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日本人日本語教師による評価の観点

第 6 章 対人印象に関する評価の観点

6.4 日本人日本語教師による評価の観点

6.4.1 項目別平均得点

日本語教師40名(男性9名、女性31名)の「対人印象」に関する質問紙20項目の結果、

全体の平均値は3.63であり、各項目は、「積極的」(3.60)、「責任感」(3.68)、「率直さ」(3.69)、

「親しみやすさ」(3.72)、「自信」(3.53)、「誠実さ」(3.69)、「自然さ」(3.75)、「信頼性」

(3.65)、「好み」(2.63)、「知的」(3.54)、「魅力」(3.52)、「まじめさ」(3.84)、「礼儀の良 さ」(3.85)、「明るさ」(3.59)、「好感度」(3.75)、「元気さ」(3.65)、「話しやすさ」(3.66)、

「協調性」(3.48)、「落ち着き」(3.50)、「外見の魅力」(3.35)であった。

図6-1「対人印象」の平均値(日本語教師)

図6-1からもわかるように、20項目のうち、平均がもっとも高かった項目は、「礼儀の良 さ」(3.85)であり、もっとも低かった項目は、「外見の魅力」(3.35)であった。また、全 体の平均値から高かった項目は、「礼儀の良さ」(3.85)、「まじめさ」(3.84)、「しっかり」

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(3.75)、「好感度」(3.75)、「親しみやすさ」(3.72)、「誠実さ」(3.69)、「率直さ」(3.69)、

「責任感」(3.68)、「話しやすさ」(3.66)、「元気さ」(3.65)、「信頼性」(3.65)の 11項目 であり、「好み」(3.63)はちょうど平均値と一致していた。また、平均値から低かった項目 は「積極的」(3.60)、「明るさ」(3.59)、「知的」(3.54)、「自信」(3.53)、「魅力」(3.52)、

「落ち着き」(3.50)、「協調性」(3.48)、「外見の魅力」(3.35)の8項目であった。

表6-2「対人印象」の平均値(日本語教師)

平均値 標準偏差

礼儀の良さ 3.85 1.46

まじめさ 3.84 0.56

しっかり 3.75 0.58

好感度 3.75 0.50

親しみやすさ 3.72 0.49

誠実さ 3.69 0.54

率直さ 3.69 0.51

責任感 3.68 0.55

話しやすさ 3.66 0.52

元気さ 3.65 0.44

信頼性 3.65 0.53

好み 3.63 0.51

積極的 3.60 0.39

明るさ 3.59 0.44

知的 3.54 0.56

自信 3.53 0.46

魅力 3.52 0.49

落ち着き 3.50 0.57

協調性 3.48 0.44

外見の魅力 3.35 0.52

平均 3.63 0.55

日本語教師

6.4.2 因子分析

「対人印象」に関する質問紙2の項目を、IBM SPSS Statistics 22を用いて、重みなし 最小二乗法、プロマックス回転を用いた。分析の結果、固有値は10.739、2.199、1.189と 減衰し、第3因子までの累積説明率は70.6%であった。ここでは固有値の減衰状況から総 合的に判断し3因子解を採用することとした。

第1因子は、「まじめさ」「信頼性」「誠実さ」と、社会において必要とされる要素に関わ る項目の因子負荷量が大きいので【社会的望ましさ】因子と解釈した。第2因子は、「積極 的」「元気さ」「自信」と、人の活動に関する項目の因子負荷量が大きいので【活動性】因 子と解釈した。第3因子は、「話しやすさ」「親しみやすさ」「好感度」と、個人的に親しめ

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るかどうかに関する項目順に因子負荷量が大きいので【個人的親しみやすさ】因子と解釈 した。

3因子それぞれの関係について、親しみやすさを感じるには元気そうで明るい要素が重要 視されると予想した。本研究の結果では下記の表6-3 からわかるように、第1 因子【社会 的望ましさ】と第 2因子【活動性】(.510)、第 3 因子【個人的親しみやすさ】(.628)、ま た、第2因子【活動性】と第3因子【個人的親しみやすさ】(.615)と続き、第1因子【社 会的望ましさ】と第3因子【個人的親しみやすさ】がもっとも相関関係が高かった。3つの 因子間での相関関係は中程度の相関が見られ、第1因子【社会的望ましさ】と第2 因子の

【活動性】、第3因子【個人的親しみやすさ】の因子は独立的にみるのではなく、全てにお いて相関関係があり、複合的に考えなければいけないと考える。崔(2009a)では個人的に 親しみやすい特徴として、積極的でかつ元気そうな人のように【活動性】のほうが影響を 与えていたが、本研究ではまじめで、信頼ができ、誠実な人であることが作用していた。

崔の設定場面は初対面会話であり、本研究の設定場面はプレゼンテーションであることが 結果に影響を与えたのではないかと考える。

表6-3 「対人印象」の因子分析(日本語教師)

Ⅰ Ⅱ Ⅲ 共通性

【社会的望ましさ】

まじめな人だ。 . 9 8 4 -.181 -.067 .756 信頼できそうな人だ。 . 7 5 0 .167 .039 .764

誠実な人だ。 . 7 3 0 -.127 .200 .646

落ち着いていそうな人だ。 . 6 6 6 -.304 .316 .575 責任感が強そうな人だ。 . 6 5 6 .281 -.014 .681 しっかりした人だ。 . 6 4 0 .525 -.203 .775

知的な人だ。 . 6 2 4 .135 .142 .648

礼儀正しそうな人だ。 . 2 5 8 .007 .100 .112

【活動性】

積極的な人だ。 -.045 . 9 9 8 -.104 .841 元気そうな人だ。 -.235 . 8 2 5 .225 .751 自信のある人だ。 .156 . 8 1 5 -.109 .699

明るい人だ。 -.275 . 6 8 7 .440 .768

外見が魅力的である。 .130 . 3 8 4 .347 .556

率直な人だ。 .299 . 3 8 3 .176 .533

【個人的親しみやすさ】

話しやすそうな人だ。 -.075 .184 . 7 5 4 .693 親しみやすい人だ。 .047 .078 . 7 5 0 .690 好感の持てる人だ。 .240 .064 . 6 7 2 .785 協調性がありそうな人だ。 .318 -.176 . 6 3 4 .593 好きになれそうな人だ。 .275 .003 . 6 0 8 .658

魅力のある人だ。 .225 .220 . 5 3 1 .724

因子間相関 Ⅰ Ⅱ Ⅲ

Ⅰ ― .510 .628

Ⅱ ― .615

Ⅲ ―

以上、「対人印象」に関する評価項目である質問紙1の結果を、因子分析を用いて分析を

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行なった。この因子分析の結果を、AMOSを用い、確認的因子分析で検証した。

図 11 からわかるように、分析の結果、こちらの共分散構造分析の結果は十分でないが、

基本的には大きな問題はないと考えることとした。なお、以上全ての項目においてパスが

0.1%の水準で有意となった。また、全ての因子間に0.1%の水準で有意差がみられた。得ら

れたモデル図を図6-2に示す。以下の図6-2で、片方向矢印(→)は原因と結果の因果関係 を表し、双方向矢印(↔)は双方向の相関関係を表している。また、丸で囲んでいるもの(◯)

は観点を表し、四角で囲んでいるもの(□)は実際に測定された変数である。

X2=1189.387, df=168, p<.001, GFI=.781, AGFI=.726, CFI=.865 RMSEA=.113, AIC=1273.387 図6-2 「対人印象」の確認的因子分析(日本語教師)