 騙 圃 一 蜘 望 畢 噸 鱒 − 冨 局 9 頓
愚りう 1人
0人 3.人
聯 , 齢 P 噂 卿 一 一 一 一 一 層 一 輌 麟 鳳 順 一 晒 噂 聯 脚 騨 鴨 嚇 一 一 層 一 一 一 一 一 縛 尊 ゆ 一 隔 騨 冒 一 単 嘩 一 一 聯 一 一 甲 一 一 P 幽 鱒 齢 楠 需 鱒 ρ 一 噛 一 瞥 騨 陣 一 吻 嘗 腰 層 昌 口 卿 讐 一 隔 一 一 け 騨 疇 一 鰍 騨 輌
あまり魏しろくない 0人
0人
2人一 卿 層 噺 騨 曙 一 一 一 〇 聯 向 網 一 艦 騨 鱒 _ 一 一 傭 ■ 一 幽 一 一 一 噌 輌 騨 鞠 響 響 朝 儒 響 欄 一 一 噂 囎 癖 需 卿 魑 ■ 昌 一 一 喧 鱒 僻 鱒 粥 一 胴 一 一 ■ 購 一 岬 尊 一 崩 層 一 〇 一 一 一 一 庸 僻 聯 ■ 一 蝉 ■ 一 一 幅 − ,
りまらなかりた 1人
0人 0人
感 想 ・グル・一ブで意見を言い合 ・なかなか俵わらなかったけ ・みんな諏ニークなことが つたりして楽しかったゆ ど、楽しかった。 いっぱいで楽しかった。
またこんなことがしたい。 ・口で言うのが一番いい。 ・ぼくらの班は、アイディ
・みんなの思ったことが違 ・二人で一つの気持ちになら アを出すのが早いんだな っていておもしろかった。 ないとできないと分かった。
と思った。
・みんないつもより真剣に ・相手に伝えるのに、リアク ・5班の人はだくさん考え なっているなと思った. ションとか口の動きで表せ ていたけど、ふざけてい
・発表はきらいだけど、 こ ておもしろかった。 る感じ・もしたので、まじ れだったら嬉きになって ・一カ懸命伝えるのがおもし めにした方がいいと思っ
いるみたいだ。
うかった。 た。一105一