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発音の評価が対人印象に及ぼす影響

第 9 章 発音の評価がプレゼンテーション評価に及ぼす影響

10.4 発音の評価が対人印象に及ぼす影響

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表10-4 韓国人学習者による「対人印象」に関する評価

Ⅰ Ⅱ Ⅲ 共通性

【個人的親しみやすさ】

話しやすそうな人だ。 . 9 2 6 -.008 -.113 .720 魅力のある人だ。 . 8 1 1 .084 -.007 .719 親しみやすい人だ。 . 7 8 7 -.028 .070 .680 好感の持てる人だ。 . 7 8 2 .136 .024 .758 外見が魅力的である。 . 7 4 7 .084 -.093 .529 好きになれそうな人だ。 . 6 8 8 .186 .029 .660

明るい人だ。 . 6 2 7 -.227 .418 .771

元気そうな人だ。 . 5 6 0 -.287 .527 .809 協調性がありそうな人だ。 . 4 6 1 .353 -.036 .455

【社会的望ましさ】

まじめな人だ。 .079 . 7 8 9 -.018 .673

落ち着いていそうな人だ。 -.102 . 7 6 4 -.403 .487

誠実な人だ。 -.118 . 7 4 8 .243 .661

礼儀正しそうな人だ。 .183 . 7 0 8 -.140 .556 しっかりした人だ。 .119 . 6 3 8 .218 .691

知的な人だ。 .026 . 6 3 3 .078 .466

信頼できそうな人だ。 .215 . 5 7 2 .206 .688

【活動性】

積極的な人だ。 .033 -.014 . 8 8 1 .807

自信のある人だ。 .008 .039 . 8 1 6 .702

責任感が強そうな人だ。 -.225 .554 . 5 9 1 .679

率直な人だ。 .132 .186 . 3 8 9 .357

因子間相関 Ⅰ Ⅱ Ⅲ

Ⅰ ― .462 .693

Ⅱ ― .414

Ⅲ ―

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表10-5 日本語教師による発音の評価が社会的望ましさに与える影響

従属変数:社会的望ましさ 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限

定数 1.257 6.766 1.967 .891

イントネーション .246 .264 2.921** .080 .412 プロミネンス .181 .186 2.057 .008 .354 R(調整済み R

F(2,12)

回帰係数 Bの95%CI

.184(.180)

53.713 除かれた変数:破裂音、摩擦音、破擦音、長音、促音、撥音、アクセント 投入基準:F値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10

p < .05、 **p < .01

分析の結果、まず、対人印象の第1因子である【社会的望ましさ】の予測においては、「イ ントネーション」の項目と、「プロミネンス」の項目が有意に寄与していた。この「イント ネーション」と「プロミネンス」への評価が高くなるほど、【社会的望ましさ】に関する評 価も高くなる。

次に、対人印象の第2因子である【活動性】の結果を表10-6に示す。

表10-6 日本語教師による発音の評価が活動性に与える影響

従属変数:活動性 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限

定数 1.094 4.679 1.554 .633

プロミネンス .407 .417 5.902*** .271 .542

促音 .161 .174 2.441 .291 .031

摩擦音 .129 .140 2.204 .014 .244

R(調整済み R F(2,12)

回帰係数 Bの95%CI

.167(.157)

15.819 除かれた変数:破裂音、破擦音、長音、撥音、イントネーション、アクセント 投入基準:F 値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10

p < .05、***p < .001

表10-6からわかるように対人印象の第2因子である【活動性】の予測においては、「プ ロミネンス」の項目と、「摩擦音」の項目が有意に寄与していた。この「プロミネンス」と

「摩擦音」への評価が高くなるほど、【活動性】に関する評価も高くなる。しかし、「促音」

の項目は負の影響を与えており、「促音」への評価が低くなるほど、【活動性】に関する評 価も高くなっている。

最後に、対人印象の第3因子である【個人的親しみやすさ】の結果を表10-7に示す。

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表10-7 日本語教師による発音の評価が個人的親しみやすさに与える影響

従属変数:個人的親しみやすさ 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限

定数 1.041 5.691 1.401 .680

プロミネンス .349 .362 5.999*** .234 .463 R(調整済み R

F(2,12)

.131(.128)

35.991

除かれた変数:破裂音、摩擦音、破擦音、長音、促音、撥音、イントネーション、アクセント 投入基準:値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10

