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第 7 章 言語・パラ言語および非言語的特徴と対人印象に関する評価がプレゼンテーショ

7.9 考察

本章では、第4章で分析したプレゼンテーションに対する「発表の良さ」と「興味」、「わ かりやすさ」、「慣れ」、「資料」の5要素について、第5章で分析した「言語・パラ言語お よび非言語的特徴」と第6章で分析した「対人印象」に対する評価が与える影響を探った。

日本語教師と韓国人学習者を比較しながら考察を行なう。まず、「発表の良さ」について

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は、日本語教師はスピードや間の取り方が適切で丁寧であるプレゼンターの発表が良いと 判断し、まじめであり、信頼でき誠実さや落ち着き、責任感などが見られるという要素が 発表を良いと考えられる傾向があった。一方、韓国人学習者は、プレゼンターに魅力や親 しみを感じることが良い発表への評価に繋がるという結果が得られた。

発表をするということは、公的なものなので、日本語教師が良い発表であると考える要 素が、適切なスピードや間のとり方、丁寧さであることは当然な結果であるように思える。

しかし、韓国人はプレゼンテーションの内容ではなく、個人的に持つ外見の印象が良い発 表と判断するもっとも大きい材料となることが明らかとなった。

第2に、「興味」について、日本語教師はまじめで信頼でき、誠実そうに見える韓国人学 習者ほど内容に興味を持ち、また積極的で元気そうで自信のありそうな態度も影響を与え ていた。一方、韓国人学習者は、話しやすくて魅力や親しみを感じるプレゼンターである と、発表内容に興味を持つと評価されることが考察された。ここでも、日本語教師は、社 会性を重要視するが、韓国人は個人的な印象を重要視するという結果が得られた。

第3に、「わかりやすさ」について日本語教師は、まじめであり、信頼や誠実さがある という社会的に望ましい態度を持つ学習者であることが、もっとも大きく内容がわかりや すいという評価を行なっていた。さらに、スピードや間の取り方が適切であり、丁寧であ ることが、発表内容をわかりやすくしている要因であることが示唆された。一方、韓国人 学習者は好感度や外見の魅力、好みであるという外見的な条件が大きく左右していた。し かし、これだけではなく、文法力や正しい語彙の使い方をするプレゼンターであることが、

発表内容はわかりやすいという評価につながっていた。これらのことから、日本語教師は 社会的に望ましいか否かという要素を重要視し、韓国人は個人的な印象が重要視している ことになる。さらに、話のスピードが適切であることや間の取り方が適切であることは、

内容をわかりやすくする要因であった。

第4に、「慣れ」すなわち、プレゼンターが発表に慣れているかどうかを決定する要因と して日本語教師は、表情や身振り手振り、目や体の向け方といった非言語情報が大きく影 響を与えていて、また、積極的で元気であることや自信感があることも重要な要素である ことがわかった。この項目に関しては、韓国人学習者も日本語学習者と同様、表情や身振 り手振り、目や体の向け方といった非言語情報が大きな影響を与えて、これに加え、駆使 する文法や語彙の使い方が正しく、表現力があるプレゼンターほど発表に慣れていると判 断しているという結果が得られた。ここでは、日本語教師と韓国人学習者ともに、表情が 豊かであり、身振り手振りが適切なことが発表に慣れているという印象を与えるというこ とが示唆された。

最後に、「資料」について日本語教師は、まじめであり、信頼できることや誠実さを感じ ることで適切な資料であったと判断し、韓国人学習者は話しやすさや魅力を感じることの 外見の魅力が適切な資料という評価に影響を与えていた。

本章の結果を全体的にまとめると、日本語教師による結果からは、【社会的望ましさ】が

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「興味」と「わかりやすさ」、「資料」の3要素に強く影響を与えていることがわかった。

これは、プレゼンターがまじめであり、信頼ができ、誠実であること、また、落ち着いて いて、責任感が強そうな人であること、しっかりしていて、知的であり、礼儀正しい人と 判断できれば、内容への興味も高くなり、資料への評価も高くなり、わかりやすく感じる ということになる。石崎(1999)によると、音の高低が強く影響をしており、語彙が豊か で、音の高低が自然な場合、わかりやすいと感じ、その反対の場合はわかりにくいと感じ る結果が得られたというが、本研究では、まじめさや信頼、誠実さのような社会的望まし さがもっとも大きい影響を与えていることが考察された。

しかしながら、日本語教師とは異なり韓国人学習者による結果からは、【個人的親しみや すさ】が、「発表の良さ」と「興味」、「わかりやすさ」、「資料」の4要素に大きい影響を与 えていた。これは、プレゼンターが話しやすい人であり、魅力を感じることや、親しみや すい人であること、好感の持てる人であり、好きになれそうな人であること、明るく元気 であり、協調性がある人であれば、プレゼンテーションに興味が持て、わかりやすいと感 じ、資料への評価も高く、良い発表であると判断するということになる。

つまり、プレゼンテーションの場面においては、日本人教師は社会的望ましさを大事と し、韓国人学習者は個人的親しみやすさを大事にしている。同じ場面においても評価者の 国籍によって観点が異なるということである。

日本人教師の結果のうち、【社会的望ましさ】以外の要素では、スピードや間の取り方が 適切であり、丁寧に話すプレゼンターであれば、良い発表であると判断するということが 考察された。

日本語教師と韓国人学習者に共通して得られた結果は、発表に慣れているという判断に 影響を与える要素が、表情や身振り手振りが適切であることであった。柳町(1999)は、

「ジェスチャーの使用は、まずストーリーの内容の伝達や理解を促進し、ストーリーの語 り手としての印象を良くする方向に働くことがある。特に日本語力の低い学習者の場合、

ジェスチャーは語りの効果を増し、熱心で魅力的な話し手としてのアピールにつながるこ とがある。」と述べている。本研究においても、学習者のジェスチャー使用によって、発表 に慣れているという良い印象を与えることが示唆された。

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第 8 章 言語・パラ言語および非言語的特徴の評価が対人印象評価に