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慣れの評価に与える影響

第 7 章 言語・パラ言語および非言語的特徴と対人印象に関する評価がプレゼンテーショ

7.7 慣れの評価に与える影響

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(B=.318, SE=.061, p<.001)、「語彙の使い方が正しい。」(B=.241, SE=.082, p<.01)、「フ ィラー(え~と、まあ、等の言い方)の使用が多い。」(B=.114, SE=.045, p<.05)、「話し方 が丁寧である。」(B=.194, SE=.070, p<.01)、「知的な人だ。」(B=-.200, SE=.065, p<.01)、

「好感の持てる人だ。」(B=.211, SE=.078, p<.01)、「単語や表現をよく知っている。」

(B=-.209, SE=.074, p<.01)、「一つひとつの言葉を正しく発音している。」(B=.139,

SE=.066, p<.05)の9項目が影響を与えていた。

これらの項目のうち、もっとも説明率が高かったのは、「日本語が聞き取りやすい。」

(B=.318, SE=.061, p<.001)であり、日本語が聞き取りやすいことが、発表をわかりやす

くすることがわかった。また、語彙の使い方が正しく、一つひとつの言葉を正しく発音し ており、丁寧な話し方をしていることやフィラーが少ないことなどから親しみやすさを感 じ、好感が持てるという要素も、発表のわかりやすさの評価へ影響を与えていた。

しかし、知的であることと、単語や表現をよく知っているという項目との間では、負の 影響がみられた。このことは、知的であると思うほどわかりにくく感じ、知的でないと思 うほどわかりやすく感じるということになる。また、単語や表現をよく知っていると感じ るほどわかりにくいと評価し、単語や表現をよく知らないと感じるほどわかりやすいと感 じるということになる。

つまり、韓国人学習者にとって、「内容がわかりやすい。」という評価に影響を与える因 子は、【個人的親しみやすさ】、【正確さおよび流暢さ】の 2 因子であることが証明された。

これらの2因子のうち、説明率が高かった因子は、【個人的親しみやすさ】であり、わかり やすさへの評価における重要な要素であった。項目ごとには、日本語の聞き取りやすさと いう要素がもっとも影響力をもっていた。

以上のことから、韓国人学習者は、プレゼンターが話しやすく魅力を感じ親しみやすい と思えば、プレゼンテーションがわかりやすく感じるということが示唆された。また、文 法や語彙が正確であり、流暢であることもわかりやすくさせる要素であった。

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および流暢さ】および、「スピード」、「間」、「丁寧さ」の項目からなる【プレゼンテーショ ン向きの話し方】の4因子であった。

これらの 4 因子のうち、もっとも説明率が大きかった因子は【非言語およびパラ言語能 力】であり、表情や身振り手振りが適切であるほど発表に慣れていると感じることがわか った。次に、【活動性】の説明率も高く、積極的であり、元気があれば、発表に慣れている という評価も高くなった。また、発音や語彙、文法の正確さや流暢さ、スピードや間など のような要素も発表に慣れていると感じさせる要因であった。

表7-10 日本語教師/慣れ(重回帰分析)

従属変数:慣れ 非標準化( B ) β l t l(12) 下限 上限

定数 3.11 68.226 3.021 3.200

非言語およびパラ言語能力 .415 .322 4.944*** .250 .581

活動性 .383 .311 5.779*** .252 .513

正確さ及び流暢さ .254 .204 3.822*** .123 .386 プレゼンテーション向きの話し方 .184 .138 2.503 .039 .329

R(調整済み R) F(2,12)

回帰係数 B の95%CI

.658(.652) 113.08 除かれた変数:会話ストラテジー、社会的望ましさ、個人的親しみやすさ 投入基準:F値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10

p < 0.05, ***p < .001

続いて、「慣れ」に対する、「言語・パラ言語および非言語行動」および「対人印象」に 関する評価項目のうち、どの項目がもっとも影響力を持っているかを探るべく、項目ごと の単回帰分析を行った。

その結果、「聴衆への目や体の向け方が適切である。」(B=.208, SE=.049, p<.001)、「話し 方が流暢である。」(B=.208, SE=.054, p<.001)、「積極的な人だ。」(B=.265, SE=.064, p<.001)、「身振り手振りが適切である。」(B=.205, SE=.056, p<.001)、「語尾伸び(私は-、

~ですが-、等の言い方)が多い。」(B=.090, SE=.033, p<.01)、「しっかりした人だ。」(B=.135, SE=.059, p<.05)、「日本語を使いこなせている。」(B=.144, SE=.066, p<.005)の7項目が 影響を与えていた。

これらの項目のうち、もっとも説明率が高かったのは、「聴衆への目や体の向け方が適切 である。」(B=.208, SE=.049, p<.001)と「話し方が流暢である。」(B=.208, SE=.054, p<.001)

であり、聴取への目や体の向け方が適切で話し方が流暢であるほど、発表に慣れていると 評価されることが考察された。また、積極性や身振り手振りの適切さ、語尾伸びの少なさ など日本語を使いこなせているか、さらにしっかりした人である印象があるか、という要 素への評価が上がるほど、発表に慣れていると判断する評価も上がるということも考察さ