***p < .001

回帰係数 Bの95%CI

表10-7からわかるように、対人印象の第2因子である【個人的親しみやすさ】の予測に おいては、「プロミネンス」の項目が有意に寄与していた。この「プロミネンス」への評価 が高くなるほど、【活動性】に関する評価も高くなる。

以上の結果から、日本語教師が【社会的望ましさ】を評価する際には、「イントネーショ ン」と「プロミネンス」への評価が影響を与えており、【活動性】を評価する際には、「プ ロミネンス」と「促音」、「摩擦音」への評価が影響を与えており、【個人的親しみやすさ】

を評価する際には、「プロミネンス」への評価が影響を与えていることが明らかになった。

このことから、日本語教師が韓国人学習者の印象について評価をする際には、「プロミネ ンス」の影響がもっとも大きいことが示唆される。また、「イントネーション」や「促音」、

「摩擦音」の評価からの影響もあることが示唆された。

10.4.2 韓国人日本語学習者による結果

韓国人学習者の対人印象に関する評価の観点である【個人的親しみやすさ】、【社会的望 ましさ】、【活動性】の因子を従属変数、発音に関する評価の結果である「破裂音」、「摩擦 音」、「破擦音」、「長音」、「促音」、「撥音」、「イントネーション」、「プロミネンス」、「アク セント」を独立変数とした。その結果、有意な回帰式が得られた。

まず、対人印象の第1因子である【個人的親しみやすさ】の結果を表10-8に示す。

表10-8 韓国人学習者による発音の評価が個人的親しみやすさに与える影響

従属変数:個人的親しみやすさ 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限

定数 1.85 8.753 2.267 1.434

摩擦音 .362 .312 5.035*** .220 .504

アクセント .270 .296 4.769*** .159 .382

R(調整済み R F(2,12)

回帰係数 Bの95%CI

.266(.259)

42.870

除かれた変数:破裂音、破擦音、長音、促音、撥音、イントネーション、プロミネンス 投入基準:値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10

***p < .001

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分析の結果、まず、対人印象の第1因子である【個人的親しみやすさ】の予測において は、「摩擦音」の項目と、「アクセント」の項目が有意に寄与していた。この「摩擦音」と

「アクセント」への評価が高くなるほど、【個人的親しみやすさ】に関する評価も高くなる。

次に、対人印象の第2因子である【社会的望ましさ】の結果を表10-9に示す。

表10-9 韓国人学習者による発音の評価が社会的望ましさに与える影響

従属変数:社会的望ましさ 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限

定数 1.373 6.904 1.765 .982

長音 .287 .270 3.966*** .144 .429

アクセント .197 .219 3.215** .076 .318

R(調整済み R F(2,12)

回帰係数 Bの95%CI

.180(.173)

26.077

除かれた変数:破裂音、摩擦音、破擦音、促音、撥音、イントネーション、プロミネンス 投入基準:値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10

**p < .01、***p < .001

表10-9からわかるように対人印象の第2因子である【社会的望ましさ】の予測において は、「長音」の項目と、「アクセント」の項目が有意に寄与していた。この「長音」と「ア クセント」への評価が高くなるほど、【社会的望ましさ】に関する評価も高くなる。

最後に、対人印象の第3因子である【活動性】の結果を表10-10に示す。

表10-10 韓国人学習者による発音の評価が活動性に与える影響

従属変数:活動性 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限

定数 1.791 9.453 2.164 1.418

アクセント .384 .426 6.722*** .271 .496

破裂音 .225 .214 3.374** .094 .357

R(調整済み R F(2,12)

回帰係数 Bの95%CI

.324(.319)

56.906

除かれた変数:摩擦音、破擦音、長音、促音、撥音、イントネーション、プロミネンス 投入基準:F 値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10

**p < .01, ***p < .001

表10-10からわかるように対人印象の第2因子である【活動性】の予測においては、「ア

クセント」の項目と「破裂音」の項目が有意に寄与していた。この「アクセント」と「破 裂音」への評価が高くなるほど、【活動性】に関する評価も高くなる。

以上の結果から、韓国人学習者が【個人的親しみやすさ】を評価する際には、「摩擦音」

と「アクセント」への評価が影響を与えており、【社会的望ましさ】を評価する際には、「長 音」と「アクセント」への評価が影響を与えており、【活動性】を評価する際には、「アク セント」と「破裂音」への評価が影響を与えていることが明らかになった。

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このことから、韓国人学習者が韓国人学習者の印象について評価をする際には、「アクセ ント」の影響がもっとも大きいことが示唆された。また、「摩擦音」や「長音」、「破裂音」

の評価からの影響もあることが明らかになった。