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つまり、日本語教師にとって、「発表に慣れている。」という評価に影響を与える因子は、

【非言語およびパラ言語能力】、【活動性】、【正確さおよび流暢さ】、【プレゼンテーション 向きの話し方】の4因子であった。これらの 4つの因子のうち、もっとも説明率が高かっ た因子は【非言語およびパラ言語能力】であり、表情や身振り手振りが適切であることが、

発表に慣れているという評価に重要な要素であることが証明された。項目ごとには、聴取 への目や体の向け方の適切さと、話し方の流暢さという要素がもっとも影響力をもってい ることが証明された。

以上のことから、日本語教師が韓国人学習者であるプレゼンターが発表に慣れていると 感じる要素は、表情や身振り手振りが適切であることがもっとも大きく影響を与え、積極 的であり、元気があること、また、発音や語彙、文法の正確さや流暢さ、スピードや間な どのような要素も発表に慣れていると感じさせる要因であることが示唆された。

7.7.2 韓国人日本語学習者による結果

韓国人学習者の因子分析の結果で得られた【正確さおよび流暢さ】、【非言語およびパラ 言語】、【会話ストラテジー】、【個人的親しみやすさ】、【社会的望ましさ】、【活動性】が「慣 れ」に与える影響について検討を行なった。その結果、有意な回帰式が得られた(F(3,235)

=153.765, p<001)。また、説明率も充分大きいと思われる(adjustedR2=.663)。

上記の6因子から「慣れ」に与えている影響は、「表情」、「身振り手振り」、「目や体の方 向」、「間」の項目から成る【非言語およびパラ言語能力】と、「文法」、「語彙」、「表現力」、

「流暢さ」、「発音」、「丁寧さ」、「使いこなし」、「自然さ」、「スピード」、「聞きやすさ」の 項目から成る【正確さおよび流暢さ】および、「積極的」、「自信」、「責任感」、「率直さ」の 項目から成る【活動性】の3因子であった。

この 3 つのうち、もっとも説明率が高かった因子は【非言語およびパラ言語能力】であ り、表情や身振り手振りのような要素が適切であると思うほど発表に慣れていると高く評 価することがわかった。次に、文法や語彙の使い方が正しく流暢であることも、発表に慣 れていると評価をする要因であった。また、積極的であることと、自信があるかのような 活動性に関する評価も影響を与えていた。

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表7-11 韓国人学習者/慣れ(重回帰分析)

従属変数:慣れ 非標準化( B ) β l t l(12) 下限 上限

定数 3.109 68.641 3.020 3.198

プレゼンテーション向きの話し方 .476 .375 6.235*** .326 .627 正確さ及び流暢さ .413 .330 6.289*** .284 .543

活動性 .288 .231 4.598*** .165 .411

R(調整済み R) F(2,12)

B の95%CI

投入基準:F値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10

***p < .001

回帰係数

.663(.658) 153.765 除かれた変数:会話ストラテジー、個人的親しみやすさ、社会的望ましさ

続いて、「慣れ」に対する、「言語・パラ言語および非言語行動」および「対人印象」に 関する評価項目のうち、どの項目がもっとも影響力を持っているかを探るべく、項目ごと に単回帰分析を行なった。

その結果、「話し方が流暢である。」(B=.306, SE=.075, p<.001)、「聴衆への目や体の向け 方が適切である。」(B=.197, SE=.047, p<.001)、「自信のある人だ。」(B=.213, SE=.050, p<.001)、「話し方が日本語として自然である。」(B=.195, SE=.064, p<.01)、「協調性があり そうな人だ。」(B=.152, SE=.053, p<.01)、「日本語を使いこなせている。」(B=.153, SE=.071,

p<.05)の6つの項目が影響を与えていた。

これらの項目のうち、説明率が高かったのは「話し方が流暢である。」(B=.306, SE=.075,

p<.001)であり、話し方が流暢であるという項目の評価が高くなるほど、発表に慣れてい

るという評価も高くなっていた。また、聴衆への目や体の向け方が適切で自信があり、話 し方が自然であること、協調性がありそうで日本語を使いこなせているという要素の影響 も与えていた。

つまり、韓国人学習者にとって「発表に慣れている。」という評価に影響を与える因子は

【非言語およびパラ言語能力】、【正確さおよび流暢さ】、【活動性】の 3 因子であった。こ れらの3因子のうち、もっとも説明率が高かった因子は、【非言語およびパラ言語能力】で あり、発表の慣れへの評価における重要な要素であることが考察された。項目ごとには、

話し方の流暢さという要素がもっとも影響力をもっていることが示唆された。

以上のことから、韓国人学習者は、プレゼンターが発表に慣れていると思う要素として、

表情や身振り手振りが適切であることがもっとも大きい影響を与えることが示唆された。

また、文法や語彙の使い方が正しく流暢であることや、積極であることと、自信があるか のような活動性に関する評価も影響を与えていた。

